「ウルトラマン」各話の怪獣をモチーフとした作品展示初日には、ウルトラマンも会場を訪れた=東京都港区南青山のスパイラルガーデンで2016年10月25日、上杉恵子撮影
放送開始50年を迎えた「ウルトラマン」に登場する怪獣をモチーフにした彫刻を、今年創立50周年の東京造形大学(東京都八王子市)の教員や学生が制作した。来月3日まで、港区南青山のスパイラルガーデンで展示している。
バルタン星人、ピグモン、ゼットン……。シリーズ第1作の全39話でウルトラマンと戦った怪獣たちを、同大の教員と助手、大学院生の計16人が映像を検証しながら、現代の視点で自由に解釈。子供も喜びそうな表情の作品から抽象的なオブジェまで、個性的な「怪獣」が誕生した。
地主広明副学長は「作り手は全員40代以下で、放送当時を知らない世代。東西冷戦や公害など、当時の社会背景を反映したストーリーをどう理解し作品化するかと思っていたが、想像以上の出来になった」と話す。
ウルトラマンシリーズを手がけた円谷プロダクション(渋谷区円山町)の藤田浩ビジネスプロデューサーは「番組制作時に怪獣をデザインしたのも、商業デザイナーや画家などの美術家だった。50年後に美術家が改めて怪獣を創作してくれたことで、ウルトラマンの『命』を次の50年につなげてもらった思いだ」と、会場に並ぶ力作に感激している。
展示終了後、作品は各5万円(税・送料別)で抽選販売される。希望者は、会場で配布されるパンフレットに掲載されたコードをスマートフォンなどで読み込み、手順に従って申し込む。
展示は午前11時~午後8時(最終日は7時半まで)。無料。問い合わせは東京造形大(042・637・8111)。【上杉恵子】