SUVは、今や個性と実用性の両立で大人気のクラスとなっています。もともとは悪路走破するための野性味が強いクラスでしたが、今では高級志向の都会派SUVや街乗りや日常使いにも適したコンパクトSUVなど、その顔ぶれは実にさまざまです。
自分に合った1台を選ぶために「今一番おすすめの人気SUVは何か?」「今もっとも売れているSUVはどれなのか?」を知りたい方は多いのではないでしょうか。
今回の記事では、2015年~2016年上半期までの新車販売台数ランキングから、本当におすすめできる人気SUVをご紹介します。2017年のSUV新車動向についても筆者の見解をまとめているので、ぜひご覧ください。
SUVとは何か/ルーツと特徴を解説
SUVは本来、悪路を走るための車として誕生しました。「Sports Utility Vehicle(スポーツ・ユーティリティ・ビークル)」の略がSUVです。
スポーツ性・実用性の高い車という意味で、走破力を追求して生まれたルーツと、実用性も重視する昨今の流れのどちらも合致しています。SUVはボディの基本となるのはワゴンや5ドアハッチバックなので、居住性や積載性も担保されています。
コンパクトSUVでも全幅が1700mmを超えるため3ナンバーになりますが全長は短く抑えて運転しやすいものが多くあります。
現在の売れ筋SUVのラインナップを一覧にまとめてみました。ご覧いただくことで、この後の内容がよりわかりやすくなると思います。
拡大して見たい方はこちら
2016年現在の旬はミドル~コンパクトSUV
2016年現在、人気の高いSUVはコンパクトクラス・Bセグメントと言われる部類です。
たとえば国産車ならCX-3、ヴェゼル、ジューク。海外であればルノー・キャプチャーやプジョーの2008などがあたります。大型のSUVでは持て余す人にも運転しやすく、決してチープではない存在感のあるコンパクトSUVが今おすすめです。
注意点:前もって知っておきたい!都会派SUVとオフロードSUVの違い
SUVは本当にざっくり言ってしまうと、前輪駆動をベースとする都会派SUVと後輪駆動の4WDを搭載したオフロードSUVに分かれます。後者はランドクルーザー・エスクード・パジェロといった車種が有名です。
これらの車種は、圧倒的な走破力を持つ代わりに、燃費や小回りの利きが悪いことがあります。悪路を走行する機会のない方がオフロードに特化したSUVを選ぶと、本来の価値を感じられず、後悔するかもしれません。
自分の使い方に合ったSUVはどちらかを選ぶこと、両者の機能をバランスよく備えた車種を選ぶことが大切です。
2015年~2016年上半期販売実績から人気SUVランキングを徹底解説
ではいよいよここから、筆者おすすめの人気SUVをご紹介していきます。2015年の新車販売台数ランキングに2016年上半期の新車販売ランキングも加味してランキングをまとめました。
あなたにぴったりのSUVが見つかるように、特徴や新車情報だけでなく、おすすめする人のタイプや、燃費情報・中古車情報も分かる限り調査し、まとめています。ぜひ参考にしてください。
- ※新車価格:公式カタログ・HPから調査(2016年9月時点)
- ※中古車平均価格/中古車相場:カーセンサー全国中古車情報から調査(2016年9月時点)
- ※カタログ燃費:公式カタログから調査(2016年9月時点)
- ※新車販売実績は2015年1~12月・2016年1~6月の新車登録台数を調査(日本自動車販売協会連合会調べ参照)
- ※下記・ヴェゼルの販売台数ランキングも上記同様にして算出
第1位 ホンダ・ヴェゼル:2016年上期もSUV販売台数1位を獲得の大人気車種
ホンダの人気コンパクトカー、フィットの小型専用プラットフォームをベースに多目的用途に対応する新世代SUVとして開発されました。コンパクトSUVに属するお手頃なサイズですが、クーペのスタイリッシュさを持ち合わせた外観が魅力です。
また女性でも街中で気軽に運転できる軽快な運転感覚と多彩なシートアレンジで、日常での使い勝手が良いのがヴェゼルの特徴です。
積載性も高く、ラゲッジルームは404リットルという容量を確保しており、レジャーシーンでも充分対応できます。
