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「日本は私の人生の一部」 シャーロット・ケイト・フォックスさんとのトーク全文

別所哲也さん(左)とシャーロット・ケイト・フォックスさん=東京都千代田区で、竹内幹撮影

 毎日新聞朝刊「おんなのしんぶん」に連載中の「別所哲也のスマートトーク」。2月16日付の記事の書き起こし全文を掲載します。ゲストは、NHKの連続テレビ小説「マッサン」(3月28日まで放送)で亀山エリー役を演じたシャーロット・ケイト・フォックスさん。ドラマ収録の苦労話や将来の夢など、英語が堪能な別所さんと忌憚なく語り合いました。

芸能とは縁のない生活

別所 まず最初に簡単な自己紹介をお願いできますか?

シャーロット 1985年8月14日、聖ビンセント病院で生まれ……、こんな感じでよろしいですか(笑い)?

別所 ニューメキシコ州出身でしたよね。

シャーロット ニューメキシコは私が生まれ育った所です。ノースカロライナそしてニューヨークでも生活しました。女優として仕事をするようになり、アトランタ、ノースカロライナ、そしてニューヨークを転々としていたんです。ハイスクールを卒業後、大学に進学し、そして大学院に行きました。卒業後、各地を移動するようになりました。車で移動していました。

別所 そうですか。すでに何億回も質問を受けていることでしょうが、あえてお尋ねします。演技を始めたきっかけは? ご両親が芸能関係の仕事に就かれているとか?

シャーロット いえいえ、違います。私は全くそうした芸能とは縁のないところに住んでました。近所に友人もいない田舎町で育ちました。家にテレビも置いてなかったのですから。だから一人で遊ぶ時間がとても多かったと思います。

別所 テレビがなかったんですか?

シャーロット はい。10歳、11歳になった時にようやく……。チャンネルはわずか四つでした。そのおかげで、小さい時はたくさん本を読んでいましたね。それからダンスを始めたんです。バレーやジャズダンスです。10年間続けて、ちょうど15歳の時にプロのダンスカンパニーに入団しました。

別所 そうですか。

シャーロット でも、そのうちダンスが楽しくなくなってしまったんです。どれだけ体をスリムにするかとか、ダンスの世界独特のごちゃごちゃがありまして。それからもう踊ることが楽しくなくなってしまい……。

別所 ふーむ。

シャーロット 次にやってみたいと思ったことが演技で、それから始めたわけです。

別所 そうでしたか。米国で俳優の道を歩まれたんですね。

シャーロット はい、そうです。

オーディション誌で見つけた「マッサン」

別所 それから、僕もとても驚いたのですが、NHKの朝の連続テレビ小説に出演するきっかけとなったのが、オーディションだったんですよね。

シャーロット はい。

別所 米国で?

シャーロット はい。

別所 どうやってオーディション情報を見つけたんですか?

シャーロット 米国には「バックステージ」というオーディション誌がありまして。俳優はみんな読んでる雑誌です。そこに演技に関する全てのオーディション情報が掲載されてるんです。

別所 なるほど。米国内だけでなくて海外の情報も?

シャーロット 通常は米国内の情報が主体なんですが。その雑誌のオンラインサイトで見つけたんです。告知を見たとき、「すごいな」とは思ったんですが、絶対私には役は勝ち取れないなとも思いました。

 よくあるじゃないですか、「いいな」という情報を見つけて、たぶん無理だと思いながらも、ちょっと挑戦してみようかなって思う時。それでオンラインで芸歴を送付したんです。

別所 そうですよね。やってみなきゃ始まりませんよね。

シャーロット 送付した後、長いこと音沙汰がなかったんです。

別所 応募したのはいつごろでしたか?

シャーロット 一昨年の11月ごろでした。連絡いただくまで本当に期間が空いたんです。日本語を話せることが条件だということはもともと知っていました。だから、もう無理だなと……。一度は諦めたんです。ところが、クリスマスの直前に「スクリーンテストがあるけどトライしてみるか」というメールが届いたんです。じゃ、挑戦してみようということになりまして。

別所 そう、そうですよね。

ぞっとする経験

シャーロット それまで日本に行ったことはありませんでした。

別所 初来日ということだ。すごい。そのテストは東京それとも大阪で?

シャーロット 大阪でした。それで、来日してスクリーンテストを受けたんですが、本当にぞっとするような経験でした。とても怖かったです。

別所 どうして?

