どうも、アートディレクターのhashiken(@conteanime)です。
Google検索やyahoo知恵袋を見てると、自分の絵が下手だと悩んでる人は多いみたいですね。たしかに絵は一朝一夕でどうなるものでもないので、効果的な上達法を知らないと苦手意識を持ったまま来てしまうこともありますよね。
自分は週3日ほどスマホゲームのイラスト監修をしていてプロのイラストレーターさん達の絵に赤入れ(=添削)をしてるんですが、色々見てても上手い人ほど貪欲に日々の勉強を欠かさない印象です。
今回は、絵が下手だと感じている人によく見られる特徴やどうすれば今より上達していけるかの対策を、絵を描く仕事をしている者の目線から詳しくまとめます。
★絵をデジタルで描きたくて悩んでたら、こちらの記事が参考になります。
⇒絵の初心者こそデジタルでイラストを描くメリットをちゃんと知っておこう!
目次
絵が下手だと悩む人によく見られる特徴とは?

- ずれている
- アゴなどが尖っている
- 目から描く
- 体が描けない
- 左右のバランスが取れない
・・・どうでしょう、あてはまることはありましたか?
絵を描くのが嫌になった理由を調べてみると、小さい頃に誰かと比べられて下手と言われてそれ以来描くのをやめたとか、誰にも特に褒められることのないまま上手くならないからやめたというケースが圧倒的に多い印象でした。
自分は今でこそ絵を描く仕事をしてますが、子供の頃は特に絵に関して秀でたところはなかったです。小学生の時に友だちと遊びの一環でノートに漫画を描いたりしてましたが、自分より上手い人も普通にいましたし下手ではないけど・・・ってレベルでしたね。
絵の仕事について以降のことを振り返ると、絵に関して『知ったからこそできるようになること』って案外多かったんですよね。知らないで損をしてることって世の中結構ありますけど、絵も同じなんです。
絵が上手い人と下手な人の違いはこんな積み重ねからも生じている

- 下描きを描く
- 一つの線を何本もの細かい線で描く
- 大きく『あたり』を取ってから細部を描き込む
- 見たことないものは参考資料を用意して描く
- 苦手なものは確認しながら描く


上手い人とそうでない人の違いは、事前準備の差が大きいと言えます。たとえば参考資料や下描き、そして下描きを描いてるときの細かい線などです。
最終的には不要になるけど上手く描くために必要な要素をおさえてるかどうかが、分かれ目なんですね。それをおさえつつの経験値の積み重ねなので、結果的に大きな違いとして絵の差に表れてくるわけです。
例えば下描き(ラフ)を描いているときに、絵に慣れてる人は補助的な要らない線を適宜加えながら正しく描けてるか確認しつつ描いています。そして補助線は最終的な絵の仕上がりにおいてはなくなります。正しい絵を描くための、あたりを付けてる存在でしかないからです。
様々な寄り道をしながら正しいゴールへのマラソンをしてるといえばいいでしょうか? とにかく、最終の完成状態の線が最初からその状態で生まれてないことを知っておいて下さい。
絵やイラストを初心者が上達するためのはじめの手順

前述のように絵が上手い人の大半は、描きながら何度も何度も調整して正しい線を見つけだそうとしています。そうしながら経験を数多く積むことで徐々に、下描きの工程を効率的に省略できるようになっていきます。
結果ようやく、一部の有名漫画家さんのように下描きの状態からほぼ仕上がった線を描けるようにもなるわけです。細かい下積みと訓練あってこその絵なんだと、まずは正しく理解して下さい。
絵が苦手で悩んでいたら、事前準備の部分を多くしてみましょう。
描くものの参考になる資料を用意し、例えば手が苦手なら自分の手を見ながら描いたらいいんです。
また、ラフや線画は細かい線の繰り返しで描いてみましょう。下描き(↓水色)が終わって線画を清書(↓黒色)するときに、正しい線を拾い上げていくイメージになります。
上のようにそれぞれの線を一つのストロークで描こうとするんじゃなく、下のように細かく重ね調整しつつ描くことで線を描く作業がずっと楽に進められます。
一度で全てができる思い込みを捨てて下さい、そうしないと永遠に絵は上達しません。
商用のほぼすべての絵が、下描きから始まり清書の流れを通った上で世に出てる事をわかれば下描きを描かずに絵を描くことの無謀さも納得出来ると思います。
ちまちましたことの積み重ねこそが、正しい絵に近づいていく道です。段階的に一歩ずつ進めていきましょう。
更にもう一段階、画力を向上させるためにすぐ出来ることとは?