ガソリン車・ハイブリッドどちらもラインナップされていますが、ヴェゼルなら筆者のおすすめはハイブリッドです。燃費の良さもそうですが、スポーツドライビングにも適する爽快な乗り心地が楽しめます。
SUVにそこまで大きなサイズを求めない、たとえば荷物も人数もそこまで載せないが、SUVの外観や乗り心地が好きという方に高い支持を得ています。
実際乗ってみた際の筆者の見解として、少々足回りが固い印象があります。トヨタ車のSUVに乗っていたような方は少し気になるかもしれませんので注意しましょう。
よくヴェゼルと比較される車種
ちなみによく比較される車種としては、同じコンパクト由来のSUVであるジューク・CX-3が挙げられます。SUVはミニバンと使用目的で被ることも多いのですが、ヴェゼルの場合はあまりないでしょう。
ヴェゼルの基本情報
ヴェゼルの新車価格:187~288.6万円
ヴェゼルの中古車平均価格/中古車相場:227万円/149~335万円
カタログ燃費:19.0~27.0km/L(JC08モード)
- SUVでもそこまで大きいサイズはもて余す方
- アウトドアではなく街乗りがメインだが、SUVの外観が好みな方
- 独身や夫婦、大人2人までの乗車がメインの方(後席はあまり使わない方)
- 立体駐車場を利用したい方
第2位 トヨタ・ハリアー:ラグジュアリーさでは他の追随を許さない都会派SUV
プレミアム感あふれる都会派SUVの元祖ともいえるハリアーは、大人な雰囲気を強く漂わせるコンサバティブなSUVです。
内外装ともに、高級サルーンを思わせるラグジュアリーな装備が特徴で、木目調加工などが施されたインテリアを見ていただいてもその雰囲気が伝わるでしょう。
2代目までは海外においてレクサスブランドで販売されていたハリアーですが、3代目からは日本国内専売モデルとしてより国内向けの開発がなされています。
そのスタイルから、完全に街乗りをメインに開発されていると思われがちですが、四駆の設定もあるためアウトドアでもポテンシャルを発揮します。
街乗り・オンロード使用がメインで、時々はアウトドアに乗っていきたいというタイプの方にもおすすめです。また荷室の容量は充分にあり、買い物や日常の用事で大きな荷物を積む場合でも問題ありません。
ハリアーの注意点
注意すべき点としては、人気の車種のため所有している方が被りやすいということもあります。SUVに限らずボディタイプをまたいで検討しているような場合は、車種被りを考えて購入を断念した、という事例も少なくないようです。
よくハリアーと比較される車種
一緒に比較される車種としては、SUVでなくデリカ・セレナといったミドルサイズミニバンが多いという見解をもっています。
ハリアーのリセールバリュー
また新車購入の際、あまり気にする方はいないかもしれませんが、ハリアーは海外需要がリセールバリューを支えています。購入から数年経過して売却・下取りする場合でもかなり値落ちしにくいのも魅力です。
ハリアーの基本情報
ハリアーの新車価格:272~469.2万円
ハリアーの中古車平均価格/中古車相場:145万円/255~600万円
カタログ燃費:14.8~21.8km/L(JC08モード)
- 高級感のあるラグジュアリーなSUVに乗りたい方
- 女性受けを意識したい男性の方(ナチュラル~コンサバな女性に人気です)
- 独身層からファミリー層まで(広さがあるので幅広い使い方に適します)
- 街乗りがメインの方
- 時々はアウトドアにも乗っていきたい方
第3位 日産・エクストレイル:アウトドア&街乗りを両立するタフギアとして地位を確立
ミドルサイズSUVの大人気車種であるエクストレイルは、前輪駆動をベースにしたシティ派SUVとして存在感を放っています。
しかしその本質はアウトドア向けのタフギアで、シートや荷室に防水加工を施し、使い勝手を向上させました。2013年のフルモデルチェンジで野性味は薄れた印象ですが、そのおかげで街乗り向きの走行安定性と、アウトドア向けのタフさを両立したバランスの良いモデルに仕上がっています。
2列シートと7人乗りの3列シートを展開しており、高い居住性も人気の理由です。
エクストレイルの基本情報
エクストレイルの新車価格:223.9~356.7万円
