アーサー王の円卓の騎士にも多くの物語や伝説があります。その中で、今回取り上げるのがガウェイン卿。ガウェインはアーサー王の甥であり、朝から正午までは力が3倍になるという特性をもち、優秀な円卓の騎士として活躍しました。
とても勇敢ですが強情な面や復讐心が強い性格が玉に傷ということですが、ガウェインとラグネルの結婚の話では、がウェインの誠実さと優しさが感じられました。
今回はアーサー王の円卓の騎士の1人である、ガウェンがラグネルと結婚した物語を、自分なりの想像を入れながら書いたシナリオをご紹介いたします。
文中にある、◯◯◯◯、▽▽を考えながら読んでくださいね。
- <アーサー王とガウェインが悪魔騎士と戦っている場面>
- <質問の内容に考え込む、アーサー王。そこにラグネル登場>
- <アーサー王がガウェインにラグネルの話をする>
- <アーサー王とガウェインが悪魔騎士と再会>
- <ガウェインと老婆ラグネルとの結婚>
- <ガウェインとラグネルの生活>
- <ラグネルにかけられた魔法>
<アーサー王とガウェインが悪魔騎士と戦っている場面>
アーサー王:ガウェイン、敵は強いぞ、勝てそうにない。
ガウェイン:止むをえません。要求を聞きましょう。
悪魔騎士:弱い奴らだ。わかった。私が出す質問に正解したら戦いは止めてやろう。もし違っていたら王の座をもらうぞ。1年後にここで答えを聞こう。では言うぞ!私の質問はこれだ!
悪魔:貴様たちに解くことはできるか?1年後を楽しみに待っているぞ!さらば!
<質問の内容に考え込む、アーサー王。そこにラグネル登場>
2人は顔を見合わせ、考え込みました。アーサー王は出された質問についていつも考えていましたが、答えは分かりませんでした。今も馬に乗りながら考えています。
ラグネル:そこの立派な王様、何をそんなに悩んでいるのかい?
アーサー王:はい、私は悪魔騎士に問題を与えられ、正解しないと王の座を奪われてしまうのです。でも答えが全く分かりません。それでとても困っているのです。
ラグネル:それはお気の毒に。この婆やがお役に立てれば有難いです。悪魔騎士はどんな問題を出したのかい?
アーサー王:それは、◯◯◯◯です。
ラグネル:なるほど、なるほど、ふふふ。もし私の答えが役に立ったら、男前のアーサー王の円卓の騎士、ガウェインと結婚させてくれないか?
アーサー王:良いだろう。おまえの言う通りにしよう。
ラグネル:婆やの答えがあっていたら必ず約束は守ってもらうよ。
アーサー王:で、答えは何でしょう?
ラグネル:答えは、「▽▽にさせてもらうこと」だよ。
アーサー王:ほう、そんな答えなのか!良いことを聞いたぞ。ありがとう婆や。あっていそうな気がするよ。早速ガウェインにも話をしよう!
ラグネル:いいかい、約束は守ってもらうよ!
<アーサー王がガウェインにラグネルの話をする>
アーサー王:ガウェイン、答えが分かったぞ!
ガウェイン:やりましたね。王様を尊敬します!王様に不可能なものは有りませんね。
アーサー王:いやいや、そうでは無いんだ。偶然出会った親切な老婆に教えてもらったんだ。
ガウェイン:とても勉強になる答えですね。私も見習いたいと思います。
アーサー王:ところで、ガウェインに相談があるんだ。
ガウェイン:はい、何でも言って下さい。
アーサー:実はかくかくしかじかで、悪魔騎士への答えが正しければ、老婆はガウェインと結婚させて欲しいと要求してきて、私はあっさり認めてしまったんだ。
ガウェイン:えっ、私が老婆と結婚ですか?またご冗談を。老婆はどんな人なのでしょうか?
アーサー:とても親切だったけれで、これまで私が会った人でもっと醜い老婆だったよ。
ガウェイン:んんん、分かりました。私がするべきことは王の命令に従う事です。私は喜んで王に忠誠を誓います。
<アーサー王とガウェインが悪魔騎士と再会>
悪魔騎士:私はこの1年ずっと待ち遠しくしていた。アーサー王、お前が王してふさわしいかここで見極めよう。お前の答えを聞かせておくれ。
アーサー王:答えの準備はできたぞ。
悪魔騎士:いいだろう。前にも言ったとおり、もし答えが間違っていたら、アーサー王とガウェインを牢に入れて殺し、私が王に変身してこの国を統治するだろう。もしお前の答えが合っていたら、私は忠実な家来になりましょう。
アーサー王:分かったそのとおりにしよう。
悪魔騎士:では早く答えを聞かせてもらおう。
アーサー王:女性が男性に心から望むものは?その答えは、『▽▽にさせてもらうこと。』だ。
ガウェイン:悪魔騎士、どうだ答えはあっているか?
