親しくしていた友人が先日亡くなった。癌だった。
頻繁に会ったりしていたわけではなかったけれど、たまに連絡を取ってもいつもずっと一緒にいたようにフランクに接してくれて、私にとって数少ない親友と言っても過言ではなかった。
癌だと言って本人は「まぁ、ちゃんと治療すればなんとかなるっしょ」と明るく朗らかに振舞っていた。その姿に私もまぁこの子ならきっと治療もできて元気になるだろうと、根拠のない楽観視をしていたのだ。
亡くなったと連絡があったのはまだ暗い朝5時のことだった。その子の母から容態が急変したと、病院に駆けつける間もなくあっという間に亡くなってしまった。
彼女は私にとってかけがえのない人だった。私の過去を知り、それでも私のことを大切な友達だと言ってくれた。仕事も恋愛も何もかもうまくいかないときでも一緒にいて見放さないでいてくれた。一緒にいてくれることの有り難さを教えてくれたのがその子だった。でもその子はもうこの世のどこにもいない。世界に大きな大きな穴ぼこがあいたような気持ちだ。
私にとってその子がかけがえのない友人なら、その子にとっての私はなんだったのだろう。同じように思ってくれていたのだろうか。その子が幸せだと私も嬉しかった。自分のことのように幸せに思った。もう良い大人になった私にまたそんな友人ができるとは到底思えない。誰もその子の代わりになんてなれない。代わりにするという考え自体がおこがましいよね。ごめんね。
ごめんねばかり繰り返す。もっとできたことがあったんじゃないかとタラレバばかり繰り返す。それでも何か力になることができたんじゃないか、もっと幸せを感じてもらうことができたんじゃないか。くだらない話をたくさんしてお酒を飲んでたまに泣いたりしてそんなことをもっとずっと繰り返していたかった。その子のいない世界にひとり置いていかれて、自己嫌悪を繰り返しても、その子の代わりに心臓を取り替えることもできないし、なんかもう、なんで私なんかが生きているのだろうとどうしようもないことばかり考えている。