読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

サブカル 語る。

サブカルチャーなどについての雑談

自民党の憲法改正漫画がどれだけひどいかを語る

こんにちは。

 

昨日のブログでも書いたとおり、

本日は自民党が発行した憲法改正漫画

f:id:arrow1953:20160704005453j:plain

ほのぼの一家の

憲法改正ってなぁに?について

物語の登場人物は頼りなさげな夫、

ささいなことですぐにキレる妻。

それを諭すおじいちゃんとひいおじいちゃん。


物語はとある休日の昼下がりに

いきなりブチギレる妻の怒鳴り声から

スタート。

でもっていきなり

f:id:arrow1953:20160705235922j:plain

何の脈絡もない憲法論議に突入。

そんな情緒不安定な妻をなだめるのが

自分たちにとって

都合のいい憲法=GHQ押し付け説

だけを語り、さもそれを事実だと

いわんばかりにお説教を始める老害


まぁ自民お決まりの構図ってやつです。


f:id:arrow1953:20160706001120j:plain

f:id:arrow1953:20160706001229j:plain

※実際には日本人の憲法学者などが集まって発足した

憲法研究会の憲法草案をベースに作った

という説もあるので、必ずしも押し付け

ではありません。

 

押し付け憲法論 - Wikipedia

 

この憲法論についてはブログでコレ以上触れません。

 

さて本題。

ここまでの描写で気になる点を羅列していきましょう。

 

①曽祖父、祖父、夫、妻、息子の家族構成になっているが

曾祖母、祖母、娘がいない。

 

②感情的にいきなりキレる無知な妻。

 

③それを諭す曽祖父。

 

この3点を統合して考えていくと

自民の考えている家族のビジョンとは

こんな感じなのでしょう。

 

女性というのは無知で感情的になりやすいため

男が威厳を持って女性を「教育」するべき。

また、この家族に娘がいないのは

「女性は、跡取りを生むためだけの機械」であると

思っているからじゃないのか?

ちょうど今から10年ほど前に、こんなことを言った大臣が

いましたっけ。

 

「15-50歳の女性の数は決まっている。

産む機械、装置の数は決まっているから、

あとは一人頭で頑張ってもらうしかない」

 

柳澤伯夫 - Wikipedia

その発言の後でひどく炎上したため、この人見苦しく

いいわけをしていたけども、この漫画を見る限り

「女性は子どもを生む機械」という考えって

自民党の共通認識なんだろうなと

思わざるをえません。どちらにしても、

この歪な家族構成を見るかぎり、この人たちの

根底にあるのは男性優位な発想であることは

間違いなさそうです。

同様の指摘は、この選挙啓発漫画にも言えます。

 

f:id:arrow1953:20160528225712j:plain

 

arrow1953.hatenablog.com

 

この点だけを見ても性差別を許さない

日本国憲法の精神に反していると思うの

ですが

憲法改正の動機にはおそらく、女性が社

会に進出したことで

肩身が狭くなっている男の威厳を

回復させるため

女性に対して男を優位に立たせたい!

というみっともない嫉妬めいた願望があるんじゃないか。

テメーらの勝手な妄想で、脳内で勃たせてろ。

 

はい、次。

 

ブログできのう書いたけど

自民党はともかく「個人」をひどく嫌います。

f:id:arrow1953:20160705001814j:plain

コレ大ウソ。「公益=みんなの利益」

だけを意味しません。

公益とは「社会一般(大多数)の利益

であり公共の福祉とは

「お互いの自由と人権の公平性を保つための原理」も含みます。

もしも、公共の福祉が公益のみを意味するものだったらどうなるか。

例えば僕がヘビースモーカーだとします。

20歳を超えた成人だったら僕には

タバコを吸う権利がありますが、そのいっぽうで

「タバコがイヤ。近くで吸うな!!」という人が大勢いる。

公共の福祉が公益だったら、僕のタバコを吸う権利が認められません。

喫煙という行為は「大勢の利益に反するから」です。

 

それと逆に嫌煙家が少数派でヘビースモーカーだったら

「タバコ嫌なのでやめてほしい」といえません。

この場合「喫煙できる環境」こそが公益になるためです。

 

このように両者の(幸せを求める権利)が対立する場合、

お互いの持つ権利を最大限尊重して、解決策を模索する。

上記の話でいうと、「分煙室」を作るといった

あたりが現実的な解決策になるでしょう。

 

この辺の議論はたいへんむずかしく

現在も多くの学者が議論を戦わせています。

ただ、どちらにしても公共の福祉=公益と断言などできません。

f:id:arrow1953:20160705001819j:plain

 

それをやってしまったら

公共の福祉=公益=国(権力)の利益という三段論法も

成り立つ事になり、国は公益のため

いくらでも国民に負担を強いることを

できるようにする事も可能だからです。

 

だからこそ、日本国憲法

国よりも人の尊厳という公式で作られているのです。

話も長くなってきたため、本日はこの辺で。

次回もつづく。