過激派2人、日本経由でトルコに
関与疑い、立命館大学の元准教授
【ダッカ金子淳】バングラデシュ警察の対テロ部門幹部は28日、過激派に関わった疑いで行方を捜査している立命館大学(京都市)の元准教授、サジト・チャンドラ・デブナット容疑者(33)が2014年にバングラから地元過激派メンバーである20代のバングラ人2人を日本経由でトルコに出国させていたと明かした。2人はその後、所在不明となっており、隣国シリアなどで活動する過激派組織「イスラム国」(IS)に合流した可能性がある。
警察幹部によると、当局はデブナット容疑者が地元過激派「ジャマトル・ムジャヒディン・バングラデシュ」(JMB)の分派「ネオJMB」幹部とつながりを持っていたとみている。日本経由でトルコへ渡った2人はネオJMBメンバーとみられ、デブナット容疑者が渡航の手配を行った。その後バングラに帰国した形跡はないという。
首都ダッカで今月、日本人7人を含む人質20人が死亡した人質テロ事件ではISが犯行声明を出したが、当局はネオJMBが関わったとみている。
地元警察などによると、デブナット容疑者は02年に日本へ留学。昨年4月から准教授として立命館大学で経営学を教えていたが、昨年末ごろにブルガリアへ出国し失踪。今年3月に大学から解雇された。15年ごろにネオJMBメンバーへの取り調べからデブナット容疑者が浮上し、当局は関係者から事情を聴くなど取り調べを進めていたという。