国民皆保険制度が施行されている日本では、会社勤めをしている場合もそうでない場合も、必ず健康保険に加入することが義務付けられています。
健康保険には主に社会保険と国民健康保険の2種類がありますが、工場で働く場合はどちらの健康保険に加入することになるのかわからないという人も多いでしょう。会社勤めをする場合は、正社員であれば社会保険に加入するのが一般的ですが、派遣社員やアルバイトという形で働くことになった場合、同じ会社に勤めていても社会保険には加入できないというケースもあります。
特に工場にはさまざまな雇用契約があるため、自分がどんな健康保険に加入すべきなのかわかりづらいところでもあります。工場で働く場合の社会保険の仕組みについて見てみましょう。
☆工場で働く場合の健康保険
そもそも健康保険には社会保険と国民健康保険の2種類があり、日本国民である以上は必ずどちらかの健康保険に加入しなければなりません。
しかし、その人がどちらの健康保険に加入するかは、人それぞれ務めている会社や雇用形態などによって変わってきます。工場で働く場合、雇用形態に関わらず、基本的に勤務日数や勤務する時間によって適用される保険の種類が変わってきます。
もし、工場で働くことを考えているなら、まずは求人情報を確認してみましょう。求人欄などに「社保完備」と書かれていれば、その工場で正社員として働くことになった場合、社会保険が適用されることになります。一方、派遣社員やパートなどの場合、具体的な勤務日数などで社会保険に加入できるかどうかが決まってきます。
☆派遣社員はどちらの健康保険?
工場で派遣社員として働く場合は、一定の勤務時間や勤務日数をクリアすることによって、登録している派遣会社を通じて社会保険に加入できるようになります。
具体的には、同じ工場に勤めている正社員の労働時間を基準とし、正社員と比較して4分の3以上の勤務日数と勤務時間が確保できている場合に限り、派遣社員やパート・アルバイトなどであっても社会保険が適用されることになります。
例を挙げると、たとえば週40時間で月20日の勤務が規定されている会社の場合、週30時間以上で月15日以上勤務をしていれば、保険派遣社員やパート・アルバイトであっても、社会保険の適用条件に当てはまります。派遣社員として工場で働く場合、自分の勤務日数などをしっかりと確認しておきましょう。
☆社会保険の良さについて
国民健康保険に比べると、社会保険はよりサービスが充実していると言えます。なかでも扶養している家族がいる場合、社会保険の恩恵はより大きなものとなるでしょう。
国民健康保険の場合、妻や子供も夫とは別に国民健康保険に加入しなければなりませんが、社会保険の場合は扶養家族として妻や子供も一緒に社会保険の適用を受けることができます。
扶養家族は年収が130万円以下でなくてはなりませんが、保険料の支払いがゼロになるなど、国民健康保険よりも大きな恩恵に与れます。保険料の支払い方法も異なり、社会保険の場合は保険料の半額を会社が負担しているため、国民健康保険に比べて保険料自体が安いケースも少なくありません。
☆国民健康保険の仕組み
一方、国民健康保険はどんな人が加入するのでしょうか。国民健康保険は、基本的に社会保険に加入できない人に適用される健康保険です。
国民皆保険制度におけるセーフティネットのようなもので、すべての国民に健康保険の適用を義務付ける日本ならではの制度とも言えるでしょう。
しかし、健康保険サービスの充実度で言えば、社会保険に比べると少し見劣りするかもしれません。加入手続きや支払いまで、すべて自分で行わなければならず、また保険料が割高であるケースも少なくありません。派遣社員やパートなどで働く場合、社会保険に加入できないというケースも多くありますが、工場で働く場合は勤務時間などを条件にするように法律で義務付けられているので、その点は安心できるでしょう。