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勃起不全(ED)

勃起不全(ED)の基礎知識

勃起不全(ED)とは?

  • 十分な勃起が起こらず性交が行えない状態
  • 正常な勃起のプロセス
    • 性的興奮が脳からの神経を介して陰茎に伝わる
    • 陰茎海綿体の動脈が広がり血液が流れ込むことで陰茎が膨張する
    • 膨張した海綿体が静脈を押しつぶすことで、陰茎がうっ血し勃起が完成する
  • 主な原因
    • 器質性ED:精神的な理由以外のもの
      動脈硬化
      糖尿病性神経障害
      ・けが、手術
      ・性ホルモンの異常(精巣機能不全、エストロゲンの内服、下垂体機能低下症、男性更年期障害など)
      ・陰茎の異常(尿道下裂尿道上裂、ペイロニー病)
    • 機能性ED:精神的な理由のもの
      ・精神的なショック
      うつ病
      統合失調症
    • 薬剤性ED:薬の副作用によるもの
      ・精神科領域の薬剤(抗うつ薬、抗精神病薬、向精神病薬(睡眠薬など)、抗不安薬など)
      ・循環器科領域の薬剤(降圧薬、抗不整脈薬、血管拡張薬など)
      ・その他(解熱鎮痛薬、抗コリン薬、抗けいれん薬など)
  • 患者数は500-1000万人以上
    • 有病率
      ・40歳代で約20%
      ・50歳代で約40%
      ・60歳代で約60%

症状

  • 陰茎が十分に硬くならない
  • 膣内へ挿入できない
  • 性交の途中で勃起が中断する

検査・診断

  • 心理検査:心理状態を調べる
  • 血液検査:男性ホルモンの状態などを調べる
  • 勃起機能検査:視覚による性的刺激などを行い、勃起するかを調べる
  • 血管の検査
    • 血管を拡張させる薬剤を直接、陰茎に注射して勃起するかを調べる
    • 動脈硬化の状態を調べる

治療

  • 主な治療
    • 機能性EDの場合
      ・カウンセリングによる助言、指導などの心理療法
      ・精神療法
      ・薬物治療
       ・PDE5阻害薬(商品名バイアグラ、レビトラ、シアリスなど)
       ・男性ホルモンテストステロン
    • 器質性障害の場合
      ・治療は困難
      ・手術(シリコンの埋め込み)
  • 一度手術をすると体内の異物感が出るので注意が必要

勃起不全(ED)の経過と病院探しのポイント

この病気かなと感じている方

勃起不全とは十分な勃起が起こらず性交が行えない状態であり、薬剤や身体、精神的問題から起こり、年齢と共に増えていきます。

ご自身が勃起不全でないかと心配になった時、最初に受診するのは泌尿器科になります。その他にもメンズヘルス科や心療内科等でも診療している施設はあります。泌尿器科専門医という資格がありますが、その中でも専門とする疾患が医師によって多少異なるため、勃起不全を専門として扱っている施設を受診するとよいでしょう。総合病院よりもクリニックの方が勃起不全を専門としているところは多いかもしれません。ネットを使用してクリニックのホームページを調べてみるのも良いでしょう。勃起不全は緊急性がある病気ではなく、医師との相性が重要であるため、よく選んでご自身に合うクリニックを受診することが勧められます。

勃起不全の診断は問診と検査で行います。検査には、心理検査や血液検査、勃起機能検査、血管の状態を調べる検査があります。これらの検査は大学病院などの専門施設ではなく、クリニックで実施可能です。


この病気でお困りの方

勃起不全の治療は原因により異なります。精神的な問題による場合は、カウンセリングや内服などを行い、身体的な問題がある場合はシリコンの植え込み手術などを行う方法もあります。これらの治療は勃起不全を専門とするクリニックで実施可能です。また、身体的な問題があると考えられ、その施設で手術困難な場合は、手術が可能なところを紹介してもらうこともできるでしょう。

勃起不全の受診のタイミングは、ご自身が困ったときが適切です。ご自身の意思で治療したいと思った時は病院を受診しましょう。主治医の治療方針や性格が、ご自身と合う病院を選ぶことが、納得行く治療をうけるために必要です。





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