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支給日に高齢者向けサービスを…熱い商戦

年金支給日を意識した主なサービス

 百貨店やスーパーマーケットなどで、年金支給日に高齢者向けのサービスを手厚くする動きが浸透してきた。偶数月15日の年金支給日に買い物が増える傾向があり、割引やポイントなどのサービスで「年金マネー」を引きつける戦略だ。コンビニエンスストアが台頭する中、スーパーなどは高齢者を囲い込んで収益の安定化を図る。

     「15日の買い物は抽選があるので楽しみ。ついつい買ってしまう」。東京都豊島区の東武百貨店池袋店。8階のシニア向け婦人服売り場で買い物をしていた主婦(66)は笑顔をみせた。

     同店では昨年10月から毎月15日、5000円(税込み)以上買い物した人を対象に1000円分の商品券などが当たる抽選を始めた。特に年金支給日には来店客が増えているといい、同店は「15日はお得というイメージが定着してきた」と手応えを語る。

     共通ポイント「Tポイント」に加盟するスーパーのマルエツも昨年12月から、60歳以上の顧客を対象に、毎月15日にポイントが通常の10倍になるクーポンを配り始めた。担当者は「首都圏では、前回支給日の6月15日の売り上げが前年より約15%増加し、給与支給日の25日前後よりも売り上げがいい店もあった」と話す。イトーヨーカ堂が60歳以上に発行する電子マネー「シニアナナコ」は、毎月15日と25日に買い物代金が5%引きとなる。

     生活用品販売のアイリスオーヤマグループが運営するホームセンター「ユニディ」は毎月15日に、5キロ分のコメか、2000円以上の商品を購入した65歳以上の会員を対象に、無料宅配サービスを行っている。同社は「重い商品を持ち運ぶのが大変なシニア世代の評判が良く、通常より多く買い物する客が増えた」という。

     内閣府によると、全体の消費支出に占める60歳以上の割合は高齢化の進展とともに増加しており、2014年には46.9%にまで拡大。とりわけ百貨店やスーパーは、ユニクロなどの専門店やコンビニに顧客を奪われて厳しい経営環境が続いているだけに、「利用頻度や購入額が高い優良顧客が多い」(マルエツ)という高齢者層の取り込みが“命綱”となっている。消費の現場で高齢者の存在感が高まる中、サービス競争も激しさを増しそうだ。【浜中慎哉】

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