京佳
ドラマチックでエモーショナルな物語。感情移入して味わう世界観
夢アドの最年少メンバー、現在高校2年生の京佳。インタビューでは「ストーリーも大事ですけど、一つ一つの描写を結構大事にしているような、絵が美しいマンガが好き」と語ってくれたが、取材の冒頭に差し出してきたのは1980年代の名作『ホットロード』だった。
—— 『ホットロード』が出てきてビックリしたんですけど。世代ではないですよね。
京佳 今高校2年生なんですけど、中学1年生の時に読みました。
—— 何がきっかけで?
京佳 お父さんですね。
—— お父さん的には世代ですよね。
京佳 何か面白いマンガないかなと思って、お父さんに「好きだったマンガない?」って聞いたら、これ面白いよって『ホットロード』が出てきて。私、小さい時はマンガにぜんぜん興味がなかったんですよ。逆にお兄ちゃんはマンガが好きで、家の階段のところに本棚があって、そこに男の子が読むようなマンガがたくさん置いてあって。『ONE PIECE』『名探偵コナン』は全巻揃ってるし、『グラップラー刃牙』『土竜の唄』みたいなのもあるし、そういうのは興味なくて読んでなかったんですけど、『ホットロード』を見て泣きましたね。
—— 春山(春山洋志)ね。
京佳 そう、春山。やばかったなあと思って。和希(宮市和希)との関係もドキドキでした。昔のマンガだから絵も結構シンプルだし、マンガ初心者としては読みやすい。あとは江の島の街ですよ!
—— 江ノ島が舞台なんですよね(笑)。
京佳 私、江の島が大好きなんですよ。湘南とか江の島が大好きで、この前も江の島に1泊2日で旅行に行ったんです。
—— 『ホットロード』が入口で、その後は少女マンガに進まなかったんですか?
京佳 いや、少女マンガには行かなかったです。最近は『クズの本懐』っていうマンガが面白かったですね。
—— 『東京喰種トーキョーグール:re』はどういうきっかけで?
京佳 『東京喰種トーキョーグール』を知ったのはアニメだったんですけど、その設定にすごく惹かれました。人間の世界に、見た目は人間の喰種(グール)っていう怪人がいて、コーヒーを飲むか、人間を食べるしかなくて、そうしないと生きていけないんです。ただ、喰種たちも喰種として生まれたいと思って誕生したわけじゃないから、その背景にはすごく複雑なものがあって。金木研っていう主人公が恋した女性も喰種で、その彼女が金木くんを食べるためにデートに誘うんです。で、まんまと食べられちゃうんですけど、半分くらい食べられたところで彼女が事故に遭って、金木くんが半分喰種・半分人間になってしまう。
—— 好きなキャラクターは誰ですか?
京佳 鈴屋什造っていうキャラで、この子ほんとは心がなかったんですけど、篠原特等っていう上司のおかげで心が蘇るんです。篠原さんは什造のことを子供みたいに思ってたんですよ。いい話なんですよね。アニメも面白かったんですけど、マンガだと印象がやっぱり変わります。グロさもあるけど、すっごい切なくて感動するのでオススメです!
荻野可鈴
絶対に恋が実らない男子が好き。登場人物に自分を重ね合わせる乙女心
夢アドのリーダーとして、ステージ上ではいつも賑やかな荻野可鈴。「私、マンガのヒロインになりたい。マンガの世界のキャラクターにちやほやされたい」と語るように、彼女特有の楽しみ方があるそうだが、マンガとは適度な距離感を持って付き合うタイプだと言える。
—— まず選んでもらったのは『亜人』です。どこが気に入ったんですか?
荻野可鈴(以下、荻野) 最初に知ったのは、アニメを朱莉(山田朱莉)と2人で見たからなんですけど、私は普段こういう男の人が読むようなマンガをあんまり見たことがなかったので、ちょっと新境地だなと思って。とにかく内容が凄くて強烈でした。戦いのシーンもあまり得意な方ではないんですけど、この作品はすんなり受け入れられて面白かったです。
—— 子供の頃はどんな感じでマンガと接していたんですか?
荻野 皆と同じように『ちゃお』を毎月買ってもらってました。すごく好きで、毎月の楽しみだったんですよね。お姉ちゃんは『なかよし』を買ってたんですけど、マンガの世界に深く入り込む方ではなかったです。割と外で遊んでる子だったから。
—— アクティブだったんですね。
荻野 地元が山梨だったんですけど、外でバスケしたり鬼ごっこしたり、一輪車に乗ったりとか、外でずっと遊んでましたね。原始人みたいな感じでした(笑)。
—— 『ラブ★コン』はその頃に読んでいたマンガ?
