トランクから遺体 母親ら8月に転居 男児すでに死亡か

トランクから遺体 母親ら8月に転居 男児すでに死亡か
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大阪・住吉区で車のトランクの中から、所在がわからなくなっていた1歳の男の子と見られる遺体が見つかった事件で、死体遺棄の疑いで逮捕された母親と、同居する男は、ことし8月、和歌山県から大阪に引っ越していたことが警察などへの取材でわかりました。男の子は、このときすでに死亡していたとみられ、警察は詳しいいきさつを調べています。
22日夜遅く、大阪・住吉区のコインパーキングに止められた乗用車のトランクの中から幼い男の子の遺体が見つかりました。遺体は、所在がわからなくなっていた1歳の鈴木琉聖ちゃんとみられ、大阪・東住吉区に住む母親の鈴木玲奈容疑者(24)と同居している大島祐太容疑者(22)が死体遺棄の疑いで逮捕されました。

警察によりますと、2人は容疑を認め「ことし4月に子どもを残して車から離れ、戻ったら死んでいた」などと供述しているということです。

その後の調べで2人は、ことし8月、和歌山県から大阪に引っ越していたことが警察などへの取材でわかりました。児童相談所によりますと、引っ越したあと、3歳の姉が虐待されている疑いがあると、保育園から連絡があり、児童相談所の担当者が自宅を訪問したところ、琉聖ちゃんの姿が確認できないことがわかったということです。

このときすでに琉聖ちゃんは死亡していたとみられ、警察は詳しいいきさつを調べています。

児童相談所の対応

対応に当たった児童相談所「大阪市南部こども相談センター」によりますと、今月9日に琉聖ちゃんの姉が通う保育園から、姉の足にあざがあるという相談が寄せられました。その日のうちにセンターの職員が保育園を訪れて聞き取りをすると、弟の琉聖ちゃんの所在がわからなくなっている可能性が出てきたということです。

このため住民票がある東住吉区に問い合わせたところ、1歳半の健康診断を受けていなかったうえ、保健師が訪問しても面会できていないことがわかりました。今月11日から4日間自宅アパートに行きましたが、母親らには会えず、18日にようやく面会できましたが、琉聖ちゃんの所在については、あいまいな説明をしたということです。

さらに母親が、「実家に預けている」と言ったことから確認したところ、祖母は、「ことし3月から会っていない」と答えたということです。このため、21日児童相談所に出向いて説明するよう文書で求め、22日の午前中にも自宅を訪問しましたが不在だったため、夕方警察に通報したということです。

大阪市南部こども相談センターの宮井研治虐待対応担当課長は、「やるべきことはやったと考えているが、対応について今後検証していきたい」と話しています。