日本株は続伸、米利上げ観測で円安好感-内需関連中心に輸出も堅調
- 陸運や建設、小売など上げ目立つ、ゴム製品や輸送用機器も高い
- 東証1部売買代金は4営業日ぶり2兆円割れと低調
22日の東京株式相場は続伸した。米金融当局の要人発言を受けて米利上げ観測が高まり、為替市場でドル高・円安が進んだことが好感された。陸運や建設、小売、サービスなど内需が総じて高くなったのをはじめ、ゴム製品や輸送用機器など輸出関連も買われた。
TOPIXの終値は前週末比8.01ポイント(0.6%)高の1303.68、日経平均株価は52円37銭(0.3%)高の1万6598円19銭。
三菱UFJ国際投信の小西一陽チーフファンドマネジャーは「市場では米国の年内利上げはないという向きが主流だったが、それを修正するような金融当局者の発言がでて、揺り戻しがでている。米景気は総じて堅調で、利上げは年内1回ある」とみる。ただ、1ドル=100円をはさんだ足元の水準としては「企業業績に与える影響が大きく、上値は重い」と話す。
米連邦準備制度理事会(FRB)のフィッシャー副議長は21日、米経済が既に金融当局の掲げる目標の達成に近づいており、成長が今後勢いを増すだろうと述べた。
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きょうのドル・円相場は朝方からドル高・円安方向で水準を切り上げ、1ドル=100円90銭台と3営業日ぶりのドル高・円安水準を付けた。19日の日本株市場の終値時点では100円26銭だった。
一方、日本銀行の黒田東彦総裁は日銀が9月20、21日の金融政策決定会合で行うとしている「総括的な検証」を踏まえ、その時点の経済・金融情勢を議論し、必要な場合には躊躇(ちゅうちょ)なく追加的な緩和措置を講じる可能性は十分あると述べた、と20日付の産経新聞朝刊がインタビュー記事で報じた。SMBC日興証券の丸山義正チーフマーケットエコノミストらは22日付リポートで、追加緩和へ踏み切る可能性があるとの指摘は、毎回の決定会合に当てはまる一般論に過ぎず、緩和予告ではないと指摘し、過度に重視してはいけないとの見方を示した。
ただ、東証1部売買代金は1兆6279億円と、先週15日の1兆5701億円以来の低水準となった。「まだ海外投資家は夏休み中。また、日米の金融政策に不透明感があり、手控えムードとなっている」と三菱U国際投信の小西氏はみていた。
- 東証33業種では、その他製品、陸運、建設、ゴム製品、電気・ガス、サービス、小売、その他金融、化学、倉庫・運輸など26業種が上昇。鉱業、保険、鉄鋼、繊維など6業種は下落。銀行は変わらず。東証1部の売買高は14億819万株。上昇銘柄数は1412、下落は446。
- 売買代金上位では、任天堂、ファミリーマート、JR東日本、ブリヂストン、JR西日本、三井化学、大林組が高く、海外大手パネルメーカーからの受注を発表したブイ・テクノロジーは午後急伸。半面、三菱UFJフィナンシャル・グループ、キーエンス、クボタ、京セラ、国際石油開発帝石が安く、公募増資を行う日本水産は大幅安。