世界一有名な勃起薬といえばバイアグラ。そして、そのバイアグラを開発したのはファイザー社という会社です。既に特許も切れジェネリックが作られ始めたバイアグラですが、なんと今秋から国内初の新剤形の販売がスタートする模様。まだまだバイアグラの勢いは衰えません。今回はそんなバイアグラの最新情報をお届けします。
そもそもバイアグラってどんな薬?
バイアグラというのはアメリカのファイザー社が開発した薬で、もともとは狭心症の治療のために研究されていた物でした。ところが、そちらではあまり成果を出せず、開発中止が決定されたのですが、勃起薬として効果があることがわかり、再び研究が始まったのです。
バイアグラの基本的な効果はもちろん勃起を促すことです。もう少し正確に言うと、勃起を阻害する酵素の働きを抑えることです。
男性はどんなときにも常に勃起しているわけではありません。勃起をするのは基本的に必要があるときだけです。そのため、それ以外の場合は勃起を抑える酵素が働いており、これによってペニスへの血管は自然に閉じられているのです。
この酵素の働きを弱めるのがバイアグラの役割になります。つまり、ペニスの血管を閉じにくくする効果があるということですね。
そのため、バイアグラによって性欲が旺盛になるという効果はありませんし、いつもどんな場合も勃起が続くというわけでもありません。そのため、バイアグラを飲んだところで性行為に強くなるわけではないということを覚えておいてください。
また、繰り返しになりますがバイアグラは性欲を刺激する薬ではありません。
そのため、心因性の勃起不全を抱えており、そもそも性欲が湧かない。あるいはストレスや睡眠不足などにより自律神経がきちんと働いていないなどの場合は、そもそも勃起をするという命令が正しく伝わらないため、効果も望めません。
あくまで勃起をしたい人が、勃起をしたいときにしっかりできる薬になりますので、そこを勘違いしないようにしてください。もしも性欲という観点から勃起不全を解決したいのであれば、バイアグラなどの勃起薬ではなく、精力剤などをおすすめします。
バイアグラを開発したファイザー社
ファイザー社は1849年に誕生した非常に歴史のある会社で、現在は医薬品などを主に製造しています。一番有名な薬はやはりバイアグラでしょう。
ただし、バイアグラ以来新薬の製造がうまくいっておらず苦境に立たされているのが現状のようです。2006年に冠動脈疾患を予防することを目的とした新薬も試験で失敗し、またバイアグラは既に特許切れで独占ができず、他の売れ筋だった薬も特許切れを迎えています。
ところでファイザー社には日本法人が存在し、そちらはファイザー株式会社という名前です。
これにより、バイアグラを日本のファイザー株式会社が開発したとの誤解が生まれる場合があるようですが、こちらは子会社のようなものなので、勘違いしないようにしましょう。
バイアグラが危険な薬という誤解
実はネットなどの情報を見るとバイアグラは危険な薬だという情報を多々見かけます。これはかつて重篤な副作用により起こってしまった死亡事故などがセンセーショナルに取り上げられたことが原因だと思われます。
しかし、実際のところバイアグラはそれほど危険な薬ではありません。危険なのは誤った飲み方をした場合に限られます。
バイアグラが開発された当初はアメリカで夢の薬としてもてはやされ、噂を聞いた日本人もこぞって個人輸入という手段でアメリカからバイアグラを入手していました。
その結果、薬についての正しい知識がないまま服用する人が多く出てしまったのです。繰り返しますがバイアグラは決して危ない薬ではありません。しかし、一緒に服用すると危険な薬というのは存在します。
それは主に心臓系のものです。これと一緒にバイアグラを服用すると、死に至る危険があり、かつての事故もそれが原因でした。
また副作用として頭痛が起きる。大量の酒と一緒に飲むことで貧血のような状態になるというのも、危険と認識される要因だったのだと思います。しかし、これらはバイアグラの正常な効果によってもたらされるものです。
頭痛はバイアグラにより拡張された血管が、脳の神経を圧迫することによるものですし、貧血のような症状はバイアグラと飲酒による血管拡張の相乗効果で血圧が下がったために起こるものです。
バイアグラが危険だという認識はこのような誤解や知識の不足から来たものであり、その一側面だけが大々的に取り上げられてしまったがために、人々の意識の中に残ってしまったに過ぎません。
このような事故を受けて国はバイアグラを異例の早さで認可しましたし、現在は病院に行けばきちんとした検査や説明をしてくれます。そのため、現在ではこのような危険はだいぶ減り、使用者の意識も変わってきたと言っていいでしょう。
ファイザー社のバイアグラとその他の勃起薬の違いは?
