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親は「紀州ミカン」と「クネンボ」

温州ミカン(中央)の親品種と判明した紀州ミカン(左)とクネンボ(右)=大場あい撮影

 温州(うんしゅう)ミカンは、中国原産の紀州ミカンとインドシナ原産の柑橘類(かんきつるい)クネンボが掛け合わさってできたことが分かったと、農業・食品産業技術総合研究機構(茨城県つくば市)が7日発表した。冬の代表的な果物として親しまれているが、どんな品種の交配で生まれたのかは長年のなぞだったという。

     温州ミカンは味がよい上、種がほとんどなく食べやすいため人気で、国内の柑橘類出荷量の約7割を占める。大正・昭和期の研究などから日本で生まれたとの説が一般的で、遅くとも江戸時代初期にはあったと言われる。

     同機構の藤井浩主席研究員らが温州ミカンの親品種の可能性がある柑橘類59品種・系統のDNAを分析した結果、紀州ミカンにクネンボの花粉が受粉して交配したと推定されるという。

     紀州ミカンは、明治時代中期までは国内では主要な柑橘類の一つで、小型で種が多い。クネンボも江戸時代までは主要な品種だったが、皮に独特のにおいがあるうえ分厚くてむきにくく、種が多い。現在では沖縄などでわずかに栽培されている。

     今回の研究では、交配した国・地域は特定できていないが、藤井さんは「数百年前に紀州ミカンとクネンボが混在していた人里などで偶然交配して温州ミカンが生まれ、優れた品種として接ぎ木で広まっていったのではないか」と推測している。【大場あい】

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