エクストレイルの中古車平均価格/中古車相場:167.4万円/8~349万円
カタログ燃費:13.8~20.6km/L(JC08モード)
- 若い方からファミリー層まで幅広くおすすめ
- アウトドアに頻繁に行く方(スノボなど)
- ハリアーまでは手が出ないがミドルサイズSUVが欲しい方
第4位 マツダ・CX-3:最新ディーゼルエンジン搭載のコンパクトSUV
昨今、ディーゼルモデルはその経済性やパワフルな走りで注目を集めています。そんな中でクリーンディーゼル搭載モデルのみを展開するのがマツダ・CX-3です。
デミオとプラットフォームを共有していますが、装備・仕上げはより上質になっています。
6速ATの他に6速MTを設定するなど、マツダならではの走りへのこだわりが見られます。CX-5は兄弟車にあたります。
搭載されるエンジンは1500ccディーゼルのみ・1600回転から最大トルクを発揮します。加速性能は3000ccエンジンに引けをとりません。
クリーンディーゼル搭載によって低燃費を実現し、維持費・ランニングコストを安く抑える事ができるのも嬉しい点です。オイル交換の金額が高くなる・ガソリン車にはない整備がかかるなど、ディーゼルだからこそかかってしまうコストもあるのですが単純に維持する金額ならばディーゼルの方が安いといえます。
CX-3の注意点
注意すべき点としては、純正のナビがコネクトナビとして必ずついてきますので、取り外しや違うものには替えられない点です。またCV/DVD/TVはオプションになりますので、それがないとラジオしか聞けない状態になります。
CX-3のリセールバリュー
数年後のリセールバリュー予想については、ディーゼル車は高く売れる傾向がありますし、マツダのディーゼルは高い評価を得ているため、落ちにくいと現時点では考えられます。
CX-3の基本情報
CX-3の新車価格:237.6~302.4万円
CX-3の中古車平均価格/中古車相場:250万円/183~312万円
カタログ燃費:21.0~25.0km/L(JC08モード)
- トルクがある(走り出しが良い)SUVに魅力を感じる方
- 維持費を抑えて乗りたい方
- 大人2名までの乗車がメインの方(家族使用の場合はCX-5がおすすめ)
- 近年のマツダのデザインが好みな方
第5位 マツダ・CX-5:クリーンディーゼルの先進は洗練された雰囲気が魅力
3ナンバーサイズの都会的なSUVで、日本国内でのクリーンディーゼルターボ搭載車の認知度を一気に高めたのがマツダ・CX-5です。
欧州のSUVを連想させる内装で、落ち着いた魅力を備えています。外観からハンドリング、カーブ時の安定性までスポーティに仕上がっています。
燃費も○○と上々で居住性も高く、長距離のドライブにも適しています。筆者としてはディーゼルは少し癖がありますが、動力性能・燃費・安定性といったSUVの重要なポイントを高いレベルで実現しているという印象を持っています。
CX-3との違いは主にサイズ感・ディーゼルとガソリン車の有無といってよく、それ以外の機能はあまり変わりません。ディーゼルのみのCX-3と異なり、CX-5ではディーゼル・ガソリン車が選べること、サイズはCX-5がより広く家族での使用にも適することが主な相違点です。
CX-5の注意点
注意点もCX-3と似ており、CX-5は後期モデルから純正のナビがコネクトナビとして必ずつくようになりました。取り外しや違うものには替えられない点・CV/DVD/TVはオプションである点に注意しましょう。
CX-5の基本情報
CX-5の新車価格:205~344.8万円
CX-5の中古車平均価格/中古車相場:226.9万円/139~339万円
カタログ燃費:14.6~18.6km/L(JC08モード)
17.0~20.0km/L(10・15モード)
- 街乗りでの利用がメインの方
- 街乗りだけでなくアウトドアにも利用したい方(荷物を積んでも走りがいい)
- ミドルサイズのちょうどいい大きさのSUVが良い方
- 独身・夫婦・家族利用まで幅広い層におすすめ
第6位 トヨタ・ランドクルーザー・プラド:流行に縛られない大型オフロードSUVの王様
