あれは大学生になった時だった。まだ彼女ができたことがなかった僕はいろいろなひとから話を聞いて、「女の子とデートする時は奢らなければいけない、少なくとも多く出さなければいけない。」ということを学習した。
いざ初デートの時に「ここは僕がおごるから。」と自分の中で最大限の格好をつけて言い放った時、「ワリカンでいいよ。」と言われ、わけがわからずただただ呆然と立ち尽くしたことは今でも覚えている。(そしてそれ以降、その女の子との連絡は途絶えた)
別にそれがきっかけで嫌われたわけではないだろうが(昔はいろいろとねじ曲がりまくっていた)、その時奢れば彼女ができるという方程式は見事に崩れ去った。
それ以降、いろいろな人と出会い、デートを重ねていくうちになぜか今度は奢られることが多くなった。大学三年生にもなると短大の女の子の友達は就職し出して小金持ちになる。それにあやかって、当時大学院進学まで決めてほとんどバイトもしていなかった僕はまるでハイエナのように、ことごとく飯をおごってもらうことがとても多くなった。
これ一生ただで生きていけるんじゃない?と勘違いしていた昔の自分ををぶん殴りたい。
社会人になると、今度は男の人が多めに出すことがほぼ確定的になっていた。合コンがあるたびに7:3ぐらいの割合での出費となり、ケチな僕は頭の中で何度も「どうして男ばかり損をするんだ!俺のことなんか全く興味ないくせにお金ばかりに目がいって・・・」と完全な自暴自棄クソ野郎になっていた。
でもよくよく冷静に考えてみると、今まで奢られた金額からして、俺の方が奢ってもらった額は多いのではないか?と我に返って知った。
つまり過去の自分への精算を今していたのである。
別にこんな話をだらだらと書きたかったのではなく、なんの話をしたかったのだろう・・・そう「女の子はおごってもらうことが嬉しいのか?」という話だ。
女の子はおごってほしいのか?
男女共同参画社会と謳われているこのご時世、経済面において男性と女性は対等になってきていることは確か。
ただ、対等になってきている中、「私は自立しているのだから、デートでのお金はワリカンで払いたい!」と心の底から思っている女性は少ないはず。
そして、たとえどれだけ自立していても、男性におごってもらって嫌だと思う女性はいないはず。
女性にとっておごってもらいたいという理由は、「金銭的な援助が欲しいから。」という理由ではない。「私のために」男性がお金を使ってくれている、大切に思われている、という満足感が得られるためだろう。
ここで面白いのが、本当に好きなひと、将来は結婚を考えているほど大切な人ほど、一般的な女性であればワリカンを提示する傾向があるということ。(むしろ結婚を考えているのにワリカンを提示しない女の子はちゃんと考えて!とよく思う)
なぜなら将来一緒のお財布を使うことになるので、そこで男の人に多めに出してもらっても彼の貯金が減るだけで、自分にとって何のメリットも生まれないからだ。
そう、男性諸君は必見です。なぜならこれで相手が脈アリかどうかを調べることができるからです。「いいよ、ワリカンにしようよ」と食い下がってきたら、それは相手が自分にお金を使ってほしくないとアピールしている、つまり脈アリと捉えて良いのではないでしょうか?
逆に「おごってくれないの?」なんて図々しいことを言われたら、それはあなたのことをお金としか見ていない証拠ですよ!そこのあなた、目を覚ましてください!!
以上をまとめると、
・金銭的に奢ってほしいというわけではなく、私のためにお金を使ってくれるという行為に満足する
・将来的に一緒になる覚悟があればワリカンを提示する
これ、奢る流れになったら脈なしで、男性にとってただただ残念だということですね・・・悲しい。
あとがき
ここまでつらつらと書きましたが、奢ってもらえないから不満を持つ人、奢られ体質な人は最近の女性にはあまり見られません。おだてているわけではなく、本当にメンタル面で自立している女性が多いです。
なのでワリカンを提示されたら脈アリと判断するには気が早い気もしますが、自分に好意を抱いているかの指針としては使えそうな気はします。
ワリカンを期待して待っていてもしょうがないので、お会計時にはさっと自分で伝票を持って行って会計してあげましょう。
そのあとに、女性からワリカンの申し出があったら一度は断り、それでもというならお金を頂きましょう。
それが一般的な男性の対応でしょうね。
もっと紳士的な方ならば、女性がトイレ等で席を外した時に会計を済ませてしまうのがめちゃくちゃかっこいいのではないでしょうか?
最近の僕に関して言えば、人に奢るような紳士的な態度を見せる男には程遠く、奢ってくれるという単語を聞きつけるとハイエナのようについて回るという最悪なクソ野郎に落ちこぼれています。
まあ数年後には、女性に食事でお金を払わせない紳士的な男性になっていることは間違いないでしょうけどね。(絶望)