松山市景観審有志
伊予鉄車両「鮮やかすぎ」、再検討を要請
2016年11月25日(金)(愛媛新聞)
伊予鉄道が統一を進める新カラーリングの市内電車(右)と従来車両=22日午後、松山市二番町4丁目
伊予鉄道が統一を進める新カラーリングの市内電車(右)と従来車両=22日午後、松山市二番町4丁目
伊予鉄道(松山市)が進めている電車・バス外装のオレンジ色への統一について、デザイン専門家らでつくる市景観審議会(15人)の有志9人が同社に「色が鮮やかすぎて目立ち、松山の景観を担う大きな要素として強い懸念を抱く」などとして再検討を求めたことが24日までに分かった。審議会長で有志代表の千代田憲子愛媛大教授(芸術工学)は「彩度や、車体全てを一色で塗ることの見直しも考えてほしい」と話している。
同社は愛媛らしさを前面に出し観光のシンボルにしようと、2015年度から順次カラーを切り替えている。電車は4年、バスは8年の計画。
千代田教授や市によると、再開発を予定しているJR松山駅周辺の景観を審議した8月、車体の色が話題になった。建築物や屋外広告物といった法律や条例に基づく審議対象に該当しないため、閉会後、非公式に委員が議論。9月下旬に千代田教授が同社を訪れ、色彩の使い方をデザインで工夫▽市民の声を反映する機会の設定▽古い車体は塗り替えず風景と一体となったレトロ感を演出―など6項目を文書で提案した。
11月22日の審議会で千代田教授が経緯を報告。取材に対し「デザインに携わる者として意思表明したいと考えた。公共交通機関としていったん立ち止まり、前向きに検討していただければ」と話している。
同社鉄道部運輸課は「公共交通に関心を持ってもらおうと計画的に変更を進めている」と説明。「かんきつの色で愛媛のPRになる」といった好意的な意見も寄せられているとし「今回のご意見も社内で共有し、今後の参考にさせていただきたい」とコメントした。
千代田教授によると、1981年には東京都営バスの車体カラー変更を巡り専門家や市民らによる「公共の色彩を考える会」が発足するなどし、見直しに至った事例もあるという。