政府は18日、運送や海商に関する規定を見直す商法改正案を閣議決定した。今臨時国会に提出する。運送や海商のルールの実質的な見直しは1899年の商法施行以来約120年ぶり。商法は主要な六つの法律(六法)で、唯一カタカナ交じりの文語体表記が残っていたが、改正案が成立すれば、六法は完全に口語化される。
改正案は、商法施行当時にはなかった航空運送や複合運送(陸海空を組み合わせた運送)に関する規定を新設。陸海空の国内運送全般に通用するルールとして、危険物運送の際、運送人に対する通知義務を荷主に課す。運送品が損傷した場合の損害賠償請求権の消滅時効も見直し、現行の「運送人が損傷を知らなければ1年、知っていれば5年」を1年で責任が消滅するよう統一した。
海商については、船舶衝突による物損で、不法行為責任を問える期間を国際条約に合わせ「不法行為があった時から2年」とした。これまでは「加害者などを知ってから1年」だった。【鈴木一生】