ドローンで夜行性の生息調査
全国各地で農作物の鳥獣被害が深刻化する中、大日本猟友会(東京都)は今年度、小型無人機「ドローン」を活用し、シカやイノシシなど夜行性の野生鳥獣の生息調査に乗り出す。赤外線カメラを取り付けたドローンを夜間に飛ばし、生息数を把握する。これまでは日中の調査が中心だったが、より正確に把握できるという。実証実験に成功すれば国や地方自治体に導入を働きかける。
実証実験は、大日本猟友会とドローンの製造販売会社などが島根県と岩手県で実施。島根では気温が低く、動物の体温を赤外線カメラで把握しやすい11月にニホンジカの生息調査をする。
夜間にドローンを自動運転で飛ばし、最高で地上150メートルから赤外線カメラで静止画を撮影。動物の体温を感知して自動判別する仕組みで、撮影した画像を解析して調査エリアの生息数を割り出す。
これまでは鳥獣のフンを調べたり、捕獲数や目撃情報などを基に生息数を推計したりしていたが、シカやイノシシは夜行性のため、日中の調査では限界があった。
島根県飯南町では8月、調査の担い手となる地元猟友会のメンバー約40人を対象としたドローン操縦の研修会を開き、実験に向けた準備を進めている。
環境省鳥獣保護管理室は「調査に使うドローンの台数や性能にもよるが、将来的には有効な調査手法として認められる可能性がある」としている。
農林水産省によると、野生鳥獣による農作物の被害額は1999年以降、200億円前後で推移している。【長宗拓弥】