まずはじめに、ぼくは普段あまり本を買う事がありません。
理由は簡単で「収納スペースに限りがあるから」
広い家とデカい本棚があればもっと買ってるのかなとも思いますが、無いものは仕方ない。なので「極力買わない→中身を吟味して買う→不要と思ったらすぐ処分」というサイクルで今に至っています。(電子書籍は検討中)
上記の理由から本棚にはおのずと「ずっと手元に置いておきたい本」が残ります。
今回はそんなスタメンたちを紹介します。人んちの本棚見るのって意外と楽しいですよね。
主にデザインネタに興味のある方向けですが、参考になれば幸いです。
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考え方
佐藤可士和の超整理術[佐藤可士和 著]
デザイナーという仕事はバラバラに散らばった情報を理論的に整理し、ユーザーにより正しく伝えることだと考えています。物事を正確に相手に伝えるっていうのはコミュニケーションの基本的なポイントですがこれが意外と難しい。
正しいデザインを阻害するのがノイズです。それは頭の中だったり目に見えるものだったり、いろんな所に存在してます。
そしてデザイナーは情報を整理する以前に「身の回りの整理」が必須だと考えています。なぜなら不要なものがたくさんあるデスクで作業をすること自体、ノイズの中に身を置いているようなもの。極力そういったものを排除した方が集中力も作業効率も上がるからです。
これまでデスクが散らかり倒した後輩たちにこの本を買っては贈ってきました。
著者は日本を代表するアートディレクターの一人、佐藤可士和。
徹底してムダを排除したオフィスを見ればいかに整理整頓が重要で働くスペースと頭の中がリンクしている事がよくわかる。本物のミニマリストとはこういう人のことを言うのではないかなと思います。
佐藤可士和流の整理術。資料の整理の仕方から、頭の中の情報整理まで。読み進めるうちに頭がスッキリしてきます。
そなえ-35歳までに学んでおくべきこと-[野村克也 著]
35歳を超えて敵がいないということは、人間的に見込みがないことである。
これはノムさんこと野村克也さんの言葉です。
30歳を超えたあたりから周りからやっかみめいたものを受けたり、過度な期待をされたりと仕事上のストレスを感じていた自分にこの言葉がブッ刺さり本書を購入しました。
ほかにも「人は無視・賞賛・批判の順で試される」といったモロにブログ運営にも当てはまるような話も紹介されています。
数々の名選手を育てた野村監督の実体験に基づいた「そなえ(準備)のメソッド」野村克也の野球はID野球と呼ばれ、徹底的にデータを取り、相手を研究し尽くして勝ちを呼び込む。常に心の準備をしておき、その時にそなえる。その重要性を説いています。
野球の話が多いですが、ビジネスにも十分当てはまるので非常に参考になります。仕事で壁にぶち当たったら読み返す本。また部下の育成を任された人などにもおすすめできます。
コーポレート・アイデンティティ戦略[中西元男 著]
日本のコーポレートアイデンティティデザイン(CI)の大家、中西元男さんの本。中西さん率いるPAOSはこれまでNTT、ブリヂストン、伊藤忠、TOTOなど名だたる大企業のCIをデザインしています。
「デザイン」という言葉を聞くと見た目を装飾する表層的なものを思い浮かべますが、CIデザインとはロゴやシンボルマークなどの表層的なデザインはもとより、その名のとおりブランドを強化するためのアイデンティティの設計を差します。
ぼくが身をおくグラフィックデザインの世界はとかく表層的なデザインにばかり着目されがちなのですが、技術だけではなく、クライアントやサービスへの深い洞察や綿密な戦略など「目には見えない部分」をどれだけデザインに落とし込めるかというのも重要だと思っていて、この本はその大切さに気づかせてくれました。
中身は専門的で難しい部分が多いかもしれませんが、「カッコイイデザイン作りたいよ!」みたいな若いデザイナーの方にも読んでもらいたい本です。表面的にかっこいいだけでは良いデザインとは呼べません。
中西さんのことはかなり前にブログで知ったのですが、CI開発当時の裏話など、面白い話がたくさん出てきます。東京オリンピックの仕切りなおしとなったエンブレムデザイン再選考の委員にも選ばれておられたようです。
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技術書
デザインのルール、レイアウトのセオリー[伊達千代 著]
優れたデザインは決して「なんとなく」ではできません。
ぼくは後輩を指導するときにコレだけは必ず守って欲しいと伝えていることがあります。
それは「なぜこのデザインになったかすべて自分の言葉で説明できること」です。本人が説明できないデザインはすなわち「説得力が無い」と同じことなので、そんなものでは人の心は動かないと考えています。
同じくらい大事なのが「小手先のテクニックに逃げない」こと。これはソフトが思いどおりに動かせるようになる2~3年目のデザイナーに多いです(かつての自分もそうでした)
良いデザインはルールやセオリーなくしてはできません。