90年代に気軽に乗れるランドクルーザーとしてデビューしたのがプラドです。ランドクルーザーに比べるとボディが一回り小さいものの、LクラスSUVと呼ぶに遜色ないサイズとなっています。
オフロードSUVの王様とも呼ばれますが、モデルを経るにつれラグジュアリーテイストも強めてきており、結果「今風」のスタイリッシュSUVとは明らかに異なる存在感を持っています。
独自開発のプラットフォームと4WDによる圧倒的な走破力と、大型のボディにより実現した広い室内が最大の魅力です。
オフロード走破性に強味を持つ本格派らしくアウトドアでも高いパフォーマンスを発揮するとともに、街中でも圧倒的な存在感を放ちます。
2015年から直4/2.8Lディーゼルエンジンモデルが追加されています。ディーゼルモデルの走りはゆとりのあるトルク・経済性をうまく両立させており、上級グレードだけでなくベーシックグレードのTXにも搭載される選択肢も魅力です。
プラドの注意点と高いリセールバリュー
注意点としてはそのサイズから、街中での走行は苦手とする方もいるかもしれない点です。
リセールバリューについて、なかなか値落ちしない稀少な車種としても知られています。初期投資はかかりますが、ある意味財産として所有しておける感覚です。上述のハリアーもリセールバリューが下がりにくいのですが、プラドは更に上をいきます。
新車を400万円台で購入して、4~5年後でも250~300万円で売れるレベルの相場で推移しています。
ランドクルーザー・プラドの基本情報
ランドクルーザープラドの新車価格:315~513.4万円
ランドクルーザープラドの中古車平均価格/中古車相場:176.4万円/238~708万円
カタログ燃費:7.9~11.8km/L(JC08モード)
8.2~8.8km/L(10・15モード)
- SUVにステータスを求めたい方
- リセールバリューも重視/車乗り換えで損したくない方
- 独身から広い車内を活かしたファミリーユースなど広い層に適します
- アウトドア(サーフィン・スノボ)好きな方には非常におすすめ
第7位 スバル・フォレスター:派手さはないが堅実で高い走破力が強み
スバル・フォレスターは3代目から背が高い本格SUVへの移行を進め、現行の4代目では、1700mmを超えるSUV仕様となっています。その一方、低重心で走行安定性にすぐれているのが特徴です。
正直なところ、突き抜けた派手さや野性味はありませんが、水平対向エンジンとAWD(全輪駆動)を搭載したスバルらしい走りへのこだわりが見てとれます。圧倒的な走りを追求したいならターボモデルがおすすめですが、価格とパフォーマンスのバランスがいいのはNAエンジンを搭載した2.0i-Lアイサイト(新車販売価格258.1万円)です。
全幅を1800mm以下に抑えることで、最小回転半径も5.3m以内と、SUVでは扱いやすい部類です。現行型からはX-mode(悪路走行時の自動制御システム)を搭載し、オフロードに苦手意識を持つ方にも親切な設計です。前後席の頭上・足元スペースも広く、街乗りもスムーズに走れる取り回しで実用性を高めています。
一度乗ると、次もまたフォレスターに乗りたい、という方が多いのもスバルのこだわりが成せるところと言えるでしょう。
フォレスターの基本情報
フォレスターの新車価格:209~435万円
フォレスターの中古車平均価格/中古車相場:118.8万円/147~378万円
カタログ燃費:13.2~16.0km/L(JC08モード)
- アウトドア・街乗りを問わず走り・運転を楽しみたい方
- 使い勝手の良い・実用性の高いSUVを求める方
- 派手さよりも走行安定性・走りのいいSUVを求める方
- 居住性も高いため、家族の利用にも適する
第8位 レクサス・NX:日本車で唯一無二の高級コンパクトSUV
トヨタ・ハリアーと同一のプラットフォームを使用したコンパクトSUVがNXです。ハイブリッドモデルとターボエンジン搭載モデルに分かれています。兄弟車のRXよりもコンパクトで国内で歓迎されています。
ラグジュアリーかつスポーティに振っている独特のスタイルは好みが分かれると思いますが、圧倒的な内装のデザイン・質感は選ぶ価値ありだと思います。
