工場に勤務したい人は、どの業種の工場にするか、正社員か派遣かなどについて検討するでしょうが、工場の規模については、大きな工場の方が何となく安心などの理由で大企業の工場の仕事をまず探す人が多いようです。
しかし、中小企業の工場でも求人はたくさんありますので、そこまで仕事を探す対象を広げると、早期の就職が実現できる可能性が高まります。そのときに気になるのが労働条件、特に年収でしょう。
そこで、中小企業の工場で仕事をする場合の年収についてご紹介します。国が作成している代表的な統計資料のうち、労働に関しての管轄省庁である厚生労働省が作成する統計を確認します。
☆厚生労働省の賃金構造基本統計調査
日本で仕事をしている人に関する統計はいくつかありますが、代表的なものとしては、総務省の労働力調査と厚生労働省の賃金構造基本統計調査が挙げられます。このうち労働力調査は業種や雇用形態別の人数の統計ですので、年収などを調べる場合は、賃金構造基本統計調査を活用するのが適切です。
この統計資料には、男女別や雇用形態別、産業別の賃金月額などのデータが含まれていて、賃金や年収について平均値を知りたい時に便利です。厚生労働省には、年金額計算時に使用する標準報酬や標準賞与といった賃金関連のデータが集まってきますので、こういった統計を作ることができるのです。
厚生労働省「平成27年賃金構造基本統計調査・雇用形態別の賃金」http://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2015/dl/06.pdf
☆統計資料から直接読み取れる年収工場・年収中小データ
平成27年賃金構造基本統計調査によると、製造業の正社員の平均賃金月額は約309千円、正社員以外は197千円でした。年収にするとそれぞれ約371万円、236万円となります。
また、企業規模は全業種平均ですが、中企業で正社員約308千円、正社員以外約201千円、それぞれ年収ベースで約370万円、約241万円、小企業は正社員約273千円、正社員以外約196千円、それぞれ年収に換算すると約328万円、約235万円です。
一方、大企業は正社員で約378千円、正社員以外で215千円、年収換算で約454万円、約258万円です。すべての企業規模の場合、正社員で321千円、正社員以外は205千円、年収ベースで約385万円、約246万円となっています。
☆統計資料から読み取れること
中小企業の工場の年収というデータは、この統計資料には含まれていませんが、全企業規模の平均年収と中小企業の賃金の関係から、製造業の平均年収に基づいて製造業の中小企業の賃金を類推することはできます。
全業種の平均年収は正社員385万円、正社員以外246万円でした。これに対し中企業は約370万円、約241万円でしたので、全業種平均とほとんど変わらないといえます。また、小企業は約328万円、正社員以外約235万円でしたので全業種平均からは正社員で約15%、正社員以外で約5%少なくなっています。
製造業の平均年収は正社員約371万円、正社員以外236万円でしたので、中企業の工場で働く場合はこの水準に近い年収だと想定できます。また、小企業の場合は、正社員で約315万円程度、正社員以外だと約225万円程度だと類推できるでしょう。
☆中小企業の工場で働くメリット
中小工場で働く場合、大企業よりは給料は低くなるケースが多いでしょう。しかし、中小企業で働くことのメリットもあります。例えば、企業で働いている人のほとんどと知り合いになれますので、一体感を感じながら仕事ができるでしょう。また、工場内で活躍することで大企業よりも早く出世できる可能性もあります。
日本の中小企業の中には、大企業に負けない技術力を持っている会社がたくさんあると言われています。そのため、知識を得たり経験を積んだりという場所としても中小企業は適しているといえます。
一般的には、大企業よりも各従業員の仕事の範囲は広いようですので、さまざまな経験を積めるでしょう。年収での比較だけではなく総合的に判断して仕事先を決めることをおすすめします。