(鞠子)全部で716冊。
ほとんど残っちゃったね…。
(常子)あと1冊頑張ってみない?
(五反田)あの人に相談してみろよ。
あの人?花山伊佐次。
きっと君の作ろうとしている雑誌をよりよくしてくれるはずだ。
・はいはいお手紙届いてるかなあ?あっ…。
どちら様?あっあの…私…。
・「普段から」・「メイクしない君が」・「薄化粧した朝」・「始まりと終わりの狭間で」・「忘れぬ約束した」・「花束を君に贈ろう」・「愛しい人愛しい人」・「どんな言葉並べても」・「真実にはならないから」・「今日は贈ろう」・「涙色の」・「花束を君に」・「花束を君に贈ろう」・「愛しい人愛しい人」・「どんな言葉並べても」・「君を讃えるには足りないから」・「今日は贈ろう」・「涙色の」・「花束を君に」茜ちゃん2歳…3歳ですか?3歳です。
ほらきちんとご挨拶なさい。
うん?フフフフ…。
てれ屋さんなんですね。
甘えん坊でいつもこんな感じで。
茜ちゃん。
・
(花山)ただいま。
(三枝子)あっ。
すみません。
(三枝子)お帰りなさいませ。
(茜)お帰りなさい。
あなたにお客様が。
(花山)客?お邪魔しております。
私5年前に一度お目にかかった事がある…。
覚えてる。
甲東出版の小橋常子だ。
あ…でも今はそちらを辞めて…。
知ってる。
何だ?用件を言いたまえ。
あの…。
私雑誌を作ったんです。
母と妹2人で。
ですが思うように売れずどうしたらいいか行き詰まってしまって。
五反田さんに相談したところ花山さんを紹介して頂いたんです。
お力を貸して頂けないでしょうか。
力など貸さん。
帰れ。
五反田も余計な事を。
(三枝子)あなた。
お前も素性の分からぬ者を勝手に家に上げるな。
強盗や詐欺の類いだったらどうする?ああいう害のなさそうなまぬけ面でも油断するな。
(三枝子)ごめんなさいね。
いえ。
(三枝子)今お茶いれますね。
あっありがとうございます。
あの…せめてこの雑誌の駄目なところを一度だけでも見て頂けませんか?駄目なところしかない。
そんな見もしないで…。
たまたま闇市で買ったんだ。
えっ?どうして…。
そうなんですか?買った事を後悔したよ。
何を見せたいんだ?文章か?洋服か?テーマは何だ!?どのページを見ても同じような割り付けで飽き飽きする。
紙も劣悪で手触りも悪い。
こんなものに7円払うならちり紙を100枚買う事を勧めるね!そもそも君は読者を想像できていない。
外国人や一握りの令嬢が着るような浮世離れした洋服を載せて何になる?周りを見てみろ!焼け野原の中食う物も着る物も最低限しかない中で生きてるんだ。
作り方を載せたところで材料などどうやって手に入れる?型紙も載せないで読者が本当に作れると思うのか?もういいだろ。
帰れ。
フン!
(滴が落ちる音)
(五反田)でもよかったじゃないか。
結局助言はもらえたんだろ?的確で圧倒されました。
(五反田)才能は抜群だ。
ただ…僕が仕事の依頼をした際言われたんだ。
二度とペンは握らないとね。
どうしてですか?何だか疲れたって濁された。
今は品川で珈琲屋を始めたらしい。
花山さん私たちの編集長になって下さいませんかね…。
どうしたもんじゃろのぉ…。
(君子)花山さんって方の事?ええ。
いいんじゃないの?無理して編集長をやって頂かなくても。
う〜んでも花山さんの指摘ってすごく的を射ていると思わない?
(美子)う〜ん確かに…。
けど私の文章のよさが分からないだけかもしれないしそもそもその方は断ったんでしょ?まあ…そうなんだけどね。
晴れたら雨漏りの修繕しないとね。
いいのいいの。
うちの事は私に任せてあなたは花山さんのところに伺ったら?ん?どうしても諦められないんでしょ?はい。
(花山)頂きます。
(2人)頂きます。
(三枝子)お味薄いですかね。
うん…まあ。
おしょうゆが途中で切れてしまって…。
(花山)こんな時にぜいたくは言ってられんさ。
少ない私の収入で君がやりくりしてくれてるのに。
どこかで手に入らないか見て回りますわ。
あ…すみません。
いや。
昼間いらっしゃった小橋さんって…。
うん?