ターボエンジン搭載モデルなら動力性能にも優れ走りも楽しめるなど、街中の走行・オフロードどちらにも対応力が高く、日本車では高級コンパクトSUVとして唯一無二の存在といってよいでしょう。
おすすめグレードは2000ccのガソリンターボを搭載するNX200t Fスポーツ(新車販売価格492.0万円)です。そのスポーティなテイストを充分に体感できるグレードといえます。
NXの基本情報
NXの新車価格:428~582万円
NXの中古車平均価格/中古車相場:489.4万円/399~773万円
カタログ燃費:12.4~21.0km/L(JC08モード)
- ステータスのあるSUVを求める方
- 予算に余裕がある方で高級感あるSUVを求めているお方
- 大人2名までの乗車がメインの方(ファミリー層はRXがおすすめ)
第9位 スバル・XV:インプレッサスポーツをベースにした独創的なスタイル
スバル・XVは同じくスバル車のインプレッサスポーツのボディをベースにしたSUVです。そのため、フォレスターに比べるとSUVらしさは薄れますが、最低地上高を200mmに広げることとスバル独自のシンメトリカルAWD搭載で、悪路も乗り越えやすい走破性を実現しています。
同時に、SUVでは珍しい立体駐車場も使える全高を維持しています。そのカジュアルなキャラクターは独自のポジションを確立しており、原色系のポップなカラーを含めたカラーバリエーションの多さも特徴です。
独創的なスタイルは人を選びますが、これといったデメリットも少ないため、人と被りたくない方・デザインが好みな方は安心して購入できるSUVです。
XVの基本情報
XVの中古車平均価格/中古車相場:216万円/136~279万円
カタログ燃費:15.8~20.4km/L(JC08モード)
- 個性的なスタイルが好みな方・人と被りたくない方
- 大型・高級車のSUVとは違う方向で目立つSUVが欲しい方
- 実用性も高く、独身~ファミリーユースまで適する
第10位 三菱・アウトランダーPHEV:自車で充電もできる最強の実用SUV
ミドルサイズの人気SUVであるアウトランダーは、機能が充実した5人乗り対応のSUVです。
リアの2列シートはフルフラットにすることが可能で、柔軟なシートアレンジで使い勝手に優れます。ここでは筆者が最もおすすめのPHEVモデルについて主に解説します。
2015年6月にマイナーチェンジを果たし、全面的に機能が向上しているPHEVですが、特に静粛性と乗り心地は目に見えて改善されています。ほとんどがモーター走行のため、その静粛性は業界トップクラスです。
バッテリー残量が低下した場合はハイブリッドとして走行できます。EV走行距離は45~60kmとプリウスPHVの倍以上を記録。
結果、ガソリンを1度満タンにしてきちんと充電をし続ければ、900km近く走行できる実力を備えています。長距離走行が多い方にも適しています。
また実用性をさらに高めたのが緊急時には最大1500W電源として使える100V ACを搭載している点です。
これは家庭用電源として10日分の電源供給ができる計算です。日常の走行だけでなくアウトドアやトラブルの際にも非常に役立ちます。
注意点としては、充電スポットがまだ国内に少ないこと、自家用の充電器を設置するのに10万円程度かかる・一軒家に限られることといえます。
しかしその実用性と燃費からすれば、充電器の設置コストは充分に補えるといえるでしょう。荷室も広く、家族でアウトドアを楽しみたい方で燃費を気にする方には非常におすすめです。
アウトランダーPHEVの基本情報
アウトランダーPHEVの新車価格:332.4~459万円
アウトランダーPHEVの中古車平均価格/中古車相場:279.8万円/169.9~438万円
カタログ燃費:19.2km/L(JC08モード)
- 実用性の高い・燃費性能の良いSUVを求める方
- ファミリー層の方におすすめ(独身の方は持つメリットがあまりありません)
- 家族でアウトドアを楽しみたい方
- 一軒家所有の方(自家用充電器を設置できるため)
第11位 日産・ジューク:個性的な外観・スタイルが魅力のコンパクトSUV
ヴェゼルと並んで、コンパクトSUV人気の火付け役ともなったのが、個性的な造形が特徴のジュークです。そのサイズは全長4135mm・全幅1765mmというコンパクト仕様。