勃起薬と言えばファイザー社のバイアグラですが、実は勃起薬にはその他にもレビトラやシアリスといった種類があります。これらはファイザー社とはまた別の会社が作った勃起薬となります。
ただ覚えておいてほしいのは、バイアグラはあくまで一番最初に作られた勃起薬ということです。つまり、レビトラやシアリスはそこから改良されたものであり、バイアグラとはまた違った性質を持った薬だということですね。
そのため、バイアグラのほうが優れているとか劣っているということはありません。ただ、よくよくそれら薬の効果を見てみると、特にレビトラはバイアグラの上位互換のような特性を持っているようにも感じられます。
バイアグラ以外の勃起薬、シアリス・レビトラ
先ほど説明しましたように勃起薬にはバイアグラの他にシアリスやレビトラといった種類があります。少しこれらの製品を比較してみましょう。
バイアグラの効果時間は大体5~6時間ほど。また空腹時に飲むことが推奨されています。これは胃や腸が汚れている場合バイアグラの有効成分がきちんと吸収されず、効果が半減されるからです。価格は1,300~1,500円程度です。
レビトラは10mgの場合効果時間は5時間ほど、一方20mgの場合の効果時間は10時間ほどになります。また、食事の影響を受けにくいとされており、過度に脂っこいものでなければ食後の服用も可能になります。価格は1,500~1,800円程度とバイアグラよりも少し高めですね。
シアリスは10mgで効果時間が24時間ほど、20mgでは36時間ほどの持続が見込めます。また緩やかな効果が続くことで知られており、バイアグラのように一晩だけでは物足りないという方によく使われるようです。またこちらは食事の影響を特に受けにくいとされており、制限はありません。価格は1,700~1,800円程度です。
バイアグラ以外の勃起薬は食事への制限がないか、あるいは緩やかになっています。しかし、一方の薬を選んで出た副作用がもう一方の薬でも同じように出るとは限らないなど、単純な効果の比較のみで使用薬を決めるのは難しいと言えるでしょう。
また、バイアグラ以外の薬は比較的手に入りにくい場合がありますし、勃起薬=バイアグラというイメージから、勃起薬の口コミはその多くがバイアグラに関連するものです。
そのため、バイアグラのほうが安心して服用できるというメリットもありますね。
以上のことを考えて、どの薬を使用するかはよく検討する必要があります。
ファイザー社がバイアグラの通販を開始?
2013年ファイザー社がバイアグラの通販を開始するという話が話題になりました。バイアグラなどの勃起薬はその登場以来、多くの会社がこぞって通販を始め、それに伴って偽物の被害も増えました。
ファイザー社が仲介業者を介さない通販を開始するとなれば、確実に本物を手に入れることができる画期的な方法であるかもしれません。
ところが、残念ながらこの通販、日本では行われていないそうです。アメリカ国内限定ということですね。
その理由は推測の域を出ませんが、やはり薬を国外に販売するとなると薬事法の関係もありますし、万が一なにかしらの事故があった場合の対応が遅れるなど、様々な問題が絡んでくるからでしょう。
そもそも日本では、海外で許可されているバイアグラ100mgは未だに許可されていませんから、そのあたりの問題もあるのかもしれません。
それに正直な話、バイアグラの正規品というのは高いです。病院でも、バイアグラは1錠1,500円ほど、ジェネリックを選んでも1000円程度の値段はします。一方でネットであればインドのジェネリック品が300~500円ほどで買えるため、出費は非常に安く抑えられます。
そもそも勃起薬をネットで買おうとしている方はそういったコストを抑えたい方々でしょうし、正規品が販売されたからと言ってそれに手を出すかというのはまた別の問題でしょう。
速報! 今秋からバイアグラの国内初新剤形が販売される!?
