食欲より睡眠欲が強い。
毎日ギリギリまで寝ているため、朝ごはんをいつも抜いている。
という、社会人は、まぁ結構いらっしゃるのではないでしょうか。かくいう私もその一人で、ここ数年朝ごはんを食べていません。でもこんなステキな朝ごはんがあるなら早起きしたいな!と、めずらしくアグレッシブに思ったのが、本作『おしゃべりは、朝ごはんのあとで。』です。
「引きこもりの漫画家が、おいしい朝ごはんを食べに西へ東へ出かけていって、レポする漫画にしましょう。自腹で。」という編集さんとの打ち合わせで始まった本作。ぶったまげることに第一回目から自腹でパリに行きます。(編集さんは「遠いし高いし」ということで同行せず。えええ…)。
そしてパリで朝7時に起床して、パティスリーラデュレ(ボナパルト店)へ。9時半頃に到着したところすでに満席で30分待ち。すごいぞラデュレ。そして出てくるモーイングセット&フレンチトースト。
うわー、うわー!ヨーロッパだ!(語彙力ゼロ)
お店ならではの朝食です。カトラリーもすごくすてき。「ラデュレ モーニング」で検索したら、内装もものすごくステキでした。これは朝からテンションあがります。作中で描かれている「甘いものばっかりなのに、飽きずにいくらでも食べられる。不思議」との感想が、さらに食べてみたい欲を煽ります。
そう、この漫画はおいしい朝食の紹介もさることながら、秀良子先生のとにかく素直でかわいらしい感想も見所の一つです。
例えばその後のパリを観光する様子も、
パリ三日目の朝、ルーブル美術館にある「カフェマルリー」のモーニングに対してこんぼうですよ!
その後も、創業400年の京都の老舗料亭で朝がゆ、築地市場の食堂で魚料理、沖縄でパンケーキ、千葉の築300年のお屋敷の御膳、編集さんが「人生でいちばんおいしいソフトクリームかも!」と絶賛したピーナッツソフトクリーム、名古屋のエビフライサンド、東京パンめぐり、リトル韓国赤坂、憧れのハワイ(こちらは読者からの陳情で自腹ではなくなった)、高級ホテルビュッフェ、讃岐うどんめぐり、キャンプで豚の丸焼き、北海道、横浜中華街、文豪が宿泊した老舗ホテル、ニューヨーク(こちらも自腹外)などなど、沢山紹介していきます。しかも食事だけでなく、その土地ならではの観光場所の紹介もあり、もうまるっとルートをまねして旅行に行けるほど。
ちなみに話の最後にはいつもきちんと自腹額が記載されています。おおう…。
厚生労働省の調査結果では朝食抜きのことを「朝食欠食」と書いてました。こう書かれるとなんかとても危機感を覚えますね。
(『平成26年「国民健康・栄養調査」の結果』厚生労働省発表 平成27年12月9日発表)
タニタを始め色々なところで「やっぱり朝ごはんは食べた方がいいよ!」的なことも書いてありますので、やっぱり朝ごはんは食べようかな…。秀先生がこんなにおいしそうに食べていらっしゃるし。手始めに作中に描かれてたパレスホテル東京のモーニングとか…。と思ったんですが、¥4,800なんですよね。うぐぐ(と思っていたらマンガHONZレビュアーの上原大明神が「朝食一緒に行きましょう」って言ってくださったので今度行きます)。
でもこれを読むと、朝食という、1日の始まりを豪華にすることで得られる多幸感ときたら、何者にも代え難いのではないかしら?という風に思いました。飢餓状態で人と接するより、満腹のほうが多分人に優しくできますしね。優しさは胃袋から発生するものなのかもしれません。究極のライフハックは朝食の充実から。
「同じ値段だったら夕食より朝食にかけたほうが絶対おいしいもの食べられるんですよ。」とGoogleの中の人も言ってました。うむ、やはり、この作品にある朝食を手始めに食べて見よう。
朝食にお金をかけてみたくなる作品。ああ、お腹減った!
オススメです。
BLでも多数のステキな作品を描かれている秀先生。
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