前章の内容を理解して経験を重ねていけば、必ず今より上手くなれます。その後更に一歩前にすすめるための有効なポイントもいくつかあげておきます。可能な部分から順次取り入れて下さい。
- 目から描かず輪郭から描く
- 大雑把に全体を描いてから細部に進む
- 線ではなく、球を意識して描く
- 現実的な構造を想像しながら描く
- 上手い人の絵を真似る
人間でも動物でもいいですが、基本は球体の集まりで出来てます。そのような3次元の物体を2次元のペラ絵に落とし込むには、あらかじめ球体であることを理解した上で線にしていく必要があるわけです。
その意識のない線で描いても、いい絵にならないのは無理ない話です。
手や顔を描くときも、必ずモノの構造を意識して下さい。顔の中にどんなバランスで目・鼻・口が存在してるか、これまで気にしてなかった部分に思考を持っていくだけでもかなり結果は変わってきます。
そして絵が苦手な人に一番多いのが、小⇒大という順番で描いていくことです。これじゃプロもなかなかうまくいきません。
描く順番は逆で、大⇒小です。全体をざっと描いてから、細かい部分を描き込んでいってください。
絵やイラストのセンス・技術を磨くなら欠かせない5つのこと

最後に、はるかな高みを目指すための意識についても少し触れておきます。これまでに書いたことが理解・実践できた時には、ぜひこの内容にも目を向けてもらえたらと思います。
- 意識的に描いたことのない構図で描いていく
- 想像力・妄想力を高める
- カメラで撮影してることをイメージする
- インプット・アウトプットで情報を刷新しつつ蓄積を増やしていく
- 常に、考えながら絵を描く
すこし絵が描けるようになってくると、同じような方向を向いた絵ばかり描いてしまう時期があると思います。少しこなれたせいで、自分が得意だと感じる構図の絵がわかってくるんですね・・・で、そればかりになってしまうと。
踊り場での停滞を早くクリアするには、意図的に描いたことない構図で描くようにするしかありません。
未知のものを描こうとすると、資料だけじゃ追いつかない状態を描く状況が山ほど出てきます。資料のないものを描くためには、想像力や妄想力を働かせるしかありません。日頃から養っておく訓練が必要です。
また何かを描こうとした時には、カメラで撮影したワンシーンを絵に起こすように描くのも有効です。映画などのように、場面を現実から四角いフレームで切り取ったと考えればあとはそれをキャンバスに具現化していくだけの作業になります。
さらに自分の絵を進化させていくには、新たな情報やノウハウを積極的に取り入れていくことが欠かせません。取り入れたものを血肉とするためには、その知見を使い実際に絵を描くことが必要です。
最終的にはアウトプットして誰かにフィードバックをもらい、自分の中にさらにインプットしていきましょう。循環が大切です。
・・・最後にあげるのは、つねに『考えながら絵を描く』ということです。
上でも何度か出てますが、構造や意味を考えながら描くことがなによりも大事になります。好きな絵を見るとき、『なんでこの作家はこの部分をこういう風に描いてるんだろう?』と考えるクセをつけてください。
考えた上で理由がハッキリすれば、次第に自分の絵において再現することも出来るようになっていきます。
★『考えながら描く』ことについてはこちらの記事に詳しくまとめてるので、ぜひ一度見て下さい。
⇒現役アートディレクターおすすめの絵が上手くなる方法とはコレだ!
さいごに、

更に付け加えると、刺激を与え合える環境に身を置くことも大変有効です。独学でやってるだけでは正解は見えないですし、上達への道を直接誰かに聞いたほうが圧倒的に早い場合も多くあります。
褒めたりダメ出しし合えるような前向きな(←重要!)オンラインサロンなども効果的に活用しましょう。
【参考記事】
↑の記事によれば、人それぞれの視覚能力や先入観によっても絵の出来は大きく変わるそうです。でもそれは別に生まれながらの才能とかではなく、訓練によって習得可能なものという話です。
ぜひ固定観念にとらわれすぎたりしないで、今回の内容を気楽に試してみてください。
『絵の力』はもしかすると・・・趣味だけでなくあなたのビジネスさえ助けてくれる大きな『武器』にもなってくれるかもしれませんよ?
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