11月8日、福岡市の博多駅前で、地下鉄の工事中に道路が崩落した事故。深さ15メートルもの巨大な穴があいたにも関わらず、巻き込まれた人はいなかった。
早朝とはいえ、九州の玄関口である博多駅の目と鼻の先だ。人通りがまったくない地域ではない。現場では、何があったのか。
@r96xwubr77qecbw for BuzzFeed
通報の5分後に崩落
BuzzFeed Newsの取材に応じた福岡市交通局によると、現場で実施されていたのは「地下鉄七隈線」の延伸工事。
事故が起きたとき、現場の地下約30メートル付近では、線路となる横穴を掘削する工事を進めていたという。
作業中に異常があったのは、11月8日午前5時ごろ。トンネル構内で水が噴き出し、工事を止めた。
地上に影響が及ぶ可能性があるという判断から、10分後には交通規制が実施され、付近の道路が通行止めになったという。
そしてその5分後の、午前5時15分ごろ、道路が崩落。現場に通行する車両はなく、巻き込まれた人もいなかった。
時事通信
交通規制も現場判断
この交通規制を実施したのは、現場のとっさの判断だった可能性が高い。
県警の広報担当者はBuzzFeed Newsの取材に「110番通報があったのが午前5時14分。市のほうで規制をかけたのではないでしょうか」と指摘。
市交通局の担当者も「県警の到着を待てずに、工事関係者が車を使って規制をした可能性があります」と話した。
一部のメディアは、通報を受けた博多署が交通規制をしたと報じているが、実際は、現場の迅速な対応が人命を救ったともいえる状況だった。
2年前にも同様の事故、けが人なし
今回の現場から約350mしか離れていないところで、2年前にも陥没事故が起きていた。
左が前回の現場、右が今回の現場 google maps
福岡市交通局によると、前回の陥没事故があったのは、2014年10月27日。
日経新聞によると、車道が長さ約5m、幅約4m、深さ約4mにわたって陥没したという。このときも、人的被害はなかった。
なぜか。たて坑の中に土砂が流入していることに気がついた現場関係者が、すぐに市と警察に通報していたからだ。
市道に交通規制がかけられた約6分後、崩落が起きたという。
迅速な対応を評価する声も
ツイッター上には、今回の工事関係者などの対応を評価する声が集まった。
一方、陥没事故が繰り返されていることから「そもそも危機管理ができていない」と批判する声もあがっている。
繰り返される崩落事故
2014年の事故の原因は、移設工事のために掘った「たて坑」の中に土砂が流入していたことだった。地盤改良が不十分だった可能性もあったという。
福岡市は対策委員会をつくり、再発防止策を進めていたが、事故は再び起きた。
今回の事故原因はまだわかっていない。市交通局代表者の阿部亨・交通事業管理者は会見で、「前回の教訓がありながら、結果的に前回よりも大規模な事故が起きたことを深く反省している。原因を究明したい」と謝罪。
福岡市の高島宗一郎市長も緊急会見で、「市民の皆さんに多大なご迷惑をおかけして申し訳ない」と陳謝し、復興と原因究明に全力を尽くす考えを示している。