外相が会談…対北朝鮮で連携
岸田文雄外相と中国の王毅外相、韓国の尹炳世(ユン・ビョンセ)外相は24日、東京都内で会談した。北朝鮮が同日早朝に日本海に向けて潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)とみられるミサイル1発を発射したことを受けて北朝鮮情勢を協議。3カ国で連携して国際社会の取り組みを主導するとともに、国連安全保障理事会の制裁決議の順守を求める方針を確認した。成果文書は発表しなかった。
会談では3カ国が北朝鮮の核・ミサイル開発を容認しない方針で一致。岸田氏は会談で「本日のミサイル発射は断じて容認できず、3カ国で国際社会の取り組みを主導すべく連携したい」と呼びかけ、尹氏も「核・ミサイルの脅威には団結が重要だ」と応じた。王氏は共同記者発表で北朝鮮の核・ミサイル開発への反対姿勢を改めて示した上で、「朝鮮半島情勢の緊張を引き起こすいかなる言動にも反対する」と述べた。
また、環境や防災面の協力促進や、3カ国で交渉中の自由貿易協定(FTA)の推進についても確認した。日本が年内開催を目指す日中韓首脳会談についても意見交換し、3カ国が開催に向けて協力することを確認した。共同記者発表では、3カ国の連携について岸田氏が「隣国ゆえのさまざまな懸案を乗り越え、協力することが重要だ」と意義を強調。王氏も「歴史を直視し未来に向けた精神で妨害を排除し、安定的に発展すべきだ」と述べた。
日中韓外相会談は2007年から各国の持ち回りで行っており、昨年3月にソウルで開催して以来。午後には日中、日韓の個別会談を予定しており、岸田氏と王氏の会談では、沖縄県・尖閣諸島周辺で今月上旬に相次いだ中国公船による領海侵入の問題で岸田氏が改めて強く抗議し、再発防止を求める方針だ。【小田中大、米村耕一】