194件の意見が寄せられたと法務省発表
法務省は8日、民法の成人年齢(現行20歳)を18歳に引き下げる改正案について、周知期間など施行方法に関するパブリックコメント(意見公募)に194件の意見が寄せられたと発表した。「18歳成人」が施行した際の支障について、「消費者被害が増大する」などと懸念する意見が大多数を占めた。同省は今後、意見公募の結果も踏まえ、改正案の立案作業を進める。
民法の成人年齢が引き下げられると、18、19歳でも親の同意なしにローンやクレジットカードの契約ができる。また、親の同意がない法律行為を原則取り消すことができる「未成年者取消権」を失うことになる。
意見公募では「高校生を含む若者の多重債務や、消費者被害の被害金額が増大する危険性が高い」「未成年者取消権がなくなる可能性があることを自覚させるに至っておらず、今後の広報でも効果は不明」など、引き下げを懸念する意見が大多数だった。同省が想定する、施行までの周知期間(3年)についても、消費者教育の必要性から「より長い期間が相当」との意見が多数だった。
同省によると、194件のほかに、単に引き下げの可否などを回答したものが158件あった。その大半も引き下げに慎重や反対だったという。同省は9月1~30日の期間で意見を公募。(1)施行日で18、19歳が一斉に成年になることの支障(2)施行までの周知期間(3)施行日(4)施行前の18、19歳の行為をさかのぼって成人の行為としないことで契約実務などに支障はあるか--の4点について意見を聞いた。【鈴木一生】