パリ 深刻な大気汚染で市民団体が対策求める

パリ 深刻な大気汚染で市民団体が対策求める
フランスのパリでは、主に自動車の排気ガスによる深刻な大気汚染が続いていて、当局が車両の交通規制を行うなど対応に追われていますが、ルールを守らないドライバーが後を絶たず、市民団体は政府などに抜本的な対策を求めています。
パリでは今月に入って、大気汚染がひどくなりやすい風の弱い日が続いていて、環境団体によりますと、主に自動車の排気ガスによる窒素酸化物やPM10と呼ばれる大気汚染物質の濃度が、この10年で最悪のレベルに達しています。

パリ市や警察などの地元当局は、市内やその周辺でナンバープレートの番号による車やオートバイの交通規制を行い、バスや地下鉄などを無料にして公共交通機関の利用を呼びかけていますが、ルールを守らないドライバーが後を絶たず、効果は限定的だと地元メディアは指摘しています。

こうした中、17日には市民団体がパリ中心部で抗議デモを行い、政府や地元当局に対して、大気汚染の改善に向けた抜本的な対策を速やかにとるよう求めました。

事態を重く見たパリ市は、来月中旬から排気ガスの低減性能に応じて色分けしたステッカーを張っていない車両の通行を制限するほか、フランス政府も来月から電気自動車への買い替えに対する補助金を商用車に拡大する方針で、一連の対策で効果をあげられるかどうか注目されています。