荻野 そうですね。小学生の頃に読んでたんですけど、実写化もされたので、私にしては珍しく内容も覚えてます。覚えてるといってもアバウトなんですけど、主人公の女の子の背が大きくて、男の子の背が小さいっていう、見た目からしてアンバランスな2人がすごく仲良しっていう話なんです。私は昔から背が小さかったので、『ラブ★コン』を読んで身長高くなりたかったんですけど、結局なれなかったです(笑)。でも、どうせ付き合うんだったら相手よりも背が高い方がいいと思ってたのは、よく覚えてます。
—— 主人公の小泉リサが172センチ、男の子の大谷敦士は156.2センチと書いてありますね。
荻野 大谷くん、ヘラヘラしてなくて、ムードメーカー的存在なんですよ。少女マンガの世界って、主人公が好意を寄せる男の子は身長が高くて完璧なルックスで、最近で言うと壁ドンできるようなタイプじゃないですか。私の場合、そういう男の子よりは、その次に位置するキャラクターで絶対に恋が実らない男子の方が好きなんです。そのルーツになっているのが、大谷くんですね。好きな子を譲っちゃう感じの男の子。真ん中にいる役より、端っこにいる役の方が好きです。
—— この人の魅力を分かってるのは自分だけ、みたいなのもあるんですかね。
荻野 クールな人って普通にかっこいいじゃないですか。当たり前のようにかっこいい人もいいけど、ムードメーカーでわきゃわきゃしてる人がふいに見せる優しさが好き(笑)。ただ、マンガだったら……ですよ、皆さん! 現実で壁ドンとかされたらヤダもん。
志田友美
夢アドの最終兵器、しんちゃんと友蔵に共感。小学生の頃から変わらぬ純粋さ。
取材中、筆者の地元にある「ちびまる子ちゃんミュージアム」の話をすると、身を乗り出して反応していた志田友美。彼女のマンガへの興味はシンプルで、『ちびまる子ちゃん』か『クレヨンしんちゃん』のどちらかなのである。
—— 志田さんが選んだのは『ちびまる子ちゃん』『クレヨンしんちゃん』、両方ともお茶の間でお馴染みの作品ですね。
志田友美(以下、志田) この2つは、昔からおばあちゃんの家の本棚にあって、それを小っちゃい頃から読んでたって感じです。私自身が子供っぽいからだと思うんですけど、子供でも楽しめるような分かりやすいマンガが好きですね。『ちびまる子ちゃん』は、登場人物が好きです。
—— 誰が好きですか?
志田 友蔵(さくら友蔵)! 私、友蔵の頭の形がすごく好きなんですよ。昔の友蔵が一番好きなんです(笑)。昔の方がしょうもないネタが多かった気がするし。『ちびまる子ちゃん』の朗らかな感じに昔はすごく憧れてました。
—— 『クレヨンしんちゃん』は?
志田 しんちゃんはモノマネができるっていう最大の理由があるんですけど、マンガもアニメも好きで両方見ます。しんちゃんと私、そっくりなんですよ。
—— どのへんが似てるんですか?
志田 言葉を言い間違えたり、「太もも~」とか言ったり、すぐいたずらしちゃったりとか。しんちゃんにはすごく親近感を感じてます。
—— 中学生くらいになってくると、少女マンガを読み始めたりとか、クラスの中でマンガを貸し借りしたりとか、そういうふうにはならなかったの?
志田 ほんとそういうのとは無縁でしたね。そもそも本自体、あまり読んでなかったので。だからこんな感じなんだと思うんですけど(笑)。
—— そういえば、夢アドはこないだまでタイのコミコン知ってますよ。に行ってたんですよね。日本のマンガやアニメが好きな人も現地にはたくさんいるんじゃないですか?
志田 そうですね。やっぱりコスプレイヤーさんが多くて、日本のマンガやアニメのコスプレが人気です。こないだ見たのだと、おでんくんが一番印象に残りました。おでんくん、知ってますか?
—— 知ってますよ。
志田 良かったぁ……。タイでも人気あるんだと思って、ステージ上でおでんくんの話を出したら、思いきりスベったんですよ(笑)。そのスベり具合が凄まじくて、トラウマになるくらいだったんですけど、おでんくんの着ぐるみは超可愛かったです。
—— でも誰も知らなかったという(笑)。
志田 はい。ほんとに恥ずかしかった。
—— 思いきって自分でマンガを描いてみるという発想は?
志田 いや、ほんとにセンスがなくて……絵のセンスが小4で止まってるんですよね。ほんと小学生が描く絵みたいになっちゃう。
—— でも、小学生の時のピュアな感覚を志田さんが今も持ち続けてるってことじゃないですか。
志田 ありがとうございます。一応持ち続けてます(笑)。
↓ 夢みるアドレセンスの記事詳細は、雑誌『honcierge(ホンシェルジュ)』でご覧いただけます。メンバー5人それぞれの世界観を、漫画家・山科ティナ先生が描きおろしたコラボ・ビジュアルは、とにかく素敵。必見です。