先代マーチ・キューブといったコンパクトカーのプラットフォームをベースに開発されています。大きく張り出したリアフェンダーがシルエットに独自のテイストを与えています。
その走りはSUVというよりはむしろコンパクトカー・ハッチバックのテイストを感じさせる印象が強く、きびきびとした反応が心地よい一方で、SUVらしい落ち着いたゆったり感はあまり期待できないのが注意点です。
また、このジュークはドアハンドルが扉の上部についており、荷物を抱えたり、お子様を抱えてでは開閉しにくいことがあります。実物を確認する際にはチェックしてみましょう。
搭載するエンジンは114psの1.5L直4と、190psの1.6L直4ターボの2種類ですが、全体を高度チューンナップしたジューク ニスモRSもラインナップされています。
1.6L直4ターボユニットを214psまでパワーアップさせており、パワー・トルクにこだわる方は嬉しいところです。ニスモRSの内装イメージは以下のようになっています。
ジュークの基本情報
ジュークの新車価格:162~346.9万円
ジュークの中古車平均価格/中古車相場:124.9万円/59~289.4万円
カタログ燃費:12.6~18.0km/L(JC08モード)
14.0~19.0km/L(10・18モード)
- コンパクトで個性的な車を求める方
- SUVらしい外観・サイズにこだわらない方
- 街乗りがメインの方
- 大人2人乗りまでの乗車がメインの方
主要海外メーカーの主力SUVをピックアップして紹介
ここまでは、2015年~2016年上半期の新車販売台数をもとに、人気SUVランキングをご紹介しました。海外のメーカーでも優れたSUVを多数そろえており、海外のSUVの方が好み、という方もいると思います。
ここからは海外メーカーごとに代表的なSUVをピックアップしてご紹介します。
SUVにはコンパクト~ミドル~ラージとさまざまなサイズがありますが、昨今注目のコンパクトSUVを中心にセレクトしました。結局どれにしていいか分からない!となりそうな方は、やはり上記の人気SUVから選ぶのがよいでしょう。
メルセデス・ベンツ・GLAクラス:メルセデス最小をベースにしつつ品格をそなえたコンパクトSUV
メルセデス・ベンツのラインナップでは最小のモデルとなるAクラスをベースにしたコンパクトSUVです。しかし、スタンダードモデルの3サイズは、Aクラスよりも一回り以上大きくなっています。
数値としては全長4430mm・全幅1805mmです。メルセデスらしい高級感あふれるインテリアと品格ある外観が魅力です。
GLAクラスの新車価格:358.0~779.0万円
GLAクラスのカタログ燃費:14.0km/L(JC08モード)
BMW・X1:オンロードでの軽快な走りを重視したコンパクトモデル
BMWのXシリーズのもっともコンパクトなモデルとして位置づけられるのがX1です。ちなみにBMWではSUVという名称が使われておらず、SAV(Sports Activity Vehicle)と呼ばれます。
2016年のフルモデルチェンジではボディはコンパクトにしつつ外観はよりスタイリッシュに、車内空間はさらに広げて多用性と居住性を高めました。
iDriveナビシステムを標準装備し、しっかりとした握りのステアリングなど、BMWらしさを感じる高級感ある内装になっています。オンロードでの軽快な走行性能は大きな魅力です。
X1の新車価格:385.0~591.0万円
X1のカタログ燃費:14.3km/L(JC08モード)
AUDI・Q3:アウディならではの高品質な作りとすぐれた走行安定性が魅力
アウディSVVのコンパクト版となるQ3。メインとなる4WDモデルにはアウディ独特の呼び名である「クワトロ」の名前が冠されています。洗練された内装はアウディの高級モデルと比較してもまったく見劣りしません。
実際乗ってみると、操作パネルはシンプルな構成ながら、緻密に計算された配置で非常に高い操作性を誇ります。
Q3の新車価格:379.0~539.0万円
Q3のカタログ燃費:14.9km/L(JC08モード)
フォルクスワーゲン・クロスポロ:クロスオーバーモデルの草分け/痛快な走りが魅力
