豊洲市場移転延期で調整 一両日中にも会見
東京都の小池百合子知事が、11月7日に予定されている都中央卸売市場築地市場(中央区)の豊洲市場(江東区)への移転開場時期を、当面延期する方向で最終調整に入ったことが都関係者への取材で分かった。一両日中にも記者会見して判断の根拠や延期幅などについて説明する見通し。
築地市場は建物の老朽化などで移転が決まっているが、移転先の豊洲市場は東京ガスの工場跡地で、土壌や地下水から高濃度のベンゼンなどが検出された。都は2014年11月から2年間の予定で独自の地下水モニタリング調査を実施しており、年明けに結果が判明する。
一部市場関係者には、開場が調査結果の出る前に設定されていることや年末の繁忙期に重なることを疑問視する声もある。小池氏は26日の定例記者会見で「大きな疑問を持っている。そのまま進めていいのかどうかも含め、総合的に判断する」と述べていた。
築地市場跡地には、20年東京五輪・パラリンピックの選手村や競技会場と都心を結ぶ環状2号線が通る予定で、市場跡地付近は移転後に着工する。現行計画でも開通は東京大会直前になるとされ、延期されれば間に合わない可能性もある。
豊洲市場の建物は既に完成しており、延期する場合は、契約により1日計約700万円と試算される電気・水道料金などの支払いに加え、移転準備を進めている市場関係者への補償が発生することも想定される。【柳澤一男、川畑さおり】