1. NHKは12月、東京裁判を題材にしたドラマを4夜連続で放送する。その後、配信権を得たアメリカの動画配信大手「Netflix (ネットフリックス) 」が、世界20言語でインターネット配信をする。
それを受けて、日経ビジネスオンラインは11月16日、「特報:NHKとNetflix、共同製作ドラマを公開」との見出しの記事を出した。
2. ネット上では、記事について「誤りがあるのでは」と噂されていた。
「NHKと米Netflixが歴史ドラマの共同製作を進めていることが16日、わかった」との一文から始まった記事だった。世界に向けたネット配信について詳細に書き、配信による民放を含めたテレビ業界の今後にも触れている。
3. 本当に記事に誤りはあるのか。BuzzFeed Newsは、NHKとNetflixに問い合わせた。
Netflixの広報担当者は、こう回答した。
「ドラマが配信されるのは、間違っていません。しかし、詳しい回答はNHKに委ねます」
4. 一方、NHKの広報担当者は、電話で「一部に誤りがある」と指摘した。
指摘したのは、2点だった。「共同制作をしたか」「制作費を分担しているか」だ。
では、日経ビジネスオンラインは、この2点をどう報じたのか。
5. まずは、共同制作に関してはこうだ。
見出しの「NHKとNetflix、共同製作ドラマを公開」をはじめとし、
「歴史ドラマの共同製作を進めていることが16日、わかった」
「両者が製作するのは歴史ドラマで」
「番組製作ではNHKとネットフリックス側の双方がスタッフを出している」
と書いており、たしかに”共同制作”をしたように捉えられる。
ところが、こうも書いている。
「NHKがネットTV事業者と直接提携することは、現行の放送法に抵触する可能性がある。そこで今回、NHKはネットフリックスと提携するカナダのDon Carmody Televisionと、オランダのFATTという番組製作会社2社と共同製作契約を結ぶ形をとった」
6. それに対して、NHKからFAXで届いた回答にはこうあった。
「NHKは今回、Netflixと共同制作するわけではなく、両者の間に契約は存在しません」
「NHKと共同制作するのは、あくまでオランダとカナダのプロダクションであり、Netflixがカナダのプロダクションに配信権を得たいと申し出たため、配信することになったものです」
つまり、Netflixとは直接、提携しておらず、カナダの制作会社との提携を承認しただけだと主張している。
7. 番組制作費については、記事でこう書かれている。
「番組制作費はNHKとネットフリックス側とで分担した」
「NHKとのタッグでは、両者で製作費を分担」
それに対し、NHKはこう反論する。
「両者で制作費を分担しているとの事実もありません」
Netflixはカナダの制作会社に「数億円を拠出することにした」と朝日新聞が報じているが、ドラマの制作費にこの金が含まれているかはわからない。
いずれにせよ、NHKとNetflixだけで制作費を「分担」したわけではないようだ。
8. ドラマ「東京裁判〜人は戦争を裁けるか〜」は、NHKスペシャルとして12月12日から。
1946年に開廷し、日本の戦争指導者らを裁いた東京裁判から、今年で70年だ。
そんな年に見られるドラマの内容はこうだ。
世界各地の公文書館や関係者に取材をしたNHKが、裁判に関わった11人の判事たちの手記や証言を入手。そこから描いた「人は戦争を裁くことができるか、という厳しい問いに向き合った男たちが繰り広げる、緊迫感あふれるヒューマンドラマ」だ。
ドラマは総合テレビで、12日から4日連続で放送される。いずれも午後10時25分から。テレビで国内放送をした後、まもなくNetflixが海外に向けてネットで動画配信する。ただし、Netflixによる国内配信は来年1月以降で、その前にNHKオンデマンドで動画が配信される。