フォルクスワーゲンのコンパクトカーであるポロをベースにしたクロスオーバーモデルです。ポロの車高を上げて、SUV専用の外装パーツを装着したデザインが特徴です。
ゼロ発進からの加速は非常にスムーズで、7速のデュアルクラッチトランスミッションは、エンジン出力の効率的な部分をピックアップできるように作られていて、ターボエンジンならではの力強く痛快な走りが魅力です。
クロスポロの新車価格:260.0~294.0万円
クロスポロのカタログ燃費:18.8~21.9km/L(JC08モード)
プジョー・2008:最新技術を結集した徹底的な効率化が強み
全長4160mm・全高1550mmのボディは立体駐車場にも入るサイズのプジョー・2008。エンジンは新開発された直3の1.2Lで、最高出力は82psを発揮します。
シリンダーブロック/ヘッドはアルミ製で軽量化・効率を重視した作りになっています。同時にコンパクトで効率が良い5速セミオートマチックトランスミッションを採用し、車体全体の軽量化と高加速を実現しています。
2008の新車価格:265.0万円
2008のカタログ燃費:17.3km/L(JC08モード)
ミニ・クロスオーバー:ミニらしいキビキビしたハンドリングが楽しい個性的デザインのSUV
クーペ・ハッチバック・オープンまでを揃えるミニのSUVです。ミニ特有のハンドリングの反応の良さは健在です。きびきびとした反応で走りを楽しめるモデルになっています。
日産のジューク同様、コンパクトSUVの中では個性的なデザインが特徴です。長く愛されるミニのデザインだからこそ、先進性はないものの安心して乗ることができるでしょう。今注目のクリーンディーゼルターボを採用している点も高評価です。
ミニ・クロスオーバーの新車価格:275.0~477.0万円
ミニ・クロスオーバーのカタログ燃費:15.6km/L(JC08モード)
ジープ・ラングラー:正統派四駆・悪路走破性の代名詞的存在
四駆の正統派といえば、筆者も真っ先に思い浮かべるのがジープです。特にラングラーはもっとも耐久性に優れているという見解で、さまざまな悪路・地形にも柔軟に対応できます。
デビュー以来変わらないスタイルこそがジープの強みで、操作パネルも実用性を重視し、大型ボタンを採用するなどその大味・素朴さがラングラーの魅力ともいえるでしょう。
オフロードSUVのライバル車であるランドクルーザーには機能性や高級感で遅れをとりますが、それを補うほどの走りの楽しさが詰まった四駆です。
ジープ・ラングラーの新車価格:396.3~427.6万円
ジープ・ラングラーのカタログ燃費:10.4km/L(JC08モード)
ハスラー・ジムニー/軽自動車のSUVを徹底解説
昨今、国内での軽自動車の売れ行きは一層高まっています。SUV×軽自動車という人気タイプ同士の掛け合わせで成功したハスラーと、本格派オフローダーとして長く愛されるジムニーが新車で購入できる軽自動車SUVの2車種です。
(ハスラーはマツダOEMでフレアクロスオーバーとして提供されていますので、ここでは同じに扱います)それぞれ全く表情の違う2車種の特徴をここではお話しします。
スズキ・ハスラー:SUVとポップな軽ワゴンの融合で大ヒット
ハスラーはSUVと軽ワゴンを融合した独自のコンセプトで大ヒットとなったことが記憶にも新しい軽自動車です。そのポップな佇まいで女性やファミリー層を中心に非常に高い人気を獲得しました。しかしその中身は意外に力強く、SUVとしての悪路走破性も備えています。
ベースがワゴンRなのでどちらかといえばオンロードでの使用を想定していますが、オン・オフ問わない走りのバランスの良さや使い勝手を求めるならばハスラーがおすすめです。
ハスラーの新車価格:104.9~173.8万円
ハスラーの中古車平均価格/中古車相場:128.8万円/69.8~237万円
カタログ燃費:23.2~32.0km/L(JC08モード)
- 遠出できる・走破性もある軽自動車を探している方
- SUVチックな外観が好みの方
- 女性の方、家族で利用する方におすすめ
- 街中での走行・買い物での使用がメインの方
スズキ・ジムニー:軽くコンパクトな車体を高い悪路走破性に活かした本格派オフローダー
