行方不明になっている梶本樹李ちゃんの捜索現場で、ビニールシート上のものを調べる捜査員ら=奈良県御所市で2016年11月4日午後4時7分、川平愛撮影
3年前から堺市北区の梶本樹李(たつき)ちゃん(4)が行方不明になっている事件で、父親で鉄筋工の卓容疑者(35)=詐欺容疑で逮捕=が「(樹李ちゃんを)薄手の布団のようなものにくるんで捨てた」と供述していることが4日、捜査関係者への取材で分かった。大阪府警が4日に奈良県御所(ごせ)市の山中を捜索し、布団を見つけた。今後、鑑定作業を進め、遺棄との関連を調べる。
捜査関係者によると、卓容疑者は長男の樹李ちゃんについて「階段から落ちたのは昨年12月中旬だった。大丈夫だと思ったが、翌日仕事から帰ってきたら死んでいた」と供述していることも分かった。遺体は布団でくるみ、自宅に置いていたという。「(腐敗で)臭いがしてきたので今年5月に捨てることにした」とも供述。遺棄場所については、「車で回っていたら捨てやすそうな峠をたまたま見つけた。遺体を布団にくるんだまま投げ捨てた」と話している。
一方、母親の千穂容疑者(32)は「去年のクリスマスの頃に夫が(長男を)連れて行って以降、行方が分からない」と供述しているが、昨年12月以降、遺体を布団にくるんだ状態で約半年間も自宅に置いていたことには気付かなかったという。
卓容疑者は遺棄の経緯については、あいまいな供述を繰り返している。両容疑者の間で供述の食い違いがあるほか、長男は2013年12月を最後に所在確認できていないため、府警は行方不明になった時期や遺棄の経緯について慎重に裏付け捜査を進めている。
4日に捜索した現場は国道309号沿いの急斜面で、不法投棄された家電製品やごみが散乱していた。見つかった布団は汚れや損傷が激しい状態だった。府警は今後、血液反応の有無やDNA型を詳しく調べる。布団の他には長男につながるものは発見できておらず、府警は5日以降も捜索を続ける。【山田毅、宮本翔平】