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 岐阜県高山市の住宅で20日夕、住人の岩山弘さん(84)が首にゴム管を巻かれて死亡しているのが見つかった事件があった。殺人事件として捜査していた県警は22日、近くの牛舎内で首をつって死亡している同居の妻(81)を発見し、発表した。県警は自殺の可能性が高いとみている。妻は20日から行方不明だった。自宅には「おゆるし下さい」などと書かれた、妻のものとみられるメモが残されていた。

 高山署によると、妻の遺体は22日午前8時半ごろ、自宅から北西に約140メートル離れた岩山さんの牛舎内の、高さ約5メートルのブロック塀で囲まれた飼料置き場から見つかった。この牛舎付近には、妻が普段乗っていた車が乗り捨てられていた。

 県警の発表や捜査関係者などによると、岩山さんの遺体は20日夕、帰宅した長男(55)が発見。自宅1階のベッドの上で、仰向けの状態で死亡していたという。首まで掛けられていた布団の上には「おゆるし下さい」「なみあむだぶつ」と書かれたメモが置かれていたほか、妻の部屋にあったノートには、妻自身の体力の衰えや、介護の先行きを悲観するような記述もあったという。

 県警はいずれも妻が書いたものとみており、事件との関連を調べている。

 岩山さんと妻は、長男夫婦と孫2人の6人暮らしで、事件直後から妻と連絡が取れなくなっていたことから、県警が捜索を続けていた。(竹井周平、古沢孝樹)