バイアグラと言えば今まで錠剤タイプのものばかりでした。
その中で水なしで飲めるものや、味付きのものなどがジェネリック品で開発されてきました。
そんな中、2016年9月にファイザー株式会社はODフィルムタイプの製造販売承認を取得したことを発表しました。
以下はファイザー株式会社の公式発表です。
報道関係各位
2016年9月2日
ファイザー株式会社ファイザー株式会社(本社:東京都渋谷区、社長:梅田一郎)は、9月1日付で、勃起不全治療剤「バイアグラ®」(一般名:シルデナフィルクエン酸塩)の新剤形である「バイアグラODフィルム25mg・同50mg」の製造販売承認を取得いたしました。
バイアグラは世界初の勃起不全治療剤として世界130か国で承認されており、日本においては1999年から「バイアグラ錠25mg・同50mg」の販売を開始しております。
この度製造販売承認を取得した「バイアグラODフィルム」はアルミ包装に封入された製剤です。勃起不全治療剤としては、国内では初めてのODフィルム製剤で、口腔内で速やかに溶け、水なしでも服用が可能という特長を有しております。
以上のことから、従来の錠剤と比べ携帯性の向上が見込まれるとともに、よりスムーズな服用が期待されます。本剤により患者さんのクオリティ・オブ・ライフの向上に一層貢献して参ります。
引用:Pfizer
このODフィルムとはどんなものなのでしょうか。
それは今までの錠剤型のものではなく、本当にフィルム型ということです。大きさは短辺が24mm、長辺が32mmで厚さは0.2mmです。
この大きさならば持ち運ぶ際にも名刺入れなどに自然にいれることができますね。また服用の際にも水は必要ないので迅速な服用が可能になります。
ただし公式の発表によれば、水なしで服用したときよりも水ありで服用したときのほうが効果は若干高いそうです。
その他の効果はほぼ同じのようですが、色が薄い赤色となっており、従来のバイアグラとは少し変わっています。従来のバイアグラは青色が常でしたので、未だにそのイメージが強い方が多いかもしれません。
ただ、これもひょっとすとバイアグラと知られたくない方向けの配慮なのかもしれません。赤色でフィルムタイプのものがまさかバイアグラなどとは誰も思わないでしょう。
この新剤形のバイアグラの発売時期ですが、まだ承認から間もないため、いまいち情報が出そろっていません。しかし、先例を見ると大体承認から1か月、2か月程度で本格的に販売が始まることが常なので、10月~11月にかけて販売が始まると見るのが適当でしょう。
この携帯のしやすさが、バイアグラに新たな勢いをもたらすかもしれません。今服用している方も、これから服用しようと思っている方も、この新形状のバイアグラをぜひお試しください。
新バイアグラに乞うご期待
以上、バイアグラとそれを開発したファイザー社、そして今秋発売が開始になるであろう新剤形のバイアグラなどについてお話ししました。
バイアグラは世界最初の勃起薬として認可されてから、シアリス、レビトラ、などの製品により改良を重ねられ、また特許が切れてからも、味付き、水なし服用可、などその形を変え続けています。
今回登場するであろう新剤形のフィルム形も飲みやすさや携帯の利便性などを考慮した新タイプになりますね。このようにバイアグラは未だに多くの方に支持され、工夫がなされている薬です。
これからも、飲みやすいタイプや持ち運びのしやすいものが開発されるかもしれません。その先駆けとして出た今回の新タイプのバイアグラを楽しみに待ちましょう。