どれだけ工場の機械化が進んでも、品質管理の部分で人の目と技術は欠かせないものとなっています。
日本のモノづくりの技術は世界一とも言われるほど、モノづくりの伝統と技術が息づいている日本。だからこそこれからも工場から出荷される製品の品質管理に携わる人たちには、高い意識を持って取り組んでほしいですよね。
そんな品質管理に携わる人にこそとっていて欲しいのが、品質管理検定、通称QC検定。今回はQC検定とはどんな資格なのか、どんな場面で活かされているのかを紹介しましょう。
☆そもそもQC検定ってどんな資格?どんな仕事で活きる資格なの?
品質管理検定(QC検定)とはその名の通り、品質管理に関する知識をどの程度持っているかを客観的に評価する資格のことです。
検定には4級から1級までの5段階( 4〜1級に加えて準1級)があり、自分のレベルに応じた試験を受けることが可能となっています。
4級では基本的な品質管理の知識が問われ、以下3級、2級と進むにつれてQC七つ道具の利用法や、七つ道具を使用して品質に関する問題解決ができるか、品質管理部門を任さられるだけの知識があるか、などを問われることとなります。
ちなみに、QC七つ道具とは、パレート図、特性要因図、グラフ、管理図、チェックシート、ヒストグラム、散布図、層別を指しています(七つ道具なのに8つあるのはご愛嬌)。
では、QC検定はどのような仕事で活かされるのでしょうか?端的に答えると、品質管理部門の存在するほぼすべての企業ということができるでしょう。品質管理を必要とする企業に勤めているのであれば、持っていて損はない資格。それがQC検定なのです。
☆QC検定合格のための勉強法は?
QC検定は段階が上がるにつれて、そのレベルもかなり高いものが要求されます。そのためまずは、自分のレベルにあった級を受験することから始めるとよいでしょう。
すでに品質管理に携わっているような人であれば、3級合格を第一目標とするとよさそうです(4級は主に高校生や専門学校生が対象)。
他の多くの試験と同様、合格に近道はありません。過去問題集を解いて、テキストとにらめっこをする。その繰り返しです。
もちろんそれだけでは勉強として不十分でしょう。QC検定には関連書籍が多数存在しますから、級が上がるにつれて、より多くの関連書籍を読み込むことも求められます。一人で勉強するだけでなく、同じ目標を持つもの同士で勉強会を開くのもよいでしょう。
☆QC検定に受験資格はあるの?
QC検定には必要な受験資格はありません。どの級を誰が受けても構わない、間口の広い試験となっています。中には14歳で2級試験に合格した猛者も!
だからといって、簡単な資格かというと、決してそうではありません。2016年3月に実施された第21回試験の全体合格率は51.78%。4級こそ合格率84.97%と高いですが、3級55.98%、2級21.29%と低くなり、1級の合格率はなんと7.65%。この数字を見ただけでも、優しい試験ではないことがおわかりいただけるのではないでしょうか。
☆QC検定の受験要項
最後に、QC検定の受験要項を確認しておきましょう。
試験の日程は年に2回で、平成28年度は2016年9月4日と2017年3月19日に予定されています。個人での申込の場合、Webからの申込と払込取扱票による申込があるようです。
5名以上まとまって申込を行う場合は、団体受験として取扱が可能となっています。受験会場は1級が全国30箇所、それ以外の級は全国48箇所で開催予定です。受験に関する詳しい情報は、QC検定を主催している一般財団法人日本規格協会に載っていますから、そちらで確認するとよいでしょう。