シャーロット スクリーンテストの時、日本語のせりふを話したんですが、まだ、完全ではありませんでした。今は違います。でも、その時はデタラメと言いますか、まったく自分の言葉として話すことができなかった。

別所 なるほど。

シャーロット 初めての国に来て、見るもの聞くもの全てが始めてで。スタジオには窓もなく……。どうしたらいいか……。周りの皆さんが何を話してるかも全然わからなくて、宇宙空間にいるような感じがしました。それからなんとか気を取り直してスクリーンテストに臨んだんです。

別所 オーディションは何段階あったのですか? スクリーンテストだけではないでしょう?

シャーロット 演出担当の皆さんの前であるシーンを演じ、歌のオーディションもした上でのスクリーンテストでした。

別所 そうですか。

シャーロット 私は受からなかった、だめだったと思って帰国したんです。でも、その後、NHKの担当者から「日本語のせりふをもっと練習してみて」と指示をいただきました。東京の俳優を養成する「UPS」の人たちと2週間、自宅でオンラインの日本語特訓をしました。そしてスクリーンテストで演じた同じシーンをビデオに撮って送って、私の日本語の進ちょく状況を見てもらったんです。

別所 なるほど。

シャーロット その後、1週間くらいでお電話をいただきました。

別所 Wow.劇的に変化したんだね。

メールを寄せる母

シャーロット そして身の回りの整理をして、日本に旅立つ準備をしたんです。その後は本当に急でした。決まった途端に急展開。全てがものすごく急でしたよ。

別所 ご家族やご両親はスクリーンテストの最終結果を聞いてどんな反応でした? 生活全てが急に変わったわけですよね。

シャーロット 両親は最初とても心配しました。「朝ドラ」のことなんて何も知識がないですから。私も含め、何も情報がない。1年もの間、私が米国から離れてしまうので、本当に心配してくれました。

別所 そうでしょうね。

シャーロット とはいえ、両親は今でも、私がどんなことをしているのか理解はできていないんです。

別所 (笑い)

シャーロット 今は両親は私のことを誇りに思ってくれていますし、心配もしていません。理解してくれています。

別所 ご家族にビデオなどを送っていますか?

シャーロット 実は衛星放送で「マッサン」が視聴できるんです。

別所 そうですか。素晴らしい。

シャーロット でも、いまひとつ、ドラマで何が起こっているのかよく分かっていないんです。

別所 そうですか。

シャーロット よくメールでメッセージを送ってきて、「この人は誰?」なんて尋ねてきます。

別所 そうか、説明が必要なんだ。

シャーロット 話の流れはだいたい、分かってはいるんです。エリーがおなかの赤ちゃんを失ってしまった時は、母はそれを見てこんなメッセージを送ってきたんです。「本当じゃないってわかってるんだけど、あなたに本当に起こったことのように思えて。赤ちゃんのこと本当にかわいそうで!」と。

別所 なんて優しいお母さんなんだ。

シャーロット 母に「これは本当じゃないんだから」って言うんですが。米国の友人たちも私がどんなことをしているのか分かっている人はいないと思います。今の状況を伝えるのは本当に難しいんですよ。

別所 来日する前、外国に旅行していましたか? または米国内でいろんな所へ旅していましたか?

シャーロット 旅行ですか? 先程、申し上げた通り、ジプシー的な生活していましたから。アトランタで仕事があると、アトランタへ。そういう生活でした。先ほどのお答えですが、これほど遠い東の国へ来たことはなかったです。とても大きなジャンプをしたんです。

「意見を言わない」ということ

別所 では、カルチャーショックについて教えてください。大阪に住み、きっとたくさんの体験を積んだことと思います。どんなカルチャーショックを受けましたか?

