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奨学金破産の解消法

西川純さんのブログで、「奨学金破産の解消法」というエントリが上がっています。なかなかに刺激的に表現も含まれていますが、物事の本質をズバリと斬り込んでいますので、一服の清涼剤として是非服薬することをお奨めします。

ちなみに私はここまでラディカルではなく、中長期的にはいったん社会に出て就労してから大学進学というスタイルが一般化することを展望しつつも、当面は「18歳主義」は簡単になくならないだろうという前提で、いかに教育の職業的レリバンスを高められるかという生ぬるい考え方でいますが。

http://manabiai.g.hatena.ne.jp/jun24kawa/20160829/1472423090

・・・奨学金破産の原因は奨学金ではなく、大学を卒業しても正規採用にならない点です。その原因は正規採用に値する能力、つまり、採用後直ちに給料分稼げる能力を大学が与えていないからです。

・・・大学進学率の高い国では、高校卒業後に直ちに大学に進学するのはトップ大学に進学する一部だけです。多くは就職します。日本もそうなればいいと思います。
 大学で学びたい人は数年間働いて、お金を貯めます。つまり、借金で大学に学びません。それだけの覚悟と意欲を持つ人だけが大学に進学します。働いてから大学に学ぶのですから、働いたことのない高校生とは選択の視点が違います。似非ジョブ型には厳しい目を向けます。結果として本当の専門職大学に学生は集まりますが、似非専門職大学には集まりません。

そこから、高校教師への提言もシビアなものになります。

・・・じゃあ、我々教師(特に高校教師)は何が出来るか?
 偏差値60を下回る子にはジョブ型大学を薦めるべきです。
 偏差値55を下回る子には大学進学は勧めず専門学校を薦めるべきです。そして、それを上回ることを学びたいならば、お金を貯めて大学に進学することを勧めてください。借金するとどうなるかを教えてください。

実際には、日本の企業の側がそれに対応できるような体制になっていないので、このジョブ型社会ではあまりにも正当なサジェスチョンがかえって逆効果をもたらせてしまうというもまた現実の日本の姿でもあるわけですが。

西川さんのブログを見るたび、自分の生ぬるさを思い知らされる尖ったエントリです。

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