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赤字235億円 収益100円に費用155円

2015年度のJR北海道の輸送密度2000人未満の路線

 JR北海道は4日、2016年度の9月中間連結決算を発表した。台風被害に伴い、単体の通期の経常損失(赤字)は当初予想より60億円多い過去最大の235億円となる見通し。連結でも120億円の赤字を見込んでおり、記者会見した同社の小山俊幸常務は「台風のため、厳しい状況が深刻化した」と述べた。また、15年度の線区別収支も前年度に引き続き全線区で赤字だった。

     9月中間の単体では、北海道新幹線による収入(64億円)に伴い、鉄道運輸収入などを含む営業収益は前年同期比で40億円増の455億円となる一方、修繕費などを含む営業費も61億円増の627億円に上った。

     資産運用益の目減りを防ぐため、今期からは経営安定基金の資産を売却しなかったことから、営業外の収益が大幅に減少。単体の経常損失が10億円となり、1998年度以来18年ぶりの赤字になった。

     連結では、経常利益が前年同期比131億円減の20億円の黒字だった。

     全14路線28線区の収支状況は15年度、赤字総額が前年度より約13億円多い413億円に拡大。100円の収益を得るための費用(営業係数)は前年度とほぼ同じ155円で、利用者の多い札幌圏の4路線4線区の営業係数も105円だった。

     高波などによる盛り土流出のため、15年1月から大半の区間が運休している日高線苫小牧-様似間は赤字が前年度比1億2400万円増の16億6700万円となり、代替バスを含めた営業係数が同946円増の2125円に悪化した。

     1日の1キロ当たりの利用者数を示す輸送密度では廃止路線を除くと、2000人未満の路線が14年度と同じ11路線16線区だ。このうち留萌線留萌-増毛間や石勝線夕張支線の新夕張-夕張間はすでに廃止が決まっているほか、JR北は大半の線区を「単独で維持困難な路線」として近く公表する見込み。【野原寛史】

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