シャーロット 実は結構、この生活に慣れてきているので、記憶をたどらなくてはいけないです。そうですね、米国は形にとらわれないところがあります。親しく人に接するというか。ハグもたくさんしますし。米国ではショートパンツとタンクトップ、そしてカウボーイブーツなんか履いて外出していましたが、こちらでは、もっと体を覆い隠さないと。

別所 そうなんだ。

シャーロット 日本では「女性らしく振る舞わないといけない」と、自分を合わせているかもしれませんね。そして、朝ドラのヒロインですし(笑い)。そんなふうにして自分を周りに求められているイメージに合わせていますね。

別所 わかりますよ。

シャーロット 難しい時があるんです。時には意見を言わないことを選択することもある。私は今ここで学ばなくては、と思っているんです。学ばないといけないと。

別所 では、大阪でお好み焼きを食べに行ったりとか、大勢でお酒を飲みに行ったりとか、できないわけですね。

シャーロット いいえ、もともとそういうタイプではないので……(笑い)。こんなふうに率直に「しません」と言うのも、とてもアメリカ的な言い方ですよね。とてもストレートなんです。日本では「ストレートに言わない」ということを学んでいます。

別所 直線的ではなく、方向を変えながら……。

シャーロット どういう場合に発言を控えた方がいいかとか、今は言うときじゃない、とか。そんな基本的で大切なことが難しいですね。

別所 わかります。同じようなことはお芝居においてもそうですか? 今回の朝ドラのヒロインは今の時代の人ではないし、難しかったのでは?

シャーロット おっしゃる通りです。

別所 ヒロインはスコットランド人ですよね。この当時、スコットランドの女性って、どうだったんだろう。シャーロットさんも元々スコットランドの家系だと聞きました。

シャーロット そうです。スコットランド家系に生まれました。当時のスコットランド女性はもっと控えめだったと思うんですよ。

 もっと物静かで、ハグもあんなにしないと思います。でもテレビドラマですから、視聴者に興味をもってもらえるよう、味付けも必要でしょう。その当時の現実の場面では、そんな風には振る舞わなかったかもしれませんけれど。そんな葛藤がありましたね……。

エリーの気持ちが分かる

別所 シャーロットさんの場合、今の状況を演技に生かすことができますよね。

シャーロット 私はラッキーだったと思っています。エリーが悲しんだり、ホームシックになる場面が何度かありました。撮影が始まったころ、エリーが道端で泣くシーンがあったんです。残念なことにそのシーンはカットになったんですが……。その時、私は監督さんに伝えたんです。「わかりました。大丈夫。エリーの気持ちがわかります」って。

 撮影が始まって最初の数カ月はとてもきつかった。本当に大変でした。スケジュール調整の関係で、第1週のシーンを撮ったと思ったら、第14週に飛んだり、第7週の次に第9週を撮ったり……。

別所 大変!

シャーロット 今までこれほど大変なスケジュールは経験したことがありませんでした。でもその体験が私の中に残っています。演技をする際にその体験を応用することができます。全て貴重な体験です。

別所 撮影し始めの時は、本当に大変だったんだね。

シャーロット その通りです。その後はバケーションといってもいいくらいです。

別所 タフになったんですね!

シャーロット アマゾンでの撮影でも大丈夫です(笑い)。

別所 兵士の役でもね。

シャーロット 本当になんでも!

別所 僕も朝ドラに出演した経験があるから分かります。日本人でも役作りは簡単じゃない。せりふが山ほどあって、ちゃんとそれを理解しておかなくてはいけない。しかも、ある回のシーンの次は、ずーっと先の回のシーンを撮らなくちゃいけなかったりと。

シャーロット ある時間帯にくると、アタマが機能しなくなりますね。

別所 そうですね。

シャーロット その時間帯でもまだあと2シーン残っていたりすると、どうすればいいの? なんてぼやきたくなってしまう。

別所 そうした時はどうやって切り抜けたの?

シャーロット 私が大学の俳優訓練で学んだ「聞くことの大切さ」ですね。常に、相手を「聞くこと」。

刺激とリアクション

シャーロット マッサン役の玉山鉄二さんと二人のシーンが深夜になった時。共演者の方々も上がって二人だけになって、二人でぼーっとして。そんな時、さあこのシーンをどうしようかと二人で考えるんです。二人で笑ってみるんです。そして私はどうやって玉山さんを驚かそうか、と。どうしたら互いに生き生きと演じられるかしら、と考えるんです。たくさん笑うことで元気を出そうと二人で努力しました。

別所 素晴らしい。

シャーロット スタッフの皆さんへもそうしました。特に深夜で皆クレージーになってきてますので。聞くことと笑うことです。

別所 あなたをキャスティングした奈良橋陽子さん(キャスティング・ディレクター、演出家)からはどんなアドバイスがありましたか?

