8月12日、セルゲイ・イワノフ大統領府長官がその役職を解かれました。

イワノフ氏はプーチン大統領と同じKGBの出身で、かつて東ドイツに赴任していたというところまでそっくりです。その関係でプーチン大統領とは距離が近かったです。

かねてから「イワノフはいずれプーチンの後の座を狙う」と目されており、2008年にプーチン大統領が三期連続大統領を務めることが憲法の規定で出来なかった際、イワノフを大統領に据える案も浮上しました。実際にはドミートリ―・メドベージェフがその役を務め、イワノフにはチャンスが回って来ませんでした。

このように現在、ロシアでプーチン大統領に次いで実質的に二番目に権力を持った人が、今回、失脚させられたのです。

ロシア連邦保安庁(FSB=KGBの現在の名称)の内部には、プーチンを快く思わない勢力もあり、そのサークルの中にイワノフも加わっていたという説もあります。

この一派は、近年、権力抗争をエスカレートする様子を見せており、プーチンが機先を制してそれを叩いたという風にも解釈できるでしょう。