入院患者中毒死 相次ぐ患者の不審な死 事件の謎に迫りました。
09/27 00:05
神奈川・横浜市の病院で入院中の男性が死亡した事件で、同じ病室で死亡した別の入院患者も、中毒死だったことがわかりました。
88歳の男性2人の命を奪っていた点滴。
数々のトラブルと、相次ぐ入院患者の不審な死。
それらはなぜ、病棟の4階で起きたのか。
いつ、誰が、どうやって、点滴に異物を混入させたのか。
病院という閉鎖された空間で起きた、事件の謎に迫りました。
病院の入り口には、貼り紙が貼られていて、そこには「10月1日土曜日まで外来診療は休診します」と書かれていた。
正面玄関に貼られた、外来休診の知らせ。
病院は、事件の衝撃に包まれていた。
大口病院の利用者は「悪いうわさは、全くなかったので、ものすごくショックですね。1日も早く、真相を解明してほしいなと思います」と話した。
神奈川・横浜市の大口病院で起きた、入院患者殺害事件で、26日、新たな展開があった。
界面活性剤入りの点滴を打たれ死亡した、88歳の八巻信雄さん。
同じ4階の病室で、2日前に亡くなった別の男性も、中毒死だったことが判明した。
88歳の西川惣蔵さん。
八巻さんと同じ病室で、9月18日に死亡したが、体内から、八巻さん同様に、界面活性剤の成分が検出された。
中毒死の知らせに、西川さんの知人は、「びっくりしているだけで。まさかと思ったんだよね」、「救急車で搬送された日です。先月の10日近かったかな。玄関先で、倒れていたって話なんです。わたしは、体が悪いとは、全然思っていませんでした」などと話した。
そして、西川さんの妻は、悲痛な胸の内を、「とにかく悲しいです。病死であれば諦めもつきますが、殺されたとなると、病院を選んだわたしの判断が悪かったのか...とても悔やまれてなりません」というコメントで明らかにした。
一方、FNNの取材に応じた、大口病院の看護師からは、驚きの証言が聞かれた。
看護師は「結構、立て続けに亡くなっているので、珍しいですね。『(病院の)4階はおかしいな』って話があったんですよね。呪われているんじゃないかとか」と話した。
この看護師によると、病院では、7月から9月のわずか2カ月間に、およそ50人の高齢者が、同じ4階で死亡しているという。
いったい、4階で何が起きていたのか。
実は、この大口病院の4階では、以前から、不気味な出来事が相次いでいた。
4月には、ナースステーションのエプロンが切り裂かれ、6月には、カルテの一部が行方不明になった。
そして8月には、スタッフの飲み物に、漂白剤のようなものが混入していたという。
元東京都監察医務院長・上野正彦氏は「病院全体に対する不信感などでやっている可能性も捨て切れませんけれども。4階のスタッフ、あるいは、出入りしている人を含めて、何か、人間的なトラブルがあったのかなということで、4階に限定されているっていうふうに思いますけどね」と話した。
無差別的犯行の可能性も出てきた、この事件。
いったい、犯人は、どうやって界面活性剤を混入したのか。
謎を解く手がかりは、ナースステーションに残されていた、およそ50本の未使用の点滴。
通常、ゴム栓部分に、ビニールのカバーがかぶせられているが、複数個のビニール部分に、針を刺したような穴が開いていた。
ビニールを剥がさず、針を刺したら、どうなるのか。
わずかに残る、針の穴。
しかし、ビニールを剥がすと、針の穴は、よく注意しないと、わからなくなる。
犯人は、こうした方法で、界面活性剤を混入させたとみられている。
では、犯人は、いつ混入したのか。
八巻さんが死亡した当時、4階には、17人の患者と、30代の女性看護師2人がいた。
八巻さんは8人部屋で、西川さんを含む5人の患者と共に、治療を受けていた。
問題の点滴が、女性看護師によって交換されたのは、事件前日の19日午後10時ごろ。
この時間帯、すでに病院の正面入り口と裏口は施錠されていて、外部から自由に出入りすることは不可能だった。
八巻さんに投与された点滴は、事件3日前の17日、3日分が準備され、4階のナースステーションに運び込まれたもの。
このことから、警察は、17日から19日の3日の間に、何者かが界面活性剤を混入したとみて捜査している。
一方、誰が異物を混入したのか。
元東京都監察医務院長・上野正彦氏は「普通、院内の職員が、そういう(異物混入)操作をするとすれば、筋弛緩剤などを注入して、そういうような殺人が考えられるんですけれども、消毒剤を混ぜたということになると、病院に出入りする人でも、やれる可能性はありますよね」と話した。
上野氏の「誰でも犯行が可能」という見立てを裏づけるような、新たな証言も出てきている。
母親が入院していた人は「廊下かなんかにね、ばーっと(点滴を)置いて、『触れるんじゃない?』、それは、女房とも言っていました。『すごい管理だね』って」と話した。
この男性の母親も7月、大口病院で入院中に亡くなったという。
母親が入院していた人は「6月10日から点滴をやって、7月5日の朝(に亡くなった)。それは、疑いますよ。疑いたくないけれども」と話した。
