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大規模コンサートに感染者 2次感染可能性を警告

麻疹感染者が参加した大規模コンサートがあった幕張メッセ=千葉市美浜区で、本社ヘリから後藤由耶撮影

 千葉市の幕張メッセで14日に開かれた人気外国人アーティストのコンサートに、麻疹(はしか)に感染していた男性が参加していたことが判明。潜伏期間の10日が経過し、接触者に症状が表れる可能性があることから、国立国際医療研究センター国際感染症センターが24日、関係各都県の医療機関などに注意を呼び掛けた。

     患者の男性は兵庫県西宮市在住で、同市の発表によると発症の10日以内にインドネシアのバリ島を訪れていた。9日に39度を超える発熱があり13日以降、全身に発疹が表れた。その状態で13〜15日に神奈川県と東京都内を訪問、14日には千葉市の幕張メッセであったコンサートを観賞していたという。主催者によると、同日のコンサート参加者は約2万5000人だったという。19日に西宮市内の医療機関で麻疹と診断された。また、患者の男性の同居家族3人も発症が確認されている。

     国立感染症研究所によると、麻疹は空気感染、飛沫(ひまつ)感染、接触感染などさまざまな経路で感染。免疫を持たない人がウイルスに触れると90%以上が感染する。10〜14日の潜伏期間を経て38度前後の発熱が2〜4日続いた後、39.5度以上の高熱と共に全身に発疹が表れる。中耳炎や心筋炎などの合併症を発症することがある。さらに、まれに中枢神経系合併症を起こすことがあり、うち20〜40%に後遺症が残るという。また、幼児期に感染後、学童期になってから「亜急性硬化性全脳炎(SSPE)」という、進行性で致死的な中枢神経疾患を起こすこともある。

     治療は対症療法以外ない。ワクチンを2回接種すれば95%は免疫ができる。ところが、国内での1歳児のワクチン接種率は約50%しかなく、感染の可能性がある人は全国に約300万人いると考えられている。

     初期症状が風邪に似ていることから、風邪として医療機関を受診した場合には2次感染の恐れもある。このため、同センターは旅行経路にある医療機関に対し、24日以降に発熱などで受診する患者には注意するよう呼び掛けている。【医療プレミア編集部・瀬上順敬】

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