今回ポリティカル・コレクトネスを全面に打ち出したヒラリーが負け、土足でポリティカル・コレクトネスの上を歩きながら選挙活動を行ったトランプが勝ったのは日本にとってもいろいろな意味で重要だ。
というのは、人種差別がどうの反イスラム主義がこうの言っているような連中はかなりの確率で反日だからだ。
こういうリベラル派というのは、日本でなにかあるとすぐにろくに調べもせず、得意になっていちゃもんを付け始める。
批判そのものがあるのが問題ではない。その批判の質がものすごい低い事が問題なのだ。英語が分かる人で欧米のリベラルメディアにアクセスがある人は分かると思うが、その質は往々にして信じられないくらい低い。
よくここまでひどい手抜きができるものだと感心するほどだ。
僕が英語を勉強して一番よかったのは、欧米メディアの腐り方というのは日本の「マスゴミ」と比べて全く変わる所がない、という事が分かったことだ。
得意げにニューヨークタイムズとかガーディアンを持ち出して「世界では~」とかいう連中に対しては本当に失笑するしかない。
少し以前の話になるが、歴史問題に関して欧米メディアで反日が大流行したことがある。
こういう連中というのは事実というものに大して興味がない。
カルフォルニアあたりで中国人や韓国人が流しているようなデマを平気で鵜呑みにする。
アメリカなんて、韓国語と英語しか分からないような人間が日本の植民地政策を「研究」している。
そしてこういうクズが、日本の「歴史修正主義」に対して連名で抗議文を発表したりするのだ。
自分たちに都合の悪い歴史を捻じ曲げてきたのはこういう連中であるにも関わらずだ。
アメリカでは日本を攻撃するのに役立つ情報はどんな出鱈目でも許される一方、日本の立場に立った情報を出す事は絶対悪なのである。
ポリティカル・コレクトネスというのはそういうものだ。
これまで日本はアメリカのリベラル派のおかげでどれくらいの被害を蒙ってきたか分かったものではない。
今回、日本人なのにクリントンの敗北を嘆き悲しむような連中は、本当におめでたいとしか言いようがない。
ポリティカル・コレクトネスによる言論の捻じ曲げが軽減されるにつれ、アメリカの日本に対する見方も変化していくだろう。
今後アメリカがどの程度排外的になるかは分からないし、時々「原爆投下は正しかった」というようなinnocentな(罪のない)ノイズは聞こえてくるだろうが、案外日本に対するイメージは良くなっていくのではないだろうか。
極東アジアでの軍事的緊張のために歴史問題で日本を中傷することは完全に場違いになり、最近このような中傷はあまり聞こえなくなっているのだが、ポリティカル・コレクトネスを絶対視する「多様なアメリカ」というのは反日にブレーキがかからない社会である、という事は注意しておいてよいと思う。
とはいえ日本に対する反感には他にもいろいろな要素があるから、ポリティカル・コレクトネスの縛りが減っていったあとで日本に対するイメージがどうなっていくかは個人的に非常に興味があるところだ。