ポップなスタイリングが人気を博したハスラーとは対象的に、ジムニーは1990年代の初登場から走破性のために無駄を削ぎ落とした変わらないコンセプトが魅力です。軽の利点を最大限に活かした小柄で軽量なボディは最強のオフロードSUVとも呼ばれ、高級SUVも超える圧倒的な悪路走破性を誇ります。
長く販売されているため、純正オプションパーツが充実していることも魅力です。
ジムニーの場合は、中古車の人気が高いのも特徴で、低年式・多走行車でも中古車価格が下がりにくい・むしろカスタム度合いによって上がることも多くあります。
旧型と現行型でスタイルが変わるため、どちらのジムニーが好きかによって中古車のジムニーも高い確率で選択肢に入ってくると思います。
中古車のジムニーを初めて選ぶ場合は「ジムニー中古車が初めての方へ!失敗しない選び方が分かる全知識」の記事も参考にしてみてください。
ジムニーの新車価格:115~169.1万円
ジムニーの中古車平均価格/中古車相場:67.3万円/1~248万円
※シエラ・ワイドなどは除いた中古車相場です。
カタログ燃費:13.6~14.8km/L(JC08モード)
14.6~16.4km/L(10・18モード)
- 悪路走破性の高い軽自動車を求める方
- 大人2名までの乗車がメインの方
- 特に現行型:街乗りの乗用車としてジムニーを利用する方
- 特に旧型:オフロード走行性能に特化したジムニーを求める方
2017年のフルモデルチェンジ・新車販売の予測を解説
昨今のSUV人気も後押しし、世界中で魅力的な新型SUVが開発されています。「これからどんなSUVが登場するのか・フルモデルチェンジの予定は?」と気になる方は多いのではないでしょうか。
最後に、2016年後半~2017年にかけての新型SUVの最新情報をお伝えします。
2016年12月:トヨタ・C-HR発売/斬新なスタイルの未来的SUV
2016年12月24日・クリスマスに発売が予定されているのがトヨタの新型SUV・C-HRです。
モーターショーで登場するや、その斬新なデザインが注目されたC-HRコンセプトモデルが、そのまま国内で発売されることで話題となっています。
プリウスと同じ新型プラットフォームをベースとしており、軽量化と高精度のハンドリングを実現しています。搭載されるエンジンは3種類、1800cc直4&モーターのハイブリッド・1200cc直4ターボ・2000cc直4を用意。
新型衝突回避支援パッケージの「Toyota Safety Sense P」を導入することで、安全機能も充実させています。
- 全長×全幅×全高:4350mm×1795mm×1555mm
- ホイールベース:2640mm
- 駆動方式:FF(1200cc直4ターボのみ4WD)
2017年4月~:アウディ・Q2発売/アウディ・プレミアムコンパクトSUVのニューフェイス
アウディSUVのエントリーモデルとして新型プレミアムコンパクトSUV・Q2の発売が来年春に予定されています。ボディサイズは4191mmの全長と、Q3より小ぶりなサイズです。
シルエットはこれまでのアウディのスタイルを踏襲しつつ、新世代を感じさせるデザインが魅力的です。搭載されるエンジンは2種類で、どちらもガソリン仕様の1000cc・1400ccです。
内外装の質感はさすがというべきで、発売が今から待たれる期待のSUVです。
日本発売は未定:日産・新型ムラーノ
日本国内での発売は未定ですが、日産・ムラーノの新型が北米市場で発売されています。これまでのスタイリッシュな雰囲気をさらに強めたデザインです。
フロントマスクも日産のSUVらしいテイストを残し、先進性が感じられます。国内で発売されれば一躍人気となることが予想されるだけに、発売に期待をかけたいSUVです。
まとめ
いかがでしたか。今回の記事では、2015年~2016年上半期までの新車販売台数ランキングを元に、本当におすすめできるSUVランキング・主要メーカーの人気SUVをご紹介しました。
これからますます、「SUV」と一括りにできないほど多様なスタイルの車が登場し、激戦となることが予想されます。ぜひ、こちらの記事を参考にしていただき、自分に合った1台を見つけてください。