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悪の秘密結社のアフター5

悪の組織でリーマンしながら悪の秘密結社パーフェクションで幹部として活動もするおっさんのブログです。

悪の幹部のイメージ戦略

黒の組織

今日は新人研修。

 
新人戦闘員を相手にしますからそりやあもう、ビシッと決めて厳しく接します。
 
学生気分をここでそぎ落とす為です。
 
我々は社会人の手本として振る舞う必要がありますからね。
 
この時期、私は鬼の副長とまで呼ばれます。
それくらい厳しい研修です。
 
・・・
 
いいか!
今からボスが君たちへメッセージを送る!
戦闘員の心構えや我が組織で仕事をする上での大切なことをお話してくださる!
しっかりと聴くように!
 
寝たりする奴がいたら、その斑全員に罰を与える!
いいな!ではボス!お願い致します!
 
私は正面に飾られた大きな組織のエンブレムの後ろに回り込み、PCから再生ボタンを押す。 
 

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あのジジイ。昨日、ドタキャンすると言い出しやがった為、急遽、録音にしたのだ。
 
その場にいるように見せる為、偉大なショッカー形式でごまかすことにしたのだ。
 
「おはよう、諸君。君たちが我が組織に入ることを歓迎しよう。」
 
うん、無難な滑り出しだな。
今朝、USBで受け取ったから中を確認できなかったんだよな。
最初に受け取ったデータは3つの袋とか言い出しやがったからな。
 
「我が組織は、お客様である被害者、これによって成り立っておる。だから、我が組織の理念であるお客様の人生に一抹の不安とスパイスを。これを忘れてはならぬ。」
 
うんうん。いい調子じゃないか。
ボスの経営力にはかなりの不安と刺激があるけどな。
私はホッとしつつ、新人どもの後ろで待機し、監視しているぞのオーラを出します。
 
 
「我が組織で働く上で構成員全員が第一とすべき事が3つある。」
 
「「???」」
ん?第一が3つ?
 
 
「まずはお客様第一。先ほども述べたように我々、悪の組織は、お客様である被害者がいなければ成立しない。その被害者の心に一生忘れられない思い出を刻むことが第一である。一期一会、被害者になるターゲットを見定め、一人一人に合った悪事で不安と恐怖を与えるのだ。我が組織ではこのお客様第一の精神でこれまでやってきておる。君たちも一からその心を学び精進してほしい。」
 
内容は悪くないけど、なんか腹立つな…。
 
「次に安全第一。いちいちみなまで言わぬが悪事を進める上で最も重要なのが安全である。つまらぬケガをして現場に出ることが出来なくなるなど、1番あってはならないこと。第一、君たちがケガをすると多くの仲間、家族が心配をする。大切な人に心配をかけるなど、それは悪の組織で1番重たい罪である。安全第一を心するように。」
 
ややこしいな!
 
「以上が我が組織で働く上で第一とすべきことである!」
 
「「???」」

3つめ…。
 
「なお、このテープは再生が終わると自動的に停止する。さらばだ諸君。」
 
 
フフッ。
当たり前のことを当たり前のように言って終わりやがった。
ツッコミどころが多すぎて処理できん。
録音だって自らバラシてるし、
テープって…
 
お、いかんいかん。空気が緩んでる。
 
今、笑った奴は誰だ!
ボスのメッセージだぞ!
我々は学校の先生ではない!
ボスの言うことは絶対だ!
わかったな!
 
私は緩んだ空気を引き締めました。
さて、ここからは私の組織の部署についての紹介です。
 
・・・
 
…と、このように我が組織には様々な部署が悪事をサポートする。
君たちも戦闘員で実績を出せば、実績に応じて部署へ配属になることもある。
(私も女性ばかりの医療班がよかったな…入替わり激しいけど)
 
我が組織は実力社会だ!男女の区別はない!
(今年の新人も女の子は少ないなぁ…可愛い子いないかなぁ)
 
各々、十分に実力を発揮してくれたまえ!
(女の子の部下がほしいなぁ…)
 
私からは以上だ!続いて幹部から戦闘員について説明する!
(これで私の出番は終わりだ…この後、天使ちゃんご飯に誘ってみよう…)
 
それでは失礼する!
(天使ちゃんどこ誘おうかな…)
 
私は、すでに終わった感で緩み切っていました。
新人から恐れられていた私ですがこの時ばかりは完全に気が抜けていました。

連日、慣れない怖い顔で過ごしていた反動で私はプツッと糸が切れてしまっていたのです。

私は壇上を降り、自分の席に戻ります。
幹部が説明を始めました。

私が席に座る時、思わず…

よっこら○ックス

…。

…。

…。

ピンマイクつけっぱなしだった…。


・・・
イメージって頑張って作っても簡単に壊れるよね。



 
 
 
 
 
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