本日の記事はアマゾンフレッシュについてです。このサービスは、ざっくりいうと生鮮食品の配達サービスです。日本にはまだ来てはいないのですが、アメリカでは、もう随分前からこのサービスは開始されていて、たくさんの人がこのサービスを利用していますし、アマゾン自体もとても力を入れているサービスです。この記事では、そんなアマゾンフレッシュというサービスの詳細、そして、現在サービスは各国でどのような状態なのか、そして、日本に来るのか?日本に来る場合の他のサービスとに比較など様々な点から見ていきます。
アマゾンフレッシュとは?
アマゾンフレッシュは、およそ50万点の商品(生鮮食品含む)から購入し、自宅に届けてもらうサービスです。また、近くのレストランからのデリバリーサービスもあるので、食材だけではなく料理の出前も出来るみたいです。アメリカでは2007年8月にスタートしました。9年前と聞くと、随分前からスタートしているんだなといった印象を受けます。アマゾンフレッシュは、生鮮食品を取り扱っているということですが、サービス開始当初からついにアマゾンが生鮮食品に手を始めたか、と各方面から注目の声が集まってます。アマゾンフレッシュに加入するためには年会費299ドル払う必要があり、その時自動的にアマゾン プライム(年会費99ドル)に加入することになります(元々アマゾン プライム会員の人は、年会費99ドル差し引き)。他のサービスと同様にアマゾンプライムのサービスに組み込まれているものかと思っていましたが、独立したサービスのようです。やはり、生鮮食品自体利益率が高いものではないので、年会費を高くせざるを得ないのでしょう。しかし、アメリカではとても人気で、現在も多くの人が利用しています。
アマゾンフレッシュの現状
アマゾンフレッシュは、現在どこまで普及しているのでしょうか?実際世界中にみても、まだ全然普及していません。アマゾンフレッシュはアメリカ国内でさえ、サービス開始当初はシアトルを中心としたごく少数の都市でしか利用できない状態が続いていました。2013年、つまり開始から約6年ほど経過してやっとロスアンゼルスで、それに続き、サンフランシスコ、サンディエゴ、ニューヨークなど大都市でサービスが開始しました。現在でも、アメリカ全土で利用出来るわけではなく、ニューヨーク、フィラデルフィア、シアトル、サンフランシスコ、サンディエゴ、ロスアンゼルスなどの大都市のみです。これを聞くと、いかに生鮮食品の流通が大変なのかが推測できますね。そして、遂に2016年6月にやっとアメリカ国外発イギリスのロンドンでサービスが開始されました。現在、アメリカ以外ではロンドンだけですが、これからどんどん普及していくでしょう。
アマゾンフレッシュの配達
アマゾンフレッシュの配達は、購入金額5,000円以上でなければ配達をしてくれないという致命的な欠点があるようです。従って、ちょっと買い物するという程度のお買い物には向かず、家族用あるいは一週間分まとめ買いなど大量購入向きですね。配送時間帯としては原則午前10時までの注文なら当日の18時までには配達することが出来て、午後10時までなら最も早くて次の日の早朝には配達可能です。アマゾンフレッシュの配達時間帯は早朝の7時前~夜の21時までです(商品によって配達不可能な時間帯があるものもあるみたいです。)。購入した商品の受取には2通りの方法があります。ドアストップ受取と直接受け取りです。
- ドアストップ受取=都合のいい時間帯のうち3時間を特定し、ドアの前に置いていてもらう方法。その時点で自分は自宅にいなくてもOK。
- 直接受け取り=都合のいい時間帯のうち1時間を特定し、直接受け取る方法。家にいて直接配達員から荷物を受け取る必要があります。
ドアストップ受取は自宅に不在でも、届けてくれるのはとても楽ですね。一方、直接受け取りはある程度決まった時間に来るわけですから、他の予定も立てやすいです。アマゾンフレッシュは忙しい日でもその日買い物に行く必要がなくなるわけですから、時間節約の面でも体力的な面でもとても助かります。
アマゾンフレッシュの使い方
アマゾンフレッシュを利用する時には、Webでお買い物する方法とアマゾンフレッシュ専用のアプリを使う方法があります。実際に商品を使う順序は以下の通りになります。
- 欲しい商品を選んでカゴの中に入れていく
- 商品の受け取り方法を決める
- 配達時間を予約する
- 注文完了
通常アマゾンで商品を注文するように手軽に出来るみたいですね。しかし、50万点というとてつもない商品数ですから、例えば、トマトを買いたくても様々な種類が出てきそうで選ぶのが大変そうです。
また、アマゾンフレッシュに登録するとアマゾンダッシュという音声認識付きバーコード読み取りデバイスを手に入れられます。
アマゾンダッシュを利用して、商品のバーコードを読み取ったり、商品名を認識させると自動で買い物カゴに追加されるみたいです。その後にそのまま買い物が出来る仕組みです。
アマゾンフレッシュは日本に来るの?