シャーロット 「撮影現場にあなたが“元気”を持ってくれば、スタッフの皆さんを元気にできる。みんなでドラマという芸術を創造しているのだから、みんなにOK!と元気に声を掛けることができれば前へと進める」と。「互いに刺激しあいながらね」と言われました。

別所 刺激とリアクションですね。

シャーロット そうなんです。互いに刺激し合うとシーンが生き生きとしてくるんです。でも「OK、これでこのシーンはうまくいった」なんて独りよがりはだめですけれど。撮影は終盤に差し掛かっていますが、「よくサバイバルできたな」と自分でも感心しています。今では一つ一つのシーンを本当にエンジョイしようと感じています。

別所 今回のドラマ撮影を通して経験したことについて聞かせてください。はしの使い方から和食の作法なんか、大変だったんじゃないかな。和食って食べたことありましたか?

シャーロット もちろんあります。実は来日前からはしも使えましたし、正座もできました。それができない演技が逆に難しかったほどです。作法ができるのに初心者みたいに演じるのは本当に難しい。

別所 なるほど、面白いですね。着物の着付けはどうでした? 洋服とは全く違ったでしょう。

シャーロット 着物は得意ではありません。あまりにタイトですから(笑い)。なんというか、圧迫された感じがして。

別所 そうですね。アメリカの女性が突然着物を着せられたら拷問のようでしょうね。

シャーロット おっしゃる通りです。一日中着物を着て、撮影の合間も体が足が、もう窮屈で窮屈で……。足をちょっと投げ出したりすると、衣装さんがやってきて、「着物を着てそんな姿勢で座るのは感心しないですね」って。でも私は「なんとかしてください、窮屈なんです」と言いたいくらいでした。

別所 (笑い)

シャーロット 和食の作り方もいろいろ学びましたよ。エリーは、ものすごい数の和食に挑戦しますから。

別所 今や日本文化のエキスパートですね。

どのシーンにも愛を見つける

別所 演出の方や制作の要請で日本風の演技を求められて苦労したことはありますか?

シャーロット 私は日本人ではありませんし、私の演技を採用していただいたわけですから、自分のできる演技をするしかありません。撮影が始まったころのビデオを見せてもらうと、正直なところ「自分を見失っているな」と思いました。でも、今は「エリーという役柄を生きている。エリーとして生きている」と感じています。

別所 自分でコントロールできているんだ。素晴らしい。

シャーロット そこに至るまでは、とても難しかったんです。よく分かっていなかったといいますか。周りの皆さんが「朝ドラのヒロインとはいつも明るく元気で……」と言ったりするんですが、それが理解できなくて。「違います!」と言いたいこともありましたが、朝ドラを見る視聴者たちは、そのドラマを見てすがすがしい気持ちになりたいということも理解できます。だけど人間は元気じゃない時もありますよね。

別所 本当だよね。

シャーロット エリーはいつもいつもハッピーではいられないし、いつもキュートで、いつも漫画のようにはいかないと思うんです。だから時に制作者スタッフとディスカッションすることもありました。

別所 とてもいいことだと思います。国際的な作品の場合は特に大切。僕がハリウッド作品に参加した時、監督とプロデューサーが「君は日本人だろ、だから神秘的であるべきだ!」って注文付けられて(笑い)。「ちょっと待って、僕の仕事は役作りすること。神秘的!? どうやれば神秘的になれるの? どんな役作りすればいいの?」と。俳優として本当に大変な経験をしました。そんなこと思いませんか?

シャーロット 最初に玉山さんとお会いした時、彼にハグをしたんです。私にとっては自然なことでした。それを見た作家の方がエリーのキャラクターに私の感情の表現方法を取り入れてくれたんです。でも当時のスコットランドから来た女性はそうしたかな?とも思ったわけです。自分の考えとは違ういくつかの指示にも従うこともありました。

 でも、そんな中で自分が今できることは、しっかりとエリーとして、相手を聞くこと、マッサンを愛すること、どのシーンにも愛を見つけること、マッサンにほほ笑んでもらい彼を元気にすること。エリーの役作りをする時、いつも自分が習ったベーシックに立ち戻るんです。

別所 ドラマだから、そういうことありますよね。

シャーロット はい、私もそれは分かっています。でも、それに影響を受けないように心がけています。演じるシーン一つ一つに、自分が習った演技の基本で臨むこと。エリーは何をしたいのか、どうしたらそれを演技の中で実現できるのか、どうしたら相手とつながることができるのか。そして、難しい日本語の単語を間違えないで言えるか。それだけです。

戸惑った「かわいい」

別所 日本の女性とアメリカの女性との違いは?

