2016-08-18 18:58:19

Yahoo!トップ『モルヒネに代わる「副作用のない」鎮痛薬を開発か』の誤り 右から左は止めて

テーマ:医療
Yahoo!トップにがっかりする記事が。誤解を招くこと極まりないです。Yahoo!さん、時事通信さん、どうしたのですか?



モルヒネに代わる「副作用のない」鎮痛薬を開発か、研究



AFPはフランスの通信社なのですが、まるでオピオイドを使いすぎ大国アメリカの乱用者に向けたかのような変な記事。



新しい痛み止めが開発されるのは良いことですが、モルヒネへの記載に偏りは著しい。



「モルヒネなどのオピオイド系鎮痛薬は強い副作用があるため、非常に危険で中毒性が高いとされている」


危険で中毒性が高いって・・・それは少なくとも、医師の指示に従わないで、勝手に(快楽目的で入手して)使う時の話ですよね? というくらい変。


がんの患者さんは中毒にならないことの紹介はひと言もない。しかも正当な方法に則る限り、「非常に危険」という表現はまずあり得ない。



「モルヒネや、オキシコドンやオキシコンチンなどの処方薬とは異なり、正常な呼吸を減速したり阻害したりする可能性のある」


通常の使用をする限り、呼吸を減速しません。まるで頻度が多いかのように感じる一文。せめてもう少し注釈できないものなのか。



「オピオイド類による呼吸の抑制により、米国だけで毎年約3万人の死者が発生している。米国では、オピオイドの使用と乱用がまん延のレベルにまで達している」


アメリカは濫用大国です。日本の、そのような状況になっていない、という説明はなし。アメリカは偏っており、日本とはまったく状況が異なります。



「マウスはモルヒネや処方鎮痛薬に対して、人間と同様に容易に中毒になる」


痛みがないマウスに使えばそうですよね。炎症性の痛みがあったらそうならないことはわかっています。


この謎のオピオイド「下げ」は何なのでしょうか? 


がんの場合など、炎症性の痛みや神経からの痛みの場合に、中毒や依存にならず、正当な方法なら普通は呼吸抑制にならず、痛みだけ取り去れる(ただ便秘だけは出る)のは、少なくともこのような記事を書く記者には押さえておくべき情報でしょう。だから元記事の(原文は読んでいませんが)質もあまり良くない。


またいかに海外記事の紹介とはいえ、時事とYahoo!もこのように右から左へ流し、Yahoo!トップに載せてしまう、今現在がんの治療で医療用麻薬を使用している人への影響も少し考えて、もう少し科学的にまともな内容にしてほしいものです。


というわけで、この記事は間違っていますので、話半分に読みましょう。


いつ使えるようになるかわからない新薬よりも、今がんの患者さんへの使用法が確立しているモルヒネやオキシコンチンをより良く理解し、正しく使われることのほうがずっと重要で、この記事は残念ながら逆効果です。


あとコメント欄の声なのですが、そう、終末期の終わり(余命日にちの単位)の「身の置き所がない」ような苦しさにはモルヒネやオキシコンチンなど医療用麻薬は効きません。


苦しそうなお顔をするので、痛みに見えますが、これは痛みとは別種の苦痛であることが多く、モルヒネやオキシコンチンは無効です。


ゆえに余命数日に人の苦しそうな様子に、機械的に(痛みと捉えて)医療用麻薬を出すことも間違っています。それでは苦痛は取れません。


そのような際は、ミダゾラムというような鎮静薬が適応となります。使うべき時に使い、効かない症状にはむやみに使わない、そのように対応するのが大切です。


記事の内容に戻りますが、いくら頑張ってもこのように覆いかぶさるように誤読を招く記事が出て、がっかりします。


あきらめないで、都度、正しいことをお伝えしてゆくことが大切ですね。


読者さんの皆さんもどうかお力をお貸しください。よろしくお願いします。



付記;元記事はかなり読まれているようで、ツイートも皆さんされています。案の定、記事の内容をそのまま信じてしまわれている方も多いようです。さすがに看過できず、当該記事(Yahoo!)のコメントに書き込みましたが、焼け石に水なのが悔しいです。

せめてコメント欄のトップに表示される「専門家」「有識者」だったら一番上に表示できるのでまだ見てもらえますが。ここをご覧の皆さんでその資格を持っている方がいたらぜひ書いて頂ければと思います。

なぜいつまで経っても、このように誤った記事が作られ、流されるのか。影響力があるメディアはもう少し科学や医学に対して理解し、慎重な姿勢もまた持ってほしいものです。



付記2;冷静な反応もありますが、「夢の薬」的な反応もあるようです。このような実験段階の薬剤に、まだどんな副作用が起こるかもわからないのに、開発チームの言っている良いことだけを信じるのもまた思うツボです。

メディアだけがリテラシーを試されているのではなく、私たちも、このように大手ポータルサイトや大手メディアでたびたび出てくる「まだ実験段階」の成果についてどのように捉えるかを試されています。



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