(三枝子)お母様と妹さん女だけで雑誌を作ってるっておっしゃってましたけどそれで暮らしていけるんですかね?人の心配している余裕などないだろ。
そうですけど何だか気になって。
よし。
今度長澤に会おうと思う。
長澤さん?古くからの知人だ。
一緒に衣料の事業をやらないかと誘われている。
事業をなさるの?まだ決めた訳じゃない。
話を聞いてみるだけだ。
そうですか。
どのみち今の暮らしはもう少しよくせねばな。
今のままの貧しい食事では茜が不憫でね。
鞠子と美子は売れ残った雑誌を手に闇市に向かったのですが…
こんにちは。
こんにちは。
あんたらか。
またあの雑誌かい?はい。
懲りないね。
あんなに売れ残ったのに。
7円から4円に値下げすればまだ売れると思うんです。
なので置いて頂けませんか?安くするのは構わねえがこっちがもらう額は変わんねえよ。
じゃあ今までどおり3円って事ですか?ああ。
そんなに払ったら利益なんてないんです。
3円なんて…。
嫌なら置き場所はない。
帰んな!すみませんあの…この珈琲屋さんご存じ…。
ああそれならそこの角まっすぐ行った奧の店だよ。
ありがとうございます。
ごめんください。
ああいらっしゃい。
あっこんにちは。
あっ好きな席にどうぞ。
はい。
うちはコーヒーしかないから。
あ…はい。
あの…花山さんはいらっしゃいますか?ん?ああ…。
マスターお客さんだよ。
・はい。
また君か…。
お水持ってきますね。
接客など結構です。
客じゃありませんから。
えっ?すみませんコーヒーを1つ。
何?注文しましたから私はもう客です。
ほう…。
コーヒーね。
フフフ…。
昨日の話なら何度来ても同じ事だ。
昨日の話ではありません。
昨日は雑誌の助言を頂きたく伺いました。
今日は雑誌の編集長として入って頂きたく参ったんです。
どういう頭を持てばそうなる?助言するのを断った人間が編集長になる訳などなかろう!ですからそこを説得しようと。
無駄だ。
帰れ。
帰りません。
花山さんとお会いするといつもこのやり取りですね。
帰れ。
邪魔するな。
ですから…。
帰れ。
邪魔するな。
3度も言わせるな〜!最初にお会いした時も先日のお宅でも。
君が来てほしくない時に来るからだ。
ではいつ伺えば?私の葬儀だ。
えっ?死んでいれば君の話を聞かなくて済む。
はぁ…。
・本当に失礼な物言いをなさいますね。
よし…。
二度とペンを握らないのはなぜなんですか?本当の理由を教えて頂けませんか?聞いてどうする?どうしても花山さんと一緒に雑誌を作らせて頂きたいんです。
そんな事は知らん。
大体君は身勝手すぎる。
何度も押しかけてきて。
申し訳ございません。
でも花山さんほどの才能がありながらご自身で身を引かれる…。
帰れ。
目障りだ。
花山さん…。
何も話す気はない。
出ていけ!分かった。
君が帰らんのなら私が帰る。
あとは頼みます。
2016/07/11(月) 12:45〜13:00
NHK総合1・神戸
連続テレビ小説 とと姉ちゃん(85)「常子、花山の過去を知る」[解][字][デ][再]
常子(高畑充希)たちが作った「スタアの装ひ」。類似品が出回り、大量に売れ残ってしまう。失敗の理由を探るため、かつて挿絵をもらった花山(唐沢寿明)の元を訪ねるが…
詳細情報
番組内容
常子(高畑充希)たちが作った「スタアの装ひ」。最初こそ完売したものの、類似品が闇市に出回り、増版は大量に売れ残ってしまう。失敗の原因を探るため、常子はかつて挿絵をもらった花山(唐沢寿明)を訪ねる。妻の三枝子(奥貫薫)は優しいが、肝心の花山はダメ出しばかり。しかし、その全てが的確な指摘で、常子は深い感銘を受ける。聞けば業界で知らないものはいない程の才能があるにも関わらず、ペンを折ったというのだが…。
出演者
【出演】高畑充希,木村多江,相楽樹,杉咲花,奥貫薫,及川光博,寺田農,唐沢寿明,【語り】檀ふみ
原作・脚本
【作】西田征史
音楽
【音楽】遠藤浩二
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
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