やはり、気になるのは日本に来るかどうかということですね。9年経っても来ていない上にアメリカ以外ではイギリスだけという状態だと日本にはもう来ないのかと思ってしまいます。しかし、実のところ2015年埼玉のある食品スーパーと提携を結んだというニュースがあり、日本にもうすぐ来るのかと話題になりました。しかし、日本に生鮮の流通チャネルを持たないアマゾンがこのサービスを一から始めるとなるとすぐに導入できるものではないみたいで、日本に来るかもというニュースは2015年8月でしたが、1年ほど経った2016年9月現在でもまだサービスは開始していません。とはいっても、日本でのサービス開始の布石はもう打たれているわけですから、日本でのサービス開始はもうすぐといっても過言ではありません。早く日本に来てほしいですね。
日本の生鮮食品配達サービスとの比較
もし、日本でサービスが開始したとしたら他の生鮮商品を取り扱っているネットスーパーなどと競争することになります。現在生鮮食品を扱っているネットスーパーとして代表的なところは、イオン、SEIYU、イトーヨーカドーです。アマゾンはこれらのスーパーと競争しなければいけないわけです。これら3つのネットスーパーは年会費無料ですので、アマゾンフレッシュが日本での年会費を30,000円とアメリカ水準にするなら、おそらく競争に勝つのは難しいのではないんでしょうか。まぁ、プライム会員自体の価格も日本は3,900円、アメリカは約1万円と大きな価格の差があることから、アマゾンフレッシュの日本での年会費が30,000円ということはいくら何でもないと思います。プライム会員の年会費をもとに計算すると、年会費はプライム会員の3倍ぐらいとすれば約12,000円ぐらいでしょうか?アメリカと比べるともちろん12,000円というのは安く感じますが、実際利用するとなると他の年会費無料のネットスーパーに魅力を感じちゃいそうですね。ちなみに、イギリスの価格設定がどうなっているかと申しますと、プライムの年会費が約1万円とアメリカとほぼ同じなのに対し、アマゾンフレッシュの利用料は月額約1,000円となっています。年に換算すると、約12,000円となっています。アマゾンフレッシュに加入する場合は、アマゾンプライムに加入必須のようですので、プライム年会費含めると、アメリカがおよそ約30,000円なのに対し、イギリスは約22,000円です。プライム年会費は同じなのに対し、若干アマゾンフレッシュ自体は割安になっているみたいです。日本に話を戻しますと、アマゾンフレッシュは年会費は高額かもしれませんが、日本のネットスーパーよりサービス面で優れているかもしれません。アマゾンフレッシュと日本のネットスーパーの特徴をそれぞれ以下にまとめてみました。
ネットショッピング名 | 説明 |
---|---|
アマゾンフレッシュ | 商品数約50万点。年会費3万円で買い物合計5,000円以上で配達可能では送料無料。10時までに注文で当日に配送。指定すれば、早朝に届けてもらうことが出来る。 |
イオン | 商品数約3万点。買い物合計が5,000円以上の場合、送料無料。未満の場合、配送料324円負担。15時までに注文で当日に配送。ネットWAONポイントが貯まる。 |
SEIYU | 商品数約3万点。買い物合計が5,000円以上の場合、送料無料。未満の場合、配送料525円負担。17時までに注文で当日に配送。ウォルマートカードを使うと毎日3%オフ。 |
ヨーカドー | 商品数約3万点。買い物合計金額が7,000円以上の場合、送料無料。未満の場合、配送料324円負担。”8″のつく日は5%オフ。 |
日本のネットスーパーも主婦により多くのお買い物をしてもらうために頑張っています。アマゾンフレッシュは商品数では圧倒的に多いですが、そもそも購入金額5,000円以上でないと、注文が出来ない仕組みですから節約が得意な人が多い日本では安いものを少しずつ買えるような日本のネットスーパーを使う人が多いんじゃないでしょうか。日本でアマゾンフレッシュを導入するとなると年会費がどうなるかによって消費者がどの通販を利用するか変わりそうですね。日本のネットスーパーも上記の様々なサービスや、イオンネットスーパーが月額500円払えば、月に何度頼んでも配送料無料というサービスを開始する(このサービスについての記事はこちら→イオンネットスーパーの送料定額サービスを徹底分析!)など生鮮食品の配達サービスに対してとても力を入れています。日本に来るとなった場合、アマゾンがどう戦略を打ち出すかというところは見ものですね。
アマゾンフレッシュの今後
アマゾンフレッシュは今後どんどん市場を拡大していくと考えられます。世界中に普及すれば、世界中の生鮮食品市場がアマゾンの手中に収められるかもしれません。しかし、日本のネットスーパーも日々努力して私達にお得なサービスを与えてくれますから一筋縄ではいかないと思います。近い将来日本に来た場合の日本のネットスーパーとの競争、アマゾンの戦略などスマートショッピングは今後も注目していきます。