2016-11-23
■[ラノベ]「俺のラノベがこんなにカテエラなわけがない大賞(仮)」
先日、長年愛用したガラケーに別れを告げ、遂にスマホに移行してしまいました。
これで、今度はどのサイトが「フィーチャーフォン」対応を打ち切るのかと怯える日々にはおさらばだ!スマホ is サイコー!
と、なるかと思いきやそうでもなく。文字のコピペが死ぬほどやり辛いし、このフリック入力とかいう代物に慣れる日がいつか来るとは到底思えないし、ボタンひとつないスマホ版はてダ編集画面のあまりの“シンプルさ”に唖然としたし、いいことばかりではありません。早くもガラケーに懐かしさを感じているところです。
それはともかく。
せっかくスマホにしたのだからと、ツイッターのアンケート機能を使って、以前から気になっていたこんな質問をしてみました。
ライトノベル系の新人賞に投稿して落選した経験のある方への質問です。「カテゴリーエラー」(現在のラノベ業界の傾向からの逸脱、「ラノベじゃない」こと)を理由に落選した(と思った)ことがありますか?
— 悪魔に魂を売ったJC2 (@srpglove) 2016年11月17日
ラノベ関係の話題を追っていると、主に作家志望者の人々の発言の中に「カテエラ(カテゴリーエラー)」という言葉を目にすることがあります。あるものが、本来の適切な枠に収められていない、というような意味の言葉ですね。ここでは、自分の作品は今のラノベではカテエラになりそうで不安だ、といった形の用法を想定しているわけです。
カテエラカテエラとよく言われるが、実際のところ「カテエラ」を実感している投稿者というのはどれぐらいいるものなのか?それが知りたかったのです。結果は、下のようになりました。
「特にない」の割合はだいたい予想通りですが、問題は残りの二つです。「明確な理由はないがそのように感じた」を「実際に評価シートのコメントなどでそのように言われた」が上回っています。これは自分にとってはかなり意外な結果でした。今回のアンケートの主眼は、あくまで投稿者のカテエラに対する意識の方であって、正直「実際に評価シートのコメントなどで〜」には、念のために以上の意味は考えていなかったので。
差も僅かだしサンプルの数自体もさほど多くはなかったので、別の形で調査を行えば、これとはまた違った割合になるかもしれないでしょう。ですが、それは大した問題ではありません。131人中の18%、23人ほどが、ライトノベル系の新人賞への投稿において本人にも分かる形で「カテエラ」を理由に落選している、という絶対数だけで、ちょっとした衝撃です。
なにも、ラノベには「カテエラ」は絶対にあり得ないなどと思っていたわけではありません。たとえば、あくまでたとえばの話ですが、もし仮に今、横山秀夫の『半落ち』が、どこかのラノベ新人賞に投稿されたとしても、恐らく十中八九落選することでしょう*1。
しかし、少なくともツイッターを普通に使える程度には様々な情報に接続可能な人間が「ラノベ」という枠をはっきり意識した上で書いた作品が、問答無用で落選するレベルの「カテエラ」になるようなことは、どこの賞にしろそうそうあるまい、と考えていたことは確かです。
131人中23人が「カテエラ」。これが事実であれば、ラノベにとってなかなかに由々しき事態ではないでしょうか。
そこで、こんなものを考えてみました。題して、「俺のラノベがこんなにカテエラなわけがない大賞」
「カテエラ」を理由にラノベ新人賞で落選となった人たちに、その情報を付加した上で(「カテエラノベ」というタグはどうだろう?)当該作品をネット上の各種投稿サイトなどに公開してもらう。可能であれば、具体的にどこの賞なのかも明言*2。これを、不特定多数(あるいは特定の「識者」?)が読んで、「カテエラ」という評価が妥当かどうかを判定する。もちろん個別の作者にとっては直接的なメリットのあるものではないし、むしろリスクばかりが大きいが、こんな作品を落選させるなどもったいない、現在の新人賞の評価基準は不当である、けしからん、という声が多くなれば、出版社・レーベルに対する間接的な圧力にはなるだろう。ゆくゆくは業界の「健全化」にも繋がっていくかもしれない。ラノベの未来のために、皆さんどうか協力していただけないだろうか。