悪魔騎士:うむむむむ、見事だ。答えは完璧だ。私はあなたの家来になりましょう。さぁ何なりと命令を私にください。
ガウェイン:良い質問と答えですね。私はいっそうこの言葉を心に持って、人から望まれる人間になりたいですね。
アーサー王:悪魔騎士、あなたの心はもう自由だ。決めるのはあなたの心の中だ。責任を持った行動してもらえれば、後悔しないように行動すればそれでよい。
悪魔騎士:ありがとうございます。わかりました。私は王様に忠誠を誓います。
ガウェイン:偉大なアーサー王バンザイ、バンザイ!
<ガウェインと老婆ラグネルとの結婚>
大衆:英雄ガウェインが結婚するぞ~、ラグネルという老婆と結婚するぞ~さあさあ世紀のイベントだよ~見逃すなよ~
大衆:年の差は50歳くらいあるらしいよ。ラグネルとは凄く醜いらしいよ。
大衆:きゃーガウェイン様、何で結婚するの?やめて~、、、
大衆:ガウェイン卿の趣味は変わっているな。最近の若者の考えていることは判らないねえ~
ラグネル:有名なガウェイン卿と結婚できるなんて、私は幸せ者だなあ。噂に違わず、ガウェインはハンサムな男だこと。これからの残りの人生をたっぷりと楽しめるわい。ふふふふふふ。
アーサー:ガウェイン大丈夫か?ワシの為に犠牲になってしまい済まぬ。
ガウェイン:大丈夫です。王は私の事はお気になさらずに。王様と国の繁栄にお手伝いできれば、私は幸せです。私は王と運命に忠実に従って、喜んで生きるだけなのです
アーサー王:おまえば何と素晴らしい男なんだ。ガウェイン卿、私はお前をとても誇りに思うよ。
ガウェイン:ありがとうございます。王様からそんなお言葉を頂き、とても光栄です。
牧師:あなたはラグネルを妻として一生愛する事を誓いますか?
ガウェイン:はい、誓います
牧師:あなたはガウェインを夫として一生愛する事を誓いますか?
ラグネル:はい、誓います。
牧師:アーメン
大衆:ガウェイン万歳、ガウェイン万歳!
ラグネル:ガウェインよ、お前は優しいのう。
ガウェイン:ありがとうございます。私は誠実な心に従っているだけなのです。
<ガウェインとラグネルの生活>
ガウェインとラグネルは供に生活を始めました。
ラグネル:ガウェインよ、ガウェイン
ガウェイン:お呼びでしょうか?
ラグネル:二階に行きたいので、抱っこして階段を上がっておくれ。
ガウェイン:良いですよ。
ラグネル:お腹が空いたので、食事を食べさせておくれ。
ガウェイン:美味しいですか?
ラグネル:両足が痛いので、さすってくれ。
ガウェイン:まだ痛みますか?
ラグネル:肩と背中が凝ったのでマッサージしてくれ。
ガウェイン:気持ち良いですか?
ラグネル:疲れたので一緒に寝てくれ。
ガウェイン:良いですよ。
ラグネル:ガウェインよ、お前は優しいなあ。
ガウェイン:私はあなたの夫ですから。
<ラグネルにかけられた魔法>
次の日の朝、ガウェインが目を覚ましたら、老婆のラグネルはおらず美しい女性が隣で眠っていました。
ガウェイン:ラグネルはどこですか?貴女はだれですか?どうして私の隣で寝ているのですか?
ラグネル:私がラグネルです。実は私は半日老婆の姿で、半日は若い女性になる特異な身体なのです。
夜になるとラグネルが言った通りに、ラグネルは元の老婆の姿に変わりました。
ラグネル:一つ質問させて下さい。昼と夜、私はどちらが若い女性になったら良いですか?
ガウェインは話を聞いてひどく驚きますが、素直に答えます。
ガウェイン:あなたの好きにして良いですよ。
ラグネルが微笑んだ直後に、老婆の姿のラグネルは急に若い女性に変わりました。
ラグネル:ああ、私にかけられた魔法が解けたようです。これで私はいつも若い女性でいることが出来ます。あなたの優しい答えのおかげです。ありがとう、ガウェイン。
ガウェインとラグネルはとても喜び、幸せに暮らしました。
女性が男性に心から望むものは?その答えは『自由にさせてもらうこと』
男性も女性も、自分の考えを理解してもらい心は自由に生きたいですね。
最後まで読んでくださり有難うございました。