外相 比大統領に尖閣諸島めぐり理解と協力求める

外相 比大統領に尖閣諸島めぐり理解と協力求める
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フィリピンを訪れている岸田外務大臣は、ドゥテルテ大統領と会談し、南シナ海をめぐる問題で支持する考えを伝えるとともに、沖縄県の尖閣諸島周辺で、中国当局の船が領海侵入を繰り返している現状を説明し、日本の立場に理解と協力を求めました。
岸田外務大臣は11日午後、訪問先のフィリピン南部のダバオで、ヤサイ外相に続いて、日本の閣僚としては初めて、ドゥテルテ大統領と会談しました。
この中で、岸田大臣は、南シナ海をめぐる問題は国際法に基づいて平和的に解決すべきだとして、フィリピンの立場を支持する考えを伝えました。
また、岸田大臣は、沖縄県の尖閣諸島の周辺海域で、中国当局の船が領海侵入を繰り返すなど、東シナ海でも中国の海洋進出が活発になっている現状を説明し、日本の立場に理解と協力を求めました。
これに対し、ドゥテルテ大統領は、中国の主張を否定した国際的な仲裁裁判の判断を踏まえて、問題の解決を図るべきだという考えを示し、両氏は、協力関係を強化していくことで一致しました。

フィリピン訪問急いだ背景は

フィリピンは、南シナ海をめぐる国際的な仲裁裁判のあとも、中国への対応に苦慮しています。一方、日本も、中国当局の船が尖閣諸島周辺で領海侵入を繰り返したことに対し、連日、抗議するなど対応に追われました。
岸田外務大臣が、フィリピン訪問を急いだのも、新体制となったフィリピン政府と足並みをそろえて、こうした中国の海洋進出に歯止めをかけたいからです。
ただ、中国の活動は今後も続くと見られ、岸田大臣としては、ほかの関係国にも日本の立場への理解を求め、いわば国際的な包囲網を築くことで、中国が国際ルールに従うように、粘り強く働きかけていくことにしています。