- 導線を設計する
- 効果的に余白を使う
- コンセプトを統一させる
- 可読性とデザインを両立させる
などこの本には他にもさまざまなデザインのルール、セオリーが紹介されており、これをマスターすれば感覚に頼るだけのデザインから脱却できます。そしてデザインの説得力も増し、自分の作ったものにも自信が持てるようになります。
自分の作ったデザインを言語化するにはこうした知識が必須になります。
なんとなくデザインしてしまってる人におすすめです。
作例も豊富に掲載されていて、どれもセンスが良いので参考にしやすいと思います。
コラージュ デザイン ワークス[scrap-graphic 著]
タイトル通りなのですが、Photoshopを使ったデジタルコラージュの作り方を紹介した本です。どちらかというとアナログのコラージュをデスクトップ上で作ってみるといった趣旨。
結局コラージュは素材選と加工の手法をどれだけ身につけているかという、技術といよりはどちらかというとセンスの世界だと思います。
この本に紹介されている作品は個人的に好みのものが多く、とても参考になったので紹介します。こうした本はたくさん出版されていますし、自分の好みに合った作風が多く紹介されているものを購入してチャレンジしてみるのがいいと思います。
コラージュやアレンジ方法を覚えるとこんなのも作れるようになります。
しばらくやってないですねーこの企画。そろそろ何かまたやろうかな
(^ω^)
HTML5/CSS3モダンコーディング-フロントエンドエンジニアが教える3つの本格レイアウト-スタンダード・グリッド・シングルページレイアウトの作り方-[吉田真麻 著]
学生時代から数えてグラフィックデザインを15年やってきて、ここ数年は「webデザインできないとこの先ヤバくない?」とちょっと不安になって少しずつ勉強し始めました。
独学での参考書選びのポイントは、できるだけ最近発売されたもの、ごく初歩的なところから順を追って解説してくれているものを選ぶのが良いかと思います。
こちらの本のおすすめポイントはとにかく作例がイケてる点です。タイトルのとおり「スタンダード/グリッド/シングルページ」の3つのサイトのデザインを作っていきます。
またレスポンシブデザインの基本的な作り方も掲載されていて、かなり分かりやすかったのが印象的でした。
ぼくみたいな初心者でも読みながら作っていけるし、各章の終わりにはアレンジの仕方も掲載されていたりとなかなか良い本でした。
自分の場合はブログもwebデザインの勉強の延長という部分もあります。どうしてもCSSをいじったりしないといけないので。
ブログのカスタマイズもコードをコピペして終わりではなく、そこから少しアレンジするとオリジナリティが出せますので、初歩的なwebデザインの知識があると何かと役に立ちますね。
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そのほか
沈黙のwebライティング[松尾茂起 著]
こちらはデザイナー向けというより完全にブロガー向け。こうしてブログで情報発信する以上は基本的な知識は必要かなと思って今読んでます。
SEOの基礎知識や最近話題の「引用」や「著作権法」の正しい知識なんかも紹介されているほか、読みやすい文章の書き方とか、改行のポイントはこうしたほうがいいといったレイアウトの指南もあったりして、まだ途中ですがなかなか為になるなと思いました。
600ページという分厚さに面食らいますが、フキダシの会話形式で物語が進んでいくスタイルでイラストや画像も多いのでサクッと読めます。
詳細は公式HPを
沈黙のWebライティング - Webマーケッター ボーンの激闘 -
道は開ける[D・カーネギー 著]
いわずと知れた世界的ベストセラーの名著。
内容はタイトルの通り「不安・疲労・悩み」の克服法がカーネギー自身、そしてその周りで起きたエピソードとともに紹介されています。
この本を紹介する理由はもうひとつあって、
ぼくが大好きなブログをひとつ紹介したかったからです。
それがこちら
池沼マスオさんのブログ「嫁を動かす」が好きすぎるんですよ!
このブログはカーネギーの代表作「人を動かす」の一部を引用しながらマスオさんの日常で起こるスペクタクルを書いているんですけど、ほんとおもしろくて、毎回楽しみにしているブログであります。
いきなり老婆が後部座席に乗り込んできたり
意地悪そうなクレアおばさん(姑)とのチャンネル争いしてみたり
チャンネル権を手放さない姑にアツアツシチューを流し込んだ件 - 嫁を動かす
ウソかホントか分からない話が満載でして、全く役に立たないと思わせておいて強引にカーネギーの名言をネジ込んでくるあたり、ものすごいセンスを感じる。
とにかく最高(アンニョイ)なので、ぜひ読んでみてください。
少なくともカーネギーの本より面白いと思います。
最後に
最初はマジメに書評を書いていたんですが、いつの間にか「嫁を動かす」への前フリみたいになってしまって「どうしてこうなった・・・」というキモチでいっぱいです。
今回紹介した本(とブログ)は自信を持っておすすめできますので、機会があったら手にとってみてください!