シャーロット 全アメリカ女性を代表してお話しすることは不可能ですよ。米国は国土が広大で、いろんなタイプの女性がいますから。例えば私はニューメキシコ州出身です。そこにはヒッピーがたくさんいます。みんなとてもフリーでリベラルです。ですから、理想の女性像とか、女性らしさはものすごく日本と異なります。「美しい女性」のコンセプトがニューメキシコと日本では全く異なります。

別所 日本での米国のイメージは「マッチョ」とか「グラマラス」とか、「ダイエット」っていう感じがするんですがどうですか?

シャーロット 米国では「パワフル」「ストロング」「セクシー」、この三つが合わさって「彼女はビューティフル」になるんです。「キュート」って言われると、見下されているように感じます。だから私も当初、日本で「かわいい」と言われると戸惑いました。でも、「かわいい」には、英語の「キュート」にとどまらない、いろんな意味が含まれていることが分かってきました。

 ここ日本で「美しくあること」って難しい。米国と全く違いますから。一方で、自分の内面に向き合い直すよい機会だとも思っています。自分の内面を再考察するといえば、言葉を発する前にまずきちんと考えてみることですね。米国では必要以上に感情が高まったり、あまりにも直接的なものの言い方になってしまったりするんです。感情の起伏が激しくなってしまうんです。特に人を愛することに関しては。

別所 日本女性の長所って見つけましたか?

シャーロット 日本女性のパワーの源を学んでいるところです(笑い)。米国の女性と違うんですよね。内に秘めたパワーというか。本当にとても強いパワー。まるで魔法のようです。私の友人は優しくて、嫌われずして得たいものを得るんです。不思議です。

 あとは、いつも奇麗にしていて。赤ちゃんを乗せたバギーを押して、15個くらいショッピングバッグを持って。しかも、完璧にきれいな洋服で(笑い)。その状況でどうしてきれいでいられるの? 本当に信じがたい光景です。米国ではヨガパンツはいて、髪も洗う時間もなく、バギーを押してると思います。本当に信じられません。

別所 面白い感想ですね。でも本当ですね。日本女性はいつも清潔、そしてきれいにしていて、紙バッグをいっぱい抱えて。

シャーロット マッサンで共演させていただく女優の皆さん、本当に美しい。お会いするたびに見とれてしまいます。きれいなお肌と、すてきな香り。

1週間、眠りたい

別所 この超多忙なスケジュールの中、シャーロットさんはどうやって美貌を保っているのですか?

シャーロット 全部メークです。今の顔はうその顔です(笑い)。コーヒーとジムのおかげですかね。以前は毎日5マイルは走っていました。今は時間が取れませんが、走ることが大好きなんです。食事にも気を使っています。朝食は野菜のスムージーとプロテインがメイン。玄米と野菜を積極的に取るようにしています。

別所 朝ドラ終了後のご予定を教えてください。

シャーロット まず、1週間ずーっと寝ようと思います。ブラインドを閉めきって、お水と冷凍ピザを準備しておいて、ごろんと横になりたい。

別所 日本語を話さずにね。

シャーロット いえいえ、日本語は大好きなので日本語の勉強は続けたいと思っています。語学学校にも通いたい。かなり分かるようになってきましたが、時制にまだ不安がありますし、日本語が読めるようになりたい。ひらがな、カタカナは大丈夫ですが、漢字が……。このお仕事でここまで日本語を学ぶことができたんですから、続けないのはもったいないと思っています。

日本は人生の一部

別所 ぜひ、そうしてくださいね。あなたは今や日本で最も有名な米国の女優さんですからね。本当に国際的に意味あるお仕事をされていると思います。朝ドラが終わったら帰国するんですか?

シャーロット ちょっと米国で休暇をとって、また戻ってきます。皆さん私がホームシックにかかっていないか、と声をかけてくださるんです。「ターゲット」(米国の小売りチェーン店)や「トレーダージョーズ」(米国のスーパーマーケット)は恋しいですが(笑い)、もう1年近く日本に住んでいるので大丈夫です!

 日本はもう、私の人生の一部です。米国と日本と両方の国でお仕事ができたらと思っています。冒険を続けたいと思ってるんです。

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