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反中勢力6人が当選 立法会選挙が開票

香港立法会の勢力

民主派3分の1以上の議席

 【台北・鈴木玲子】4日投票の香港立法会(議会、定数70)選挙は5日、開票が終了した。親中派が40議席で過半数を維持した。民主派勢力は、2年前の大規模デモ「雨傘運動」の失敗後に台頭した若者らを中心とした急進的勢力「本土派」など新興の反中勢力6人が当選し、民主派と合わせ30議席を獲得。政府が提出する重要法案を否決できる議席3分の1以上を獲得した。

 香港で中国による政治的な圧力が強まり、「1国2制度」で保障されたはずの香港の「高度な自治」が大きく揺らぐ中、香港住民の危機感が示された。

 選挙は直接選挙枠で35議席、業界別の間接選挙による職能代表枠で35議席を選ぶ。政治意識の高まりを反映し、直接枠の投票率は、前回(2012年)を約5ポイント上回る過去最高の58.28%となった。

 親中派は40議席で過半数を維持したが、前回より3議席少なかった。

 これに対し民主派勢力は善戦。初参戦した本土派などの新興の反中勢力を含め、30議席に伸ばした。旧来の民主派では、長年民主化運動をけん引してきた有力議員が落選するなど24議席だったものの、雨傘運動で指導者の一人だった羅冠聡氏(23)が史上最年少で初当選し、新興勢力の伸張を印象づけた。

 羅氏は雨傘運動に参加した若者らが結党した新党「香港衆志(デモシスト)」の主席。5万票を超す高得票だった羅氏は報道陣を前に「民主主義の価値観を守ろうとする人たちと協力していきたい」と意気込んだ。

  本土派の新党「青年新政」の游※禎(ゆう・けいてい)氏(25)と梁頌恒(りょう・しょうこう)氏(30)、「熱血公民」の鄭松泰氏(32)も当選。本土派は雨傘運動の失敗後、中国全体の民主化を訴える旧来の民主派に失望した若者らが、自分たちの「本土」である香港を守ろうと訴えて急伸し、多くの若者らが新党を結党して参戦した。香港で生まれ育った若い世代には中国への帰属意識は乏しく、政治的圧力を増す中国に対する反発を強める。

 危機感を募らせる香港当局は今回、本土派候補ら6人を「香港独立」を主張しているとして立候補を認めない異例の決定を出した。初当選した游氏は当局の措置を「民主的な選挙の本来の意義を失っている」と批判した。

 投票を巡っては、一部投票所で投票締め切り時間の4日午後10時半(日本時間同11時半)時点で多数の有権者が並んでいたため、投票時間を大幅に延長するなど混乱が生じた。

※は「草冠」の下に「叀」、その下に「心」

香港立法会選挙

 4年に1度実施される。定数70で、直接選挙枠と職能代表枠に各35議席。直接枠は5選挙区(各5〜9議席)で、登録有権者数は約378万人。職能枠のうち30議席は、金融や建築業、教育界など業界別の間接選挙で、残る5議席は区議会議員の候補者から直接投票で選出する。産業界には中国寄り企業が多いため、親中派に有利な制度になっている。

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