トルコのjarablus 作戦は、域内最強のトルコ軍が関係した以上、これまでのISとの戦い(例えばkobaneとかmanbij )のように、長期戦化することはない、とは思っていましたが、それにしても作戦開始から24時間以内で、jarablus 及びその周辺のIS拠点の複数の村落を占拠し、IS戦闘員を追放したのには、正直驚きました。
矢張り、これまでの有志連合の継続的なラッカに対する空爆、manbijの喪失に加えて、イラクでもISに対する攻撃が進展しているために、ISの戦闘能力とそれよりも戦意が低下していたのかもしれません。
何しろ、今回はトルコ軍は(報道によれば戦車20台、装甲車も同程度を送り込んだ・・・・もちろん、トルコ紙によればイスタンブール等から更に増援の戦車、装甲車が国境地帯に到着しつつあるが)航空機、戦車、特殊部隊等の介入はあっても、トルコ地上兵力の大規模介入やトルコ軍とISとの戦闘と言うのは、報じられておらず、地上部隊の主力は5000めい(または2000〜1500)とされる、自由シリア軍だったので、これまでのISの戦いであれば、市街戦に持ち込んで、自爆車や狙撃兵、地雷等を多用して、最後まで抵抗したはずです。
特にjarabulus がトルコ国境で、ISに残された最後の拠点とされていたことからも、この急速な崩壊は意外でした。
また地上部隊の主力はトルコ軍に訓練された自由シリア軍とのことですが、彼らがこれまでISや政府軍等を相手に激しい戦闘をした歴戦の部隊というはなしは聞いたことがなく、その点では好き嫌いは別として、イスラム主義の諸グループや旧ヌスラ戦線の部隊とは、戦闘能力で格段の差があるだろうと思います。
それに対してISが今回はあっさりと24時間もしないうちに、その重要拠点から駆逐されてしまったのです。
戦闘の前までは、自由シリア軍とYPGがどちらが先にjarablus を取るかの競争だとされてきましたが、今回はYPGは初めからユーフラティス川を渡らなかった模様ですが、その背景に確かバイデン副大統領が、トルコで、米国はYPGに対してユーフラティス川を渡らないように警告し、仮に渡れば米国の支援を失うであろうと警告したと語っている由です。
米国もYPGを対ISの同盟者として、トルコの意向に反して支援してきましたが、今回のようにトルコと正面から衝突する可能性のある場面では、米国も流石にYPGを支援できず、逆にYPGにその作戦を思いとどまらせたと言うことです。
まあ、これは考えてみれば、ある意味では当然の流れで、トルコにとってクルド勢力がこれ以上その国境地帯で勢力を伸ばすことが、国家安全保障上の問題とされている以上、ISと言う限定された相手相手の同盟者である、米国がトルコとの衝突を覚悟してまで、YPGを支援するはずはありませんでした。
更に、ロシアとの関係についても、トルコと言うかエルドアンにとって、好都合だったことは、このトルコの攻撃がエルドアンのロシア訪問に始まるロシア・トルコ関係の大幅改善の後に起きたことです。
ロシアも、トルコのシリア領内への攻撃に懸念を表明しましたが、現在のところ、安保理開催を求めるとか、トルコに対する経済制裁を強めるとか、高等の懸念表明以上の行動に出る気配はありません。
ある意味ではロシアも黙認したということになりそうです。
その意味では、米国もロシアもトルコがIS拠点を潰したことでは、共通の利害を有しているのかもしれません。
このような状況を指して、al jazeera net は2の記事を載せて、jarablus 攻略は、北シリアにおける力のバランスを変え、現地情勢に新しい局面をもたらしたと報じています。
しかし、現在のところの状況ではそこまで言い切ることは難しく、今後の状況の進展ぶり
たとえばトルコが自由シリア軍を使って、jarablus 周辺の占領地をさらに拡大していくのか
隣接する政府軍支配地域にも手を広げるのか
それよりも、トルコの主張する安全保障の観点からmanbij等のYPGに対しても圧力を加えるのか
等の状況を見る必要があると思います。
この点でエルドアンが2〜3日前に、トルコは数週間内に、シリアに対してより積極的な政策をとると語っていたことが想起されますが、もしかすると、それは軍事的な動きと合わせて外交的な動き(確かトルコは従来からのアサド排除方針を若干変更して、政治解決の入り口ではアサド政権は当然話し合いの相手の一人になるが、出口ではアサドの役割はない、と言う立場をとっていると思う)を意味するのかもしれません。
その意味では、力のバランス云々はともかく、シリア情勢がまた大きく動き出す可能性が出てきたような気もします。
http://www.aljazeera.net/news/reportsandinterviews/2016/8/24/جرابلس-معركة-التوازنات-والخرائط-الجديدة
http://www.aljazeera.net/news/arabic/2016/8/24/قلق-روسي-ودعم-أميركي-للعملية-العسكرية-بجرابلس
http://www.hurriyetdailynews.com/as-it-happened-turkish-military-coalition-forces-launch-euphrates-shield-operation-in-jarablus.aspx?pageID=238&nID=103175&NewsCatID=352