……というような企画を、mizunotoriさんとか、nyapoonaさんあたりが立ち上げてくれるといいんじゃないかなあ、と思っています(丸投げ)。だってさあ、やっぱりこういうのは、ある程度の信頼と実績のある人が始めないと、説得力ってものがないでしょう。
本当のところを言えば。業界の健全化だのラノベの未来だのの大げさな話は正直どうでもいい*3。ただ、一体なに(ジャンル)を書いたら、賞で一発で撥ねられるような「カテエラ」作品になるのか、ということには純粋に(野次馬的な)興味があります。なので、やる気と能力のあるどこかの誰かには、この「俺のラノベがこんなに〜大賞」をなんとか実現させてもらいたいです。自分はそれにタダ乗りして好奇心を満たさせてもらいます(^^)
さて、ここからは余談になりますが。当たり前の話ですけど、世の中には、ラノベ系以外にも(公募型の)新人賞はたくさんあります。もし仮に現在の全てのラノベ新人賞では完全に「カテエラ」となるような作品だったとしても、あるいはだからこそ、他の賞では受け入れられる可能性は十分にあります。
(ハード)SFやハイファンタジー*4は今のラノベではカテエラだからなあ、という声をしばしば目にしますが、では、SFやファンタジー専門の賞に出してみるのはどうでしょうか。SFには「ハヤカワSFコンテスト」「創元SF短編賞」、ファンタジーでは同じく創元の「創元ファンタジイ新人賞」があります。いずれも比較的新しい賞ですが(ハヤカワSFコンテストは2012年に18年ぶりの再開)、ジャンルにおけるそれぞれの出版社・レーベルの実績を考えれば安心して投稿することができるでしょう。
SFとかファンタジーとかはっきり決まってるならまだいいけど自分の作品の場合は既存のジャンルに当てはまるかどうかすら曖昧だから本当に送るところに困る、とお嘆きの方もいるかもしれません。しかし、喜ばしいことに今は、四年間の休止を経て「日本ファンタジーノベル大賞」の再開が発表されています。
「ファンタジーノベル大賞」という名前ながら、一般的な「ファンタジー」のイメージからは比較的遠い作品が多く受賞しており、酒見賢一に山口泉に岩本隆雄に鈴木光司に佐藤亜紀に恩田陸に北野勇作に畠中恵に森見登美彦に平山瑞穂に仁木英之を輩出したこの賞*5。休止期間を経ているため以前と全く同じ体制ではないでしょうが、もし本当に、作者本人にさえSFだかファンタジーだかよく分かんない(しかし面白いことだけは間違いがない)小説を書いてしまったのなら、とりあえずここに送るのがいいでしょう。しかも今回の選考委員は恩田陸に萩尾望都に森見登美彦だとか。豪華。
別に、ラノベにはもう出さない方がいいと言っているわけではないです。たとえば、業界最大手の「電撃小説大賞」は、受賞に至らなかった作品の拾い上げを行なっていたりと元から懐の広い賞でしたが、現在ではライト文芸系レーベルであるメディアワークス文庫の新人賞も兼ねている(投稿先は同じで受賞時に各レーベルに振り分けられる)ため、ラノベ系新人賞の中では恐らく最も「カテエラ」の危険性が低い賞のひとつでしょう。
(スクールカーストでイジメで裏サイトでというアレだが、言われてるほどにはカテエラ寄りだとは思わなかった)
(みんな大好き野まど)
(拾い上げの代表例)
また、少女向けレーベルを「ラノベ」の範疇に含むのなら、当然、選択肢は更に増えます。コバルト文庫では、以前は中編を対象にした賞だった「ノベル大賞」が、長編の賞である「ロマン大賞」と統合された結果、規定が「400字詰め縦書き原稿100〜400枚」の上、電撃同様にライト文芸寄りのレーベルであるオレンジ文庫の新人賞を兼ねるという、色んな意味で幅が広い賞になっているようです。
と、このようにラノベ新人賞はラノベ新人賞なりに多様性を確保してる(少なくとも努力はしている)と思うんですが、狭義のラノベ新人賞で「カテエラ」基準が強化されたらそれでもう送るところがないしこの世の終わり!というような論調をたびたび目にしてきたので、その外にも(比較的ラノベに近い分野の)色々な賞があるんだよということも紹介しておきました。
もちろん、このあたりについては作家志望者の大半は情報収集を行なっていると思われるので、釈迦に説法となった可能性が大きいですが、まあ、念のためということで。
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- 2016-11-22 memo 4/21 19%