大口病院の院長によると、4階には、今もなお、十数人の患者が入院しているという。
患者や、その家族にとって、不安な夜が続くことになるとみられる。
88歳の男性2人の命を奪っていた点滴。
数々のトラブルと、相次ぐ入院患者の不審な死。
それらはなぜ、病棟の4階で起きたのか。
いつ、誰が、どうやって、点滴に異物を混入させたのか。
病院という閉鎖された空間で起きた、事件の謎に迫りました。
病院の入り口には、貼り紙が貼られていて、そこには「10月1日土曜日まで外来診療は休診します」と書かれていた。
正面玄関に貼られた、外来休診の知らせ。
病院は、事件の衝撃に包まれていた。
大口病院の利用者は「悪いうわさは、全くなかったので、ものすごくショックですね。1日も早く、真相を解明してほしいなと思います」と話した。
神奈川・横浜市の大口病院で起きた、入院患者殺害事件で、26日、新たな展開があった。
界面活性剤入りの点滴を打たれ死亡した、88歳の八巻信雄さん。
同じ4階の病室で、2日前に亡くなった別の男性も、中毒死だったことが判明した。
88歳の西川惣蔵さん。
八巻さんと同じ病室で、9月18日に死亡したが、体内から、八巻さん同様に、界面活性剤の成分が検出された。
中毒死の知らせに、西川さんの知人は、「びっくりしているだけで。まさかと思ったんだよね」、「救急車で搬送された日です。先月の10日近かったかな。玄関先で、倒れていたって話なんです。わたしは、体が悪いとは、全然思っていませんでした」などと話した。
そして、西川さんの妻は、悲痛な胸の内を、「とにかく悲しいです。病死であれば諦めもつきますが、殺されたとなると、病院を選んだわたしの判断が悪かったのか...とても悔やまれてなりません」というコメントで明らかにした。
一方、FNNの取材に応じた、大口病院の看護師からは、驚きの証言が聞かれた。
看護師は「結構、立て続けに亡くなっているので、珍しいですね。『(病院の)4階はおかしいな』って話があったんですよね。呪われているんじゃないかとか」と話した。
この看護師によると、病院では、7月から9月のわずか2カ月間に、およそ50人の高齢者が、同じ4階で死亡しているという。
いったい、4階で何が起きていたのか。
実は、この大口病院の4階では、以前から、不気味な出来事が相次いでいた。
4月には、ナースステーションのエプロンが切り裂かれ、6月には、カルテの一部が行方不明になった。
そして8月には、スタッフの飲み物に、漂白剤のようなものが混入していたという。
元東京都監察医務院長・上野正彦氏は「病院全体に対する不信感などでやっている可能性も捨て切れませんけれども。4階のスタッフ、あるいは、出入りしている人を含めて、何か、人間的なトラブルがあったのかなということで、4階に限定されているっていうふうに思いますけどね」と話した。
無差別的犯行の可能性も出てきた、この事件。
いったい、犯人は、どうやって界面活性剤を混入したのか。
謎を解く手がかりは、ナースステーションに残されていた、およそ50本の未使用の点滴。
通常、ゴム栓部分に、ビニールのカバーがかぶせられているが、複数個のビニール部分に、針を刺したような穴が開いていた。
ビニールを剥がさず、針を刺したら、どうなるのか。
わずかに残る、針の穴。
しかし、ビニールを剥がすと、針の穴は、よく注意しないと、わからなくなる。
犯人は、こうした方法で、界面活性剤を混入させたとみられている。
では、犯人は、いつ混入したのか。
八巻さんが死亡した当時、4階には、17人の患者と、30代の女性看護師2人がいた。
八巻さんは8人部屋で、西川さんを含む5人の患者と共に、治療を受けていた。
問題の点滴が、女性看護師によって交換されたのは、事件前日の19日午後10時ごろ。
この時間帯、すでに病院の正面入り口と裏口は施錠されていて、外部から自由に出入りすることは不可能だった。
八巻さんに投与された点滴は、事件3日前の17日、3日分が準備され、4階のナースステーションに運び込まれたもの。
このことから、警察は、17日から19日の3日の間に、何者かが界面活性剤を混入したとみて捜査している。
一方、誰が異物を混入したのか。
元東京都監察医務院長・上野正彦氏は「普通、院内の職員が、そういう(異物混入)操作をするとすれば、筋弛緩剤などを注入して、そういうような殺人が考えられるんですけれども、消毒剤を混ぜたということになると、病院に出入りする人でも、やれる可能性はありますよね」と話した。
上野氏の「誰でも犯行が可能」という見立てを裏づけるような、新たな証言も出てきている。
母親が入院していた人は「廊下かなんかにね、ばーっと(点滴を)置いて、『触れるんじゃない?』、それは、女房とも言っていました。『すごい管理だね』って」と話した。
この男性の母親も7月、大口病院で入院中に亡くなったという。
母親が入院していた人は「6月10日から点滴をやって、7月5日の朝(に亡くなった)。それは、疑いますよ。疑いたくないけれども」と話した。
大口病院の院長によると、4階には、今もなお、十数人の患者が入院しているという。
患者や、その家族にとって、不安な夜が続くことになるとみられる。