イタリア地震 捜索続く 被災者の体調管理が課題に

イタリア地震 捜索続く 被災者の体調管理が課題に
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今月24日に起きた地震で、これまでに291人が死亡したイタリア中部の被災地では、行方がわからない人たちの捜索が続けられている一方、昼と夜の気温の差が大きい中、住まいを失いテントなどでの避難生活を強いられている人たちの、体調の管理なども課題になっています。
イタリア中部で今月24日に起きた地震では、アマトリーチェなど4つの町で、これまでに291人の死亡が確認されています。
このうち最も被害の大きかったアマトリーチェでは、一部の住民の行方がわかっていないうえ、当時町を訪れていた観光客の中にも、倒壊した建物の下に取り残された人がいる可能性があるとして、捜索活動が続けられています。

一方、山あいにある被災地では、日中は気温が30度近くまで上がるものの、夜間は10度余りにまで下がり昼夜の気温の差が大きい中、住まいを失ったおよそ2500人がテントなどでの生活を強いられています。
避難生活を続ける人たちからは「夜間は寒い」との声が上がっており、子どもやお年寄りの体調管理なども課題になっています。

また、被災した人たちは、政府や地元自治体から、今後の住まいなど生活再建に向けた情報が十分に示されていないとして、不安を募らせています。
27日に被災地の近くのアスコリ・ピチェーノで行われた犠牲者の国葬に参列し、みずからも家を失ったという男性は「家の再建など、どう復興できるのかわからない」とぼう然とした様子で話していました。

救援物資輸送へ う回路の建設進む

今回の地震で大きな被害を受けたアマトリーチェに救援物資などを運ぶために使われていた橋の一部が余震で崩れ、車が通れなくなったことを受け、う回路の建設が急ピッチで進められています。

う回路は、崩れた橋から数メートル離れた場所に造られる予定で、現場では27日、作業員が木を切ったり建設用の大型機械で斜面の土を掘ったりする作業などが行われました。
工事は休みなしに続けられていて、緊急対応チームの技術者は「十分に準備する時間もありませんでしたが、大急ぎで進めています」と述べ、できるだけ早く通行できるようにしたいとしています。