鬼原民幸
2016年10月24日11時14分
財務省が24日に発表した2016年度上半期(4~9月)の貿易統計(速報)で、輸出から輸入を差し引いた貿易収支(通関ベース)は2兆4580億円の黒字だった。半期では2期続けての貿易黒字。黒字額は東日本大震災前の水準まで回復したが、原油価格下落による部分が大きく、輸出は伸び悩んでいる。
輸出は前年同期比9・9%減の34兆209億円。輸入は19・1%減の31兆5630億円だった。
輸出は米国や欧州連合(EU)向けの自動車部品や、中国向けの半導体が比較的好調だった。一方、完成車や鉄鋼などは不振で、中でも米国や中東向けの大型乗用車は大きく減った。全体の輸出数量は0・2%減で、為替が1ドル=106円14銭で12・8%の円高になっていたため、さらに輸出額を押し下げた。
輸入では、前年同期と比べて原油や液化天然ガスなどの価格下落が続いた。原油の輸入額は37・3%減、液化天然ガスの輸入額も41・3%減った。ただ、原油価格は今年1~2月ごろに底を打ち、足もとでは値上がりしている。15年度下半期に比べると、原油の輸入価格は1割以上値上がりしている。
このため、財務省関税課の担当者は「黒字が続くかどうか、先行きは不透明だ」と話す。
9月単月の貿易収支は4983億円で、2カ月ぶりの黒字だった。輸出は前年同月比6・9%減の5兆9684億円、輸入は16・3%減の5兆4701億円だった。(鬼原民幸)
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