「すしざんまい」から利益をかすめとる「NAVERまとめ」は文化の海賊だ

すしざんまいの社長の話題がネット上でかなり大きくなっているようだ。

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「すしざんまいの社長がひとりでソマリア沖海賊を退治した」という話題については、『恋するソマリア』などの著作があり、ソマリアに詳しいノンフィクション作家の高野秀行さんが自身のブログで以下のように明確に否定されている。

海賊の激減とすしざんまいには何も関係はない。たとえすしざんまいで元海賊を漁師や船乗りに雇っても、他の人間が海賊をやるから同じことだ

ということであった。
この件はこれで終了であろう。とはいっても、すしざんまいの社長の現地貢献は素晴らしいことだ。拉致・誘拐が普通に行われる国へ行って、拉致されずに仕事ができること自体が武勇伝だと高野さんも書いている。

ハーバービジネスオンラインさんは、社長の武勇伝を膨らませずに書けばよかったのに、大げさすぎるミダシをつけてありえない美談にしあげようとして、せっかくのいい内容を損ねてしまったようだ。

アクセス数をかすめとる「NAVERまとめ」

さて、ハーバービジネスオンラインの元記事だが、記者はおそらく1月12日にすしざんまいの木村社長を尋ねてインタビューをしている。普通に考えればこの企画は昨年のうちに動いてアポをとったことだろう。インタビュー終了後に記事は2回にわけてアップされた。ソマリア沖海賊に話題が振られたのは1月18日の記事「すしざんまい社長が語る「築地市場移転問題」と「ソマリア海賊問題」。

そして、その数日後には早くもNAVERにパクリまとめ記事がアップされている。まとめる方は元記事を適当にバラして再構成するだけだから簡単だ。なんの労力もいらない。
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ぼくの友人に聞いたところによると、この話題は「FBでいろんな人がNAVERまとめの記事をいいね!して流れてくる」「けれども記事元のハーバービジネスの記事はシェアされていないのか流れてこない」ということだった。

そこで、確認のためにNAVERの当該まとめページを見てみた。
これもNAVERのアクセスに数えられちまうから本当はイヤなんだけど、仕方がない。

22日18時現在、

ハーバービジネスに いいね! している人は2.5万人
NAVERに いいね! している人は6.4万人。

というわけで、NAVERまとめの勝ち!!

・・・・・・・そんなことでいいのか?

記事を書いたのはハーバービジネスなのに

ハーバービジネスさんは社長のもとへインタビューにいき、時間をかけて企画を進め記事を書いている。やっとこ記事をアップしたら、すぐにNAVERにパクられてしまった。そしてアクセスはNAVERに集まる。NAVERの記事はすでに75万アクセスがある。これは、本来はハーバービジネスさんが稼ぐべきアクセス数の筈だ。

大概の人はNAVERでまとめを読んだら、あえて記事元まで読みに行かないだろう。その結果、元記事は読まれない。

あーあ、ハーバーさん、かわいそうにヽ(´ー`)ノ
いやいや、人ごとじゃないよ。ぼくも同じような目にあっているからね。

ぼくだけじゃない、NAVERにパクられて怒!という記事はネット上たくさんあるから検索して読んでください。

人が時間をかけて作り上げた記事を、あっという間にパクってしまうシステムを作り上げたNAVERは文化的な海賊だ。クリエイターが得られるべき利益、満足感、充実感、アクセス数、そうしたものをNAVERはすべて奪っていく。

パクリで成りたつ諸々のキューレーションサイトは本当にひどいメディアだ。

というわけで、見方を変えればハーバービジネスさんもNAVERの被害者だ。真の悪はNAVERまとめだ。

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