「虐殺は言葉から始まる」 アメリカで強まる白人主義にホロコースト博物館が声をあげた

言葉は、やがて行動を生む。その前に止めなければいけない。

「Make America White Again(アメリカをもう一度、白人の国にするんだ)」。恐ろしいメッセージが、トランプ氏勝利後のアメリカで叫ばれている。

第二次大戦中のユダヤ人大量虐殺に関する資料を集めている米国ホロコースト博物館は11月21日(現地時間)、白人至上主義を批判する声明を発表した。

ホロコースト博物館が問題視したのは、白人至上主義のシンクタンク「ナショナル・ポリシー・インスティトゥート」のリチャード・スペンサー氏の発言だ。

米誌「アトランティック」によると、スペンサー氏は11月20日にワシントンDCで開かれた集会で、ナチス・ドイツを連想させる言葉で、トランプ次期大統領の勝利を賞賛した。

「ハイル・トランプ!」

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人種差別を助長する、スペンサー氏の発言はこれだけではない。

「米国は先の世代まで、白人の国だった。私たちのものであり、私たちの子孫のために設計されていた。私たちの創造物であり、私たちの遺産である。そして、私たちが所有しているのだ」(動画の2分30秒)

ホロコーストは「言葉」から始まった

Drew Angerer / Getty Images

ホロコースト博物館は声明で、スペンサー氏の発言をアドルフ・ヒトラーの発言と比較し、大量虐殺につながる残虐な思想を映し出していると警告した。

「スペンサー氏の『白人は支配か死の選択を迫られている』との考えは、ユダヤ人を敵視したヒトラーの思想と共鳴している」

過激な人物が、過激な言葉を言っているだけだと思う人もいるかもしれない。しかし、そういう考えにもホロコースト博物館は警鐘を鳴らす。

「ホロコーストは殺人から始まったのではありません。言葉から始まった。すべての米国民、宗教や市民社会の指導者、政府機関は、こうした人種差別の思想に立ち向かうことを望む」

誰かを差別し、排斥する言葉は、やがて、誰かを差別し、排斥する行動につながる。その究極の形が虐殺となる。ホロコースト博物館は、歴史的な事実として、それを知っている。

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この記事は英語から翻訳されました。

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