現時点で何か言うのはまさに時期尚早かもしれませんが、取り敢えず
矢張り、これまでの有志連合の継続的なラッカに対する空爆、manbijの喪失に加えて、イラクでもISに対する攻撃が進展しているために、ISの戦闘能力とそれよりも戦意が低下していたのかもしれません。
何しろ、今回はトルコ軍は(報道によれば戦車20台、装甲車も同程度を送り込んだ・・・・もちろん、トルコ紙によればイスタンブール等から更に増援の戦車、装甲車が国境地帯に到着しつつあるが)航空機、戦車、特殊部隊等の介入はあっても、トルコ地上兵力の大規模介入やトルコ軍とISとの戦闘と言うのは、報じられておらず、地上部隊の主力は5000めい(または2000〜1500)とされる、自由シリア軍だったので、これまでのISの戦いであれば、市街戦に持ち込んで、自爆車や狙撃兵、地雷等を多用して、最後まで抵抗したはずです。
特にjarabulus がトルコ国境で、ISに残された最後の拠点とされていたことからも、この急速な崩壊は意外でした。
また地上部隊の主力はトルコ軍に訓練された自由シリア軍とのことですが、彼らがこれまでISや政府軍等を相手に激しい戦闘をした歴戦の部隊というはなしは聞いたことがなく、その点では好き嫌いは別として、イスラム主義の諸グループや旧ヌスラ戦線の部隊とは、戦闘能力で格段の差があるだろうと思います。
それに対してISが今回はあっさりと24時間もしないうちに、その重要拠点から駆逐されてしまったのです。
戦闘の前までは、自由シリア軍とYPGがどちらが先にjarablus を取るかの競争だとされてきましたが、今回はYPGは初めからユーフラティス川を渡らなかった模様ですが、その背景に確かバイデン副大統領が、トルコで、米国はYPGに対してユーフラティス川を渡らないように警告し、仮に渡れば米国の支援を失うであろうと警告したと語っている由です。
米国もYPGを対ISの同盟者として、トルコの意向に反して支援してきましたが、今回のようにトルコと正面から衝突する可能性のある場面では、米国も流石にYPGを支援できず、逆にYPGにその作戦を思いとどまらせたと言うことです。
まあ、これは考えてみれば、ある意味では当然の流れで、トルコにとってクルド勢力がこれ以上その国境地帯で勢力を伸ばすことが、国家安全保障上の問題とされている以上、ISと言う限定された相手相手の同盟者である、米国がトルコとの衝突を覚悟してまで、YPGを支援するはずはありませんでした。
更に、ロシアとの関係についても、トルコと言うかエルドアンにとって、好都合だったことは、このトルコの攻撃がエルドアンのロシア訪問に始まるロシア・トルコ関係の大幅改善の後に起きたことです。
ロシアも、トルコのシリア領内への攻撃に懸念を表明しましたが、現在のところ、安保理開催を求めるとか、トルコに対する経済制裁を強めるとか、高等の懸念表明以上の行動に出る気配はありません。
ある意味ではロシアも黙認したということになりそうです。
その意味では、米国もロシアもトルコがIS拠点を潰したことでは、共通の利害を有しているのかもしれません。
このような状況を指して、al jazeera net は2の記事を載せて、jarablus 攻略は、北シリアにおける力のバランスを変え、現地情勢に新しい局面をもたらしたと報じています。
しかし、現在のところの状況ではそこまで言い切ることは難しく、今後の状況の進展ぶり
たとえばトルコが自由シリア軍を使って、jarablus 周辺の占領地をさらに拡大していくのか
隣接する政府軍支配地域にも手を広げるのか
それよりも、トルコの主張する安全保障の観点からmanbij等のYPGに対しても圧力を加えるのか
等の状況を見る必要があると思います。
この点でエルドアンが2〜3日前に、トルコは数週間内に、シリアに対してより積極的な政策をとると語っていたことが想起されますが、もしかすると、それは軍事的な動きと合わせて外交的な動き(確かトルコは従来からのアサド排除方針を若干変更して、政治解決の入り口ではアサド政権は当然話し合いの相手の一人になるが、出口ではアサドの役割はない、と言う立場をとっていると思う)を意味するのかもしれません。
その意味では、力のバランス云々はともかく、シリア情勢がまた大きく動き出す可能性が出てきたような気もします。
http://www.aljazeera.net/news/reportsandinterviews/2016/8/24/جرابلس-معركة-التوازنات-والخرائط-الجديدة
http://www.aljazeera.net/news/arabic/2016/8/24/قلق-روسي-ودعم-أميركي-للعملية-العسكرية-بجرابلس
http://www.hurriyetdailynews.com/as-it-happened-turkish-military-coalition-forces-launch-euphrates-shield-operation-in-jarablus.aspx?pageID=238&nID=103175&NewsCatID=352
現時点で何か言うのはまさに時期尚